王様に捧げる千夜一夜

ousama ni sasageru senyaichiya

王様に捧げる千夜一夜
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神42
  • 萌×238
  • 萌7
  • 中立3
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
18
得点
386
評価数
94
平均
4.2 / 5
神率
44.7%
著者
安西リカ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403525650

あらすじ

ラシード王の後宮で下働きをしているアーシェ。
あるとき王の気まぐれで閨に呼ばれ、得意の物語で場を切り抜けて以来、すっかり王のお気に入りとなる。
治世は安泰ながら早急に世継ぎを儲けることを期待されていたラシードにとって、素直で物怖じしないアーシェの存在は癒しだった。天涯孤独のアーシェもまた王の真心に触れ惹かれていく。
やがてラシードはアーシェを愛妾に望み、アーシェもそれを受け入れるが……?

表題作王様に捧げる千夜一夜

ラシード・アッワル・カル・マハヤーディ,マハヤーディ王国国王,39歳
アーシェ・カル・クリシャリア,後宮で働く天涯孤独の少年

その他の収録作品

  • 愛妾の贈り物(書き下ろし)
  • あとがき

レビュー投稿数18

大好きなお話

雑誌に掲載された時も面白くて凄く記憶に残っていたので、書き下ろしを含めて1冊になったのが凄く嬉しかったです。

記憶に残ってたシーンはアーシェがラシードの愛妾になってから、隣国に捕らえられていたシーンなんですよね。なので、その時にアーシェを逃してくれた人々との再会が書き下ろしに書かれていたので、綺麗な形で完結したと思いました。

このお話の好きな点はアーシェが見目麗しい佳人という事もなく、ごくごく普通の容姿だという点です。なので最初はラシードも記憶に無いくらいスルーするような存在でした。そんなアーシェがラシードの愛妾になるまでのお話が機知に富んでいて面白いのです。

ラシードには子どもがいないので多くの寵姫を後宮に抱えていますが、第一寵姫のマアディン始めラシードを敬愛していて彼の幸福を願っている事に好感さえ持ちました。なのでアーシェに意地悪したり排除しようとする存在が皆無なのです。個人的にマアディンが凄く素敵な女性でした。

アーシェの前向きで朗らかなところが、王位に着いてからずっと突っ走って来て疲れ果てていたラシードの心を慰める事になるんです。アーシェの心が追い付くまでラシードは手を出さないので、じっくりとお話が進む点も凄く良かったです。

11

まさに溺愛アラビアンロマンス♡

雑誌掲載時より大好きなお話で、文庫になるのを楽しみに待っていた1冊\( ´ω` )/


名君ラシード王が統べるマハヤーディ王国。
受け様は、王宮の厨房で下働きとして働いているアーシェ。
攻め様はもちろん王様のラシード。

ラシードの側付きのナーイムの補佐となり、ラシードの後宮で働く事になったアーシェ。
くるくるとよく働き、面白い物語を語るアーシェを寵姫達も可愛がってくれる日々。
ある日、1人寝がしたいラシードの気まぐれで寝所に呼ばれ、アーシェは得意の物語を語り、ラシードを安眠へと誘う。
すっかりアーシェを気に入り、毎夜物語を楽しむラシード。
遂にはアーシェを寵姫に召し上げるのですけど。
閨のことなど、何一つ知らないアーシェに、それはそれは大事にゆっくり、気持ちいいことを教えていくラシード(≧∇≦)

アーシェが敵国に拐われた時はドキドキしましたけど、アーシェは物語を武器にラシードの元へ。
ラシードの元へ帰るんだ、という希望を捨てないアーシェの気持ちにきゅんでした。
もちろん、無事にアーシェを取り戻す為に動いているラシードにもきゅんですよ(*´∀`*)


書き下ろしはもちろん、大好きな攻め様視点。
ラシードの溺愛ぶりににやにやです。
アーシェもラシードの事を敬愛していて大好きってダダ漏れで、とても幸せな気持ちにさせてもらえました٩(*˙˘˙* )۶

10

大満足の一冊

良いお話でした!
ハラハラドキドキでページをめくるのが止まりません。

ラシードの溺愛に、アーシェの愛らしさに、もう応援するしかないでしょ!

誰も幸せになれなかった後宮。王様も大変ですね。一人で休むこともできなくて、世継ぎ世継ぎとせっつかれ多くの人達を悩まることになって…。

アーシェがくるくる働いて、明るく前向きで素直でとにかく可愛いです。
どんなときも物語を語って切り抜けて。
アーシェにとっても辛いことを忘れられる手段なんですね。

もうダメか?な場面でもアーシェの機転で…。人に力と勇気を出させすごいですね。

アーシェが読み書きや礼儀作法を身につける意味も大変良かったです。そうだよね、そのほうが世界が広まって出来ることが増えて自信に繋がって、気後れや卑屈さから前に進めるもんね!

