軍人さんと金平糖

gunjin san to kompeitou

軍人さんと金平糖
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神24
  • 萌×221
  • 萌11
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

141

レビュー数
15
得点
238
評価数
58
平均
4.1 / 5
神率
41.4%
著者
海野幸 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
八千代ハル 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784576230078

あらすじ

こんな甘えたな軍人さんなんて、見たことないですよ
遊郭で生まれ育った清は下働きの身にもかかわらず客の軍人・正嗣の妻として身請けされるが…。

「彼を俺の、内縁の妻にするつもりです――」遊郭で生まれ育ち下働きとして働く清は、上官の伴でやってきた客の軍人・正嗣の酌をすることに。艶やかな花魁に一切興味を持たず、寡黙で、終始優しかった正嗣を清はいつしか待ちわびるように。これが遊女たちの言っていた恋…? そこへ再び正嗣が見世に現れ、楼主と緊迫した小競り合いを演じた末、清を身請けしてしまう。初めて外の世界へ出た清は言葉少なな夫との生活に馴染もうと頑張るが…。

表題作軍人さんと金平糖

羽田正嗣,24歳,軍人
清,17歳,妓楼で働く下働き

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数15

イラストもふんわり優しげです

以前からなんとなく気になっていたタイトルと表紙絵。
コミックスじゃないと知り殆どBL小説は読まないわたしはなかなか手が出せませんでした。
読み出したら一気に読んでしまいましたけど!

金平糖って子供の頃を思い出します。
で、たいして美味しくもないのだけれど明治時代底辺の生活者にとってはきらきら夢のような高級菓子だったのだろうな。

BL小説ってエロい、コミックスより濡れ場が多いと決めつけていました、ごめんなさい。
この小説は拍子抜けするくらい?濡れ場が少なかったです。
でも!BLらしい萌えどころは数多くあって楽しく読みました。
背景設定が明治初期の妓楼、凛々しい禁欲的な軍服姿、そして自分の人生を切り拓く意地を見せる美少年なんですから、それだけで魅了されます。
ストーリーも丁寧に作られているので必然的に扇情的なだけの濡れ場はないのだと言えます。

軍人正嗣が一貫して下働きの少年清に思いやりの気持ちで接して決して揺るがない恋心が伝わってくるのがたまりません。
終始周りの者にも清を自分の妻だと言い切る頑固さというか一途なところがキューンです!

最後に妓楼の楼主だけが最後までやなヤツでした。
とはいえ爽やかな読後感で海野先生の他の作品も是非読んでみたいです。

1

最高に萌えた海野先生の時代もの

アワード投票締め切りギリギリに読み終えることが出来て良かった…!

海野先生のお仕事もの、現代ものが大好きなんですが、時代もの自体がそこまで好きではなく、手に取っていなかったこちらの作品。

今回ノミネートされていたことで「やっぱり読まなきゃ!」と決心することができ、読んで大正解でした◎
身悶えするほど萌えた…!

まず、八千代ハル先生のイラストの美しさたるや。

二人の唇が触れ合いそうで触れ合っていない、キスする直前の一瞬を切り取ったかのようなイラスト。
そこにこぼれる色とりどりの金平糖がまた綺麗で可愛くて…

いつまでもうっとり見ていられる表紙に、感謝しかありません✨

そしてそして、内容の方もですね、萌えが詰まっておりました…
明治もの、いいわ。。とうっとり。

軍人、というより「軍人さん」と”さん”を付けて呼びたくなってしまう、言葉少なだけれど優しさに溢れた軍人さん攻め、正嗣 × 遊郭で無給で下働きする不憫受け、清(きよ)。

もう、特にきゅーん!としたシーンがありまして。
身請けされ、街に一緒に服を買いに出かけて雨に降られる場面。
外套にそっと清を包み込んでくれた正嗣の表情は飄々としているのに、心臓が早鐘を打っているのですよ…!実は耳も真っ赤で熱くなっている、というね。

清のことを想う気持ちが隠せずドキドキしている正嗣の様子に、こっちも一緒にドキドキきゅーん…でしたよ。。(⸝⸝⸝°◽︎°⸝⸝⸝)

お互い一目惚れで、正嗣もしっかり言葉にして伝えてくれてはいるものの、色々な誤解から「自分は後継問題の駒として手許に置かれているだけなのでは」と気落ちしてしまう清。
それでも、伴侶ではなく奉公人としてでもいいからどうしても正嗣のそばにいたい!と当主に訴える健気な姿に涙、涙…

これからも毎日金平糖一粒、いや何千粒にも値する愛の言葉をもらい、心穏やかに甘い甘い生活を続けていってほしい、きっとそうなるよね…と、読後しばらく甘い甘い気分に浸ってうっとりしました・:*+.


1

可愛いけど

金平糖のシーンは大好きでした。

ただ、不憫受けなんだけど、少し中途半端な感じがしてしまいました。
個人的に最初の方で、もう少しいじめられた方が後の痛快度アップがあったかなと。
攻め様も同じくスパダリ一歩手前な感じで。
受け様、攻め様どちらかが振り切ってる方が、もっと物語にメリハリが出たような?

せっかくなので軍人の描写も、もっと欲しかった。
攻め様パートのお話をおまけ程度で良いのであればもっと楽しめたかなと。
せめてイケメンな当て馬が出るとか、もう少し波乱が〜とも思ったのですが、このお話はゆったりした明治浪漫な雰囲気を甘く楽しむ物だったんですかね?
と言うことで少し厳しめな採点です。
お話自体は好きなので、萌2でも良かったかも。

1

海野先生の時代もの、良き!!

海野先生の現代物が大好きなもので、時代ものはどうかなぁ?と思っていたのですが、こちらも変わらず最高でした!
たまーに明治大正もの、読みたくなるんですよねぇ。

海野先生の文体が本当に好きで、何はともあれ金平糖を食べたくなりました笑

ストーリーの半分以上、受の清が延々と攻の正嗣との関係について悩んでいます。
本当に自分は愛されているのか、後継問題を解決するために連れてこられただけなのでは…?と聞けば解決するような話ではあるのですが、清は1人延々と悩み、その言動から正嗣に誤解されてしまうことも。
私はこう、受と攻のコミュニケーション不足からくるすれ違いが大好物なので、内心もっとすれ違え!!と思いながら読んでました。
やっぱり薄幸の受が攻といっしょに幸せな道を歩み始める話は何度と読んでもいいもんですねぇ。
挿絵も可愛くって、コミカライズも読んでみたいなぁと思いました。

2

出会いの会話が可愛い

側から見れば、不安になり信じられなくなる心理は分かるのだけどもっと相手の言葉を聞き信じようとするのは大事だなと思いました。
こうと決めたら相手のケアなく突っ走る正嗣と、うじうじ悩んで相手が心配しないよう無理する清、負のスパイラルが…ジリジリするのは読んでて萌えましたが可哀想です。ネ○○の○を料理に入れられて胃痛は食中毒だったらどうしようかと無駄にヒヤヒヤしました。
清が危機の最中、現実を直視して歯向かうところが良かった。

出会いのお酌の会話が可愛いです。すぐ終わるような質問の最後に「羽田様は?」とつけるキャッチボールが拙くささやかで、清の孤独が癒されるようで沁みました。

挿絵は可愛い絵柄は好きなのですがせっかく(?)軍人さんなのにひょろっとしていて、清もそこまで美しく感じられなかったのが少々残念でした。

0

キラキラな金平糖が宝物のよう


遊郭で生まれ育ち下働きをしていた清(受け)は上司に連れられてきた正嗣(攻め)と時間稼ぎのため1晩過ごし、優しかった正嗣に恋してしまいます。叶わない恋だと思っていたのに、楼主とゴタゴタの勢いで身請けされることになるのです。


遊郭で生まれ育ち、年季もなくタダ働きを死ぬまで続けなければならない奴隷のごとき生活をしていた清でしたが、心を鼓舞するため、花が咲いたとか綺麗な夕日を見たとか金平糖を拾ったとか小さなことにしあわせを見つけ、「今日もいい日だ」と自分に言い聞かせています。読んでいてもう不憫で不憫で。
お話の初めの方で正嗣に身請けされよかったと思って読み始めたのに、ここからが長い。

急なことであったのは分かるけど、実家に連れて帰り、忙しいからと放置するのはどーなの?と思ってしまいました。
清は上げ膳据え膳になって良かったと思える図太い神経をしていれば良かったのですが。
正嗣のフォローがないので使用人たちには受け入れてもらえないわ、兄との相続争い(甘い汁を吸おうとしている親戚連中が勝手にしている)に巻き込まれるわ、清の母に執着していた楼主が粘着だわとなかなか幸せになれません。