は〜、良い一冊でした。

10

アーシェの千夜一夜物語

安西先生のファンタジーが凄く好きで、必ず購読してます。
今回も電子版。

ササン朝ペルシャの王に、毎夜、妻が物語を語る「千夜一夜物語」が土台。
この物語だと、王様に毎晩物語るのは、少年アーシェ。

子供ができない事が重いストレスになって、熟睡できなくなった王様。
後宮で、王様が一人寝をしたくて、悪戯心から伽に呼んだのは、アーシェ。

アーシェは、創作物語りが上手、
面白い?話を聞いているうちに王様は寝落ちして、物語の夢まで見て熟睡。
アーシェの物語で、安眠出来るようになり、段々顔色が良くなっていく王様は、
アーシェを毎晩呼び続ける・・

王の愛妾になり、故郷を視察、ラシード襲撃があり、アーシェの拉致。
色々在って、面白かった。

4

疲れた心に沁みる!大人の為のお伽話

心温まる優しいお話で何度も読み返す為に紙書籍で買い直したほど、大好きな一冊となりました。

初めは揶揄うつもりが、受けにどっぷり嵌る溺愛展開が堪らん!終始キュンキュンしながら楽しめました♡

明るく働き者のアーシェ(受)が兎に角、可愛い!
明るい・天然・無邪気!ですが、賢く機転が効き、自分の得意分野で危機を乗り越えようとする逞しい性格の持ち主で、見ていて気持ちの良いキャラクターでした。

一方、王の重責や世継ぎを儲ける事への周囲の期待に疲れ果てていた、若き賢王・ラシード(攻)。
気まぐれ&揶揄い半分でアーシェを閨に呼んだ筈が、アーシェの紡ぐ物語にどっぷり嵌り、癒されていく様子が微笑ましくて、ほっこりします。

中でも、アーシェと楽しく過ごしたいのに他の寵姫の元へ行くよう促されて拗ねるラシード様や、かと思えば、畏まった態度のアーシェに戸惑い「どうすればいつものアーシェに戻る?」とオロオロするラシード様など…。
かっこ良さの中に可愛いさがチラ見えして、アーシェの事となると"残念なスパダリ"になってしまうギャップが最高

また、登場人物に嫌なキャラが居らず、ノンストレスで楽しめました。
特に側近のナーイムがお気に入りです!
ラシードの無茶振りや、アーシェの天然&無邪気さに振り回されつつ、何だかんだ2人を暖かく見守る様子に思わずにっこり。

敵国の襲撃やアーシェ人質事件もありますが、基本的に穏やかな雰囲気で、そこまでハラハラ展開はありません。
ラシードとアーシェの関係にほっこり癒されて、疲れた心にじんわりと沁みる、大人の為のお伽話でした。

4

後宮もののシンデレラストーリー

次々ページを捲る手が止まりませんでした。
安西先生の本が大好きなのですが、ファンタジーも良かったです!

痩せっぽっちで身体の小さいアーシェ。後宮での働き手に、小さな子どもとして(子どもじゃない!とアーシェは言っていますが)働く事に。よく働くアーシェは、部屋のものを磨きながら物語を語り、それが後宮の女性たちの楽しみになっていきます。王のラシードの気まぐれで、ある日寝所に呼ばれるようになり…。というお話。

アーシェは働き者で快活で、物語を語るのが好きな少年。彼の考える物語は、アーシェにとっての武器となっていきます。

安西先生は心の動きが丁寧で大好きなのですが、この作品でも健在で、アーシェとラシードの惹かれ合う姿が良かった。アーシェのキャラクターもありますが、健全で可愛らしいお話(えちもありますよ!)です。

恋だけでは終わらないストーリーにページを捲る手が止まりませんでした。たくさんの人にオススメしたいお話でした!

4

アーシェがかわいい

雑誌で読んだ時に、本になったら絶対に買う!と決めていた一冊。

なんといっても、受けのアーシェがかわいい。
働きもので、素直で、表情がくるくる変わってとても生き生きとしている。
そんな彼が語るお話に、後宮のお姫様たちも、そして攻めのラシードさえも虜になってしまうんですね。

一番いいなと思ったところが、敵に拉致されて絶望的な状況に陥りながらも明るいお話を聞かせるシーン。
ただ可愛いだけではなく、すごい胆力の持ち主というんでしょうか。
あんな状況でも、聞いてる人を笑わせることができるアーシェの「語り」の力の凄さ。
そして機転も利かせて切り抜けようとする姿。

後半の書き下ろし部分も良かったですね。
せっせと芋を剥くアーシェも確かに可愛いけど、それだけではダメだと説くマアディン。
このマアディン様もとても素敵な女性でした。


最後の数行も素敵。
わたし、こういう締めくくりが大好きなんですね。
なので、書き下ろし部分も大満足です。





ーーーー

似たような締めくくりの作品。

・貫井ひつじさん「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」
・月東湊さん「呪われた黒獅子王の小さな花嫁」

3

読み物として面白い!