すれ違いが長すぎ。本編のほとんどがすれ違い。二人ともが(特に正嗣)。
きちんと時間をとって話をしていればこんなに拗れなかったのに。
そして、正嗣は放置し過ぎ。放置するから清が心労で倒れることになるんだよ。


今よりずっと金平糖柄貴重品だった時代。
1粒の金平糖を宝物のように思う清を見てると無性に金平糖が食べたくなりました。

家族のゴタゴタもひと段落したし楼主は捕まったしでめでたしめでたしでよかったです。

1

もどかしい。

「こんな甘えたな軍人さんなんて、見たことないですよ」とあったので、いちゃいちゃ多め甘々ほのぼの路線かと思いましたが、9割すれ違っててもどかしいのなんのって。

遊郭生まれの薄幸不憫受けの清が、軍人さんに内縁の妻として身請けされてこれで幸せに……!と思いきや、嫁いだ先でも清はポツーン……なんですよね。
「突如やってきた男なのに妻」という立場の清は使用人達からは疎まれて無視されてしまうし……。
ううっ、可哀想!!

正嗣は軍人だし、明治のお方ですからね、朴念仁でもしゃーねーなって感じではありますが、それにしても言葉が足りない。
周囲には「俺の妻だ」と正々堂々と紹介するし、「妬ける」とか「一目惚れ」とか言葉はストレートなので硬派かつ誠実そのものなんだけど、言葉が足りないから周囲は「え?え?旦那さんが突然男を連れてきたかと思ったら、妻にしたとか言い出したけど、どゆこと?!」「なにか意図でもあんのか?」と邪推してしまう。
清自身も、正嗣の言葉を信じきれずに不安に陥ってしまう。
負のループ。

清のほんのささいな事に幸せを見出して「大丈夫、今日はいい日だ」と言い聞かせている姿に、たまらない気持ちにさせられるんですよ。
だからこそ、もうちょい早めに幸せを実感してる姿を読みたかったですねぇ。
最後の最後でよーやっと誤解が解けて幸せを噛み締めている姿が読めるものの、幸せ描写のボリュームが足りない。
他社だと特典SSみたいなのが巻末に収録されていて、その後の多幸感溢れる様子などが読めてそこで補足できたりするんですが、そういうのも無いので、あら?もう終わり??と思ってしまいました……。





0

金平糖が食べたくなります

明治大正頃の時代設定・軍人・遊郭育ち・身請け…と、王道でありながら心惹かれるワードでいっぱい。
カバーイラストの雰囲気通りの甘さもあり、ほんのりほろ苦くもあるシンデレラストーリーでした。

今作の受け・清はいわゆる健気受けになるかと思うのですが、なんというか読んでいてどうしようもなく庇護欲がそそられてしまうんですよ。
例えるのならそう、タイトルにもある金平糖のような素朴な愛らしさのある少年なのです。良い子すぎる…
育った環境と境遇が境遇なだけに、作中で彼が小さな幸せを感じる度に、君はもっともっと幸せにならなければいけないよ…!と思ってしまうほど、攻めでなくとも慈しみたくなる子です。
応援したくなるというよりも、たくさんの人に愛されて幸せになってほしくなる受けでしたね。

そんな彼を内縁の妻として身請けした軍人さんこと正嗣との新生活が綴られていくお話です。
見どころとしては、やはり健気に頑張る清の姿かな。
考え方も卑屈じゃないですし、一生懸命で一途な彼が愛おしいです。
攻めの正嗣も不器用でかわいらしい部分もあったのですが、ちょーっと言葉足らずなんじゃないのかい?なんて思うところもあって、今回は思いっ切り清に肩入れしてしまいながら読み切りました。
読者的には不器用で寡黙な攻めが何をどう思っているかが読めるので、あらあらまあまあといった感じで読み進められます。
でも清には…?という誤解や思い込みが楽しめる作品です。
安心して読める王道のシンデレラストーリーだと思います。
ただちょっと、同じ言い回しや表現が多かったのがやや気になりました。

1

高級菓子だった金平糖

明治か大正時代を背景。金平糖を調べながら読んで楽しかった。

金平糖はポルトガルから伝来した菓子「コンフェイトス」。
日露戦争の保存食として機械で製造されるようになっても、製造に二週間かかる高級品。・・だから、一粒を座敷で拾って清は大喜びしたのか、と納得。

主人公の清:17才 自分の美貌に無自覚な健気。
母は、遊郭の花魁「朝露」。
身請けできない男と恋をして産んだ清は 母親似の美貌。
母没後、遊郭で下働きとして育つ。
金平糖を一粒拾った日に、羽田に出会い、
あっという間に身請けされて、内縁の妻になる。

羽田正嗣:24才
大きな呉服屋の次男、病弱な兄が店を継ぐので、軍に入隊した少尉。
直観で決める行動派。清に一目惚れ。

ネズミの死体を誰が放り込んだのか・・すぐに検討がついてしまう。
挿絵が漫画調
結末が呆気ない、
でも健気な主人公が幸せを掴む、シンデレラ物語で読後感は良かった。

5

明治

先生買い。不器用軍人さんと働き者健気さんとのお話で、時代の雰囲気と八千代先生の挿絵の雰囲気がぴったりで素敵でしたが、超ささるものは感じなかったので萌にしました。本編260Pほど+あとがき。

売れっ子花魁だった母から生まれ、その妓楼で育てられた清。ある日「相手をしてくれ」と軍帽を目深にかぶった軍人さんに部屋に連れ込まれます。酌をし食事をいただき、うっかりその膝の上で寝てしまい・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
攻め両親、兄(病がち)、楼主、攻め実家の使用人たちぐらいかな。

++攻め受けについて

攻めさんが圧倒的に言葉が足らないのでは?!?!と思うんですけどね???まあ明治時代の軍人さんですもんねえ、愛してるだの始終囁くなんて芸当できないのは、よーくわかりますが、でもねえ・・・身請けしてきて実家の離れにぽいっとほうりこんでですよ、そりゃ自分は仕事あるだろうけど、一人家に残る受けのことをちったあ考えたれよ!!!!!!!ととても思った次第です。不器用軍人に惚れるもんじゃねえな。

そんな不器用なくせに、いざ清が病で倒れたらあわあわ「出ませーーーーい」とばかりに使用人に大声でHELP要請をし、やれ粥を食べろだのどこかイタイのかだの、オロオロするのはちょっと面白かったです。

受けは前向き健気ちゃん。かなり手ひどい境遇なんですが思考が後ろ向きじゃないのがいいですよね。お腹すいてるのに「今日は金平糖を見つけた」(客がおっことしたもの、最後は店の他の女に食べられちゃう)「今年最初の梅の花が咲いた」だの幸せ捜しして頑張っちゃうんだもんな。おばちゃん胸が痛いよ。

そんなどん底にいた子を一目ぼれした軍人さんがなんも言わずに掻っ攫ってくるというお話でした。頼むからもうちょっとコミュニケーションというか最初の居場所を整えてやってくれな、攻めさんよ。

10

初恋同士の恋物語

今回は呉服屋の次男の軍人と妓楼の下働きお話です。 

攻様によって妓楼から身請けされた受様が
攻様と気持ちを通じさせるまで。

受様は中見世の妓楼の人気花魁が
若い客との間にもうけた子でしたが
花魁は受様を産んですぐ亡くなりました。

受様は花魁に執心した楼主に引き取られ
年季も給料もなく店から出られない身となり
徐々に母似に似てきた受様に
粘つく視線を向けるようになります。

そんなある日、
受様は妓楼を訪れた軍人の1人に
下女と間違えられて酌の相手をさせられます。
この軍人が今回の攻様です♪

攻様は上司に部屋をあてがわれて難儀していて
遊女が来る前にと目についた受様を部屋に入れたのです。
受様は遊女ではなく酌は出来ないと言いますが
攻様は上司への言い訳だからと受様相手に飲み始めます。

やがて花魁がやってきますが
攻様は受様を理由に彼女を追い返し
酔ってキザした受様の介抱で1泊して帰っていきます。

受様は翌日から攻様の面影を追うようになりますが
3日後に楼主から自ら水揚げして客を取れと
命じられることになります。

受様に楼主の命に抗う術はあるのか!?