面白過ぎて先生にファンレターを書いてしまったほど。
会話のテンポが良く、何回読んでも好きなシーンなどがあり、思わず笑みがこぼれてしまいます。

文章って楽しいな、と素直に思えた作品です。
アラブものとして読まなくても良いので、もし苦手意識がある方でも読まれてみるといいと思います。

攻が受いぞっこんになっていく様が本当に楽しいです。

1

とびきり甘い千夜一夜

なんて素敵なお話なのでしょうか。
ほろほろと口どけの良い砂糖菓子のような、甘くて心地の良い柔らかな雰囲気が漂います。
流れるように「ああ、なんだか良いな」が続いていくのです。
静かな夜にぴったりの1冊だと思います。
ゆったりとしたテンポで綴られる優しいお話でした。

タイトルの千夜一夜から連想するものといえば、やはり千夜一夜物語ことアラビアン・ナイト。
下働きのアーシェが語る御伽話のような創作の物語の数々は、人知れずストレスを抱えていた国王・ラシードを始め、多くの人々の心を癒し、優しくするすると解いていく魔法のよう。
そこにいるだけであたりをパッと明るく照らすような朗らかさのある、働き者のアーシェに非常に好感が持てるんです。

身分の低い者が身分の高い者からの寵愛を受け、周囲の人々からも愛されていく…それは決して珍しくはないシンデレラストーリーの定番だと思うのです。
ただ、定番の中にはなぜこんなにも好かれるのか?なんて思ってしまうこともしばしば。
しかしながら、今作の主人公・アーシェという人は愛さずにはいられなくなる魅力があります。
周囲の人々から可愛がられ、愛されていることに対してなんの疑問も湧かないんですよ。
読み手の自分もアーシェのことをどんどん好きになっていってしまっているものですから。

今作の中で好みだったのが、ラシードがアーシェをすぐに見初めて側に置いたわけではないところ。
39歳の美丈夫が夜毎癒されながら寝かしつけをされている図にはたまらないものがありました。
アーシェと過ごす安らぐ時間の中で、気付けばありのままのアーシェを自然と愛していた…ここがすごく好きでしたね。
ほのぼのとしていて甘くかわいらしい雰囲気の2人です。
2人の間で交わされる掛け合いがまたどれも良いもので、終始楽しみながら読みました。

サブキャラクターも魅力的なのですが、中でも女性キャラクターのマアディンが素敵。
ラシードとアーシェのこのお話も、きっとこれから何年も語り継がれる物語のひとつになっていったのかなと思える締め方でこちらもとっても素敵でした。

0

優しい夜を貴方に

今回は賢王ながら子のいない王と後宮の下働きお話です。

後宮の下働きだった受様が攻様の心を掴むまでと
攻視点での続編後日談を収録。

受様は王宮の厨房で働く下働きでしたが
後宮で王である攻様の側仕えをしていた老人の
手助けをする"子供"として後宮の下働きとなります。

このマハヤーディ王国を統べる王である攻様は
見た目でも政治的手腕でも近隣諸国まで
名を馳せる賢王です。

攻様が18で大国から迎えた正妃は病弱で身罷り
重臣の娘を始め次々と7人の寵姫を迎えますが
未だに子どもに恵まれません。

攻様は宦官は痛々しいと嫌がるために後宮の雑事は
女たちと老人の側仕えがこなしてきましたが

こたび多産で有名な村の多産家系の生娘を迎える事ため
力仕事のできる"子供"を探しており
小柄で働き者と評判の受様が望まれたのです。

攻様は受様の目から見てもとても美しく力強く
太陽神のような人で、そんな方に仕えられるとは
身に余る光栄と精一杯励む事を誓います。

とは言え、後宮では日々の仕事量が少なく
調度品の手入れを申し出た際に無聊に任せて物語ると
寵姫やお付きの者達にとても喜ばれるようになりますが

新たな寵姫を迎えさせられた攻様には
後宮での時間は苦痛でしかありませんでした。

そんな時に側仕えが転んで足を捻って療養する事となり
攻様は側仕えに代わって世話する事となりますが
今宵の相手を伺うとなんと受様が指名されるのです!!

受様は自分を食べても美味しくない、
せめても寵姫達にも評判の良い物語をして
攻様の無聊を慰めたいと懇願します。

攻様は呆れ半分と感心半分で
受様に物語りをさせることにするのですが・・・

雑誌掲載のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
若くして王となり側妃が沢山いる攻様と
攻様の側仕えの補佐として後宮に入った受様の
アラビアンロマンスになります♪

アラビアンナイトでも有名な
シェラザード姫のお話下敷きとした設定ですが

情勢のよくない隣国との小競り合いを絡ませる事で
シンデレラストリーに留まらず
奥行きのある物語になっていたと思います。

沢山の寵姫を迎えながらも子の無い攻様
後宮で攻様を待ち続けて生きるしかない寵姫達
子沢山ながらも内気な気性の王弟
親兄弟を亡くし故郷を離れなければならなかった受様

攻様がスパダリ系なので
受様が拉致られてもあまり心配せずに
ほどよくハラハラ、ドキドキしつつ
楽しく読ませて頂きました。

受様の物語は寵姫を楽しませ
攻様を心地よい眠りに誘ったばかりが
囚われた牢でも人々の胸をうち
関わった人々の未来を変えていきます。

読了感もよい優しい恋物語でした (^-^)v

8

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