家業を継がないために軍人となった攻様と
遊女の子として妓楼で下働きをする受様の
和風シンデレラストーリーになります♪

受様が身を固くしている正にその時、
受様に無体を敷いたと猛省して攻様が乗り込んできて
楼主に受様を傷物にした責任をとって身請けすると
宣言するのです。

当然楼主は抵抗しますが、
商売敵の妓楼への嫌がらせの数々を案にほのめかされ
軍部の介入まで匂わされて引き差がざるを得ず

受様は翌日には攻様の実家にそのまま連れていかれ
呉服店を営む攻様の父に「内縁の妻にするつもりです」
と許しを請われてしまうのです。

攻様は本気で言ったのですが父は戯言と相手にせず
隣で聞いていた受様は真っ青になってしまい
攻様が身請けした理由を聞かされても信じられません。

攻様がもっと小器用で人の機微に聡ければ
受様が持つと自分に自信が有れば
2人の恋は早くに実を結んだのでしょうが

呉服店の跡取りを決めない攻様の父
病弱で寝たり起きたりので攻様に店を任せようとする兄
才覚のない攻様を店主にして利益を搾取しようとする親戚達
突然現れた受様の扱いに困る使用人達の思惑が絡まって

妓楼からやってきた受様は
攻様の周囲の人達にも受け入れられないのです。

受様が攻様の伴侶として認められるまで
グルグルする受様を応援しながら
とても楽しく読ませて頂きました。

攻様を信じて愛を知った受様は強くなって
受様を護るために態度や言葉を惜しまなくなって
2人で幸せになる幕引で良かったです。

9

不器用攻め好き♡

安定した面白い作品を書き続ける海野幸先生なので、八千代ハル先生の表紙が出てからタイトルも相まって否応にも期待が高まりました。

見て下さいよ!凛々しい軍人さんに儚げな美人さんが眼差しを交わし合って、金平糖の入った瓶が切なさを醸し出していますよね!ね!

こりゃあ大好物な切ないお話だと鼻息を荒くして読み始めました。www

ところがです。清の生い立ちは凄く不憫でしたが、お話が始まってすぐに正嗣に見受けされたのでそこまで酷いとは思えませんでした。

反対に凄く萌えたのは正嗣の不器用さでした。懐にしまい込むように溺愛する正嗣に激萌でした。
言葉足らずかと思いきや、かなり情熱的な人物なのですよ。

正嗣の態度に安心したり周りの言葉に不安になったりしてた清にしてみれば、これはズギュンと胸を撃ち抜かれただろうと思うのです。かくいう私も撃ち抜かれていました。

なので清みたいに控えめで遠慮がちな子が、グルグルして行く様子が凄く焦ったく感じました。あんなに愛されてるのに!って。

ちょっとした不審な事や違和感を正嗣に話していたらと、何度も何度も歯痒い思いをしました。これも海野幸先生の手腕なんだと思いますが、まんまとやられてました。w

初めは清を誤解して拒絶していた使用人たちが、正嗣の清に対する情愛を見るにつけ本当に大切なんだと理解して行く様子が凄く自然で良かったです。

清が兄と仲良くなっても嫉妬する正嗣が凄く狭量で可愛いです。

8

BLのコミュニケーション不足の必要性?

読むのに時間がかかりました。
甘そうなタイトル、八千代ハルさんのイラストの色使いも可愛い表紙。きっと甘いお話かな〜?と読むのを楽しみにしてました。

知りたいこと聞きたいこと確かめたいことは、さっさと口に出してはっきりさせるのが大事だな。と思いました。

冒頭から清が健気で頑張ってて。そこへ現れた軍人さん。はぁ、これで幸せになれる…と思ったら。

幸せなのに常に不安が隣り合わせで。
遊郭という狭い世界と下働きしか知らない清。ろくに友達も親もおらず虐げられ続けて。そりゃあ不安ですよね。聞けないですよね。分かるんですが…。

正嗣を信じたいけどそんな上手い話があるわけない、でもとても優しくしてくれる、けどそれは…と長かったです。

いつもなら泣いてたと思うんですが、なぜか今作は止まり止まりで。どこかさめた目で読んでしまいました。
コミュニケーションがたりなさすぎ!これはBLの必要要素なのかな?

なんだろう、読みすぎてひねくれてしまったのかなあ。
レビューじゃなくて感想文なのかなあ、これでいいのかなあ。

11

健気不憫な清に涙

作家様買いです。

遊郭でうまれ育ち、下働きとして働く清。
ずっと遊郭で生きていくしかないと思っていたのですが
ある日お客さんとしてやってきた軍人の正嗣と出会ったことによって
人生が一変していきます。

清は健気不憫な子で、読んでいて所々泣いてしまいました。
こんなに良い子だから幸せになって欲しいと思ってたのですが
正嗣と出会ったことによって、少しずつ幸せになっていきます。

最初は正嗣の家の使用人たちに冷たくされる清。
それを正嗣に一切言わず耐える清。
胸が痛くて仕方ありませんでした。

そんな中で色んなことが起こります。
正嗣はいい意味で不器用なので
清にちゃんと正嗣の気持ちが伝わってなくて
そこにまた切なさを感じました。
正嗣も正嗣で、清の気持ちを勘違いしてて
自分の気持ちを言葉にする大切さを改めて学びました。

途中すごく辛くて切なくて
この作品を読み終えるまでに何回泣いたかわかりません。

でも最後はハッピーエンドでした。
本当に良かった(*´ω`*)

温かさも切なさもある素晴らしいお話でした(*´ω`*)

6

和製シンデレラストーリー

あぁ〜…これ好きですー!!

時代物好きなので、その設定だけで評価プラスαしちゃいたいところなんですが、ひいき目無しにしても面白かったです。
健気な清(キヨ)と、清に一目惚れし妻に迎えた無愛想な軍人・正嗣との恋物語は、テイスト的にはしっとりと控えめであるにも関わらず、ドキドキと溺愛がたっぷり!

特に注目すべきは、寡黙で無愛想な正嗣のデレ。清以外にはスンッなのに、清にだけはデレるの最高かよぉぉ〜…!と、畳の上でドッタンバッタン転がり回りました。(良い運動になった 笑)

そんな硬派な正嗣のギャップにニヤニヤしながら、どんな環境に身を置いても健気で前向きに頑張る清の姿に勇気と元気をもらった一冊でした。


舞台は明治時代の遊郭の妓楼。
下働きの清が、妓楼で会った正嗣にお酌をお願いされて…という出会いから物語が始まっていきます。2度目の出会いで身請けされ、正嗣の内縁の妻として迎えられてしまうので、ちょっとしたシンデレラストーリーです♪


身請け後、舞台は遊郭から正嗣実家へと移ります。
裕福な呉服屋の次男ということと、男が妻に!?という衝撃発言で、清は使用人たちから無視されたりするんですけど、辛くても悲しくても正嗣に心配かけまいと頑張るんですよー…(涙)
その上、偽装身請けのガセネタまで掴まされて精神的に落ち込んじゃう清。…予想できていた展開とは言え、読んでいて苦しいです。

正嗣の方はというと、清が家に来てから嬉しそう!正嗣は、めちゃくちゃ優しいしブレないしカッコいいです。
清が身体を壊せば寝ずの看病。甘いセリフも惜しみなく与えて、私の心臓もハートの矢で撃ち抜かれて大変でした。(さすが軍人、腕前が見事なり)

こんなに正嗣に愛されていても、外野からの不安な情報は無くならなくて、清の心の中に嫌な気持ちはくすぶっています。…何というか、清の正嗣への信頼や愛を試されているように感じました。

だからこそです。
終盤、清から正嗣への盛大な告白シーンにはジーンと胸が熱くなりました。
今まで、知りたいこと聞きたいことも飲み込んで我慢していた清の一代決心の大告白は、夫婦としての第一歩だったかなと思いました。やっぱり思ったことは言い合わなきゃなのよ〜


この作品で良いなって思ったのは、清の前向きな行動です。小さな幸せを見つけては「今日はいい日だ」と言い聞かせる、彼の一種のまじないのような考え方なんですけど、とっても素敵だなと思ってて。
毎朝正嗣から金平糖を一粒貰い、「金平糖貰ったから今日は良い日」って言って、ツラくても耐えて頑張るんです。健気すぎる…
金平糖で繋がる夫婦の絆に感動の嵐でした。

そういう意味では、生き方についても色々と考えさせられた作品でした。私も簡単にヘコたれず頑張ろう(笑)


昔の時代なので婚姻制度がなく、内縁の妻の関係にしかなれないけど、2人は立派な夫婦です。正嗣家族の関係も清が来てから良い方に向いたし、清は立派な羽田家の一員です。
あの時代にしたら、正嗣の愛情表現は日本人男性では珍しいものだったはず。それを惜しみなく清に捧げる正嗣の愛情は最高だと言わざるを得ません(^^)


読んだ後の幸福感がいつまでも続く素晴らしい物語でした。超おススメです!


16

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