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koisuru ojisan to hiroware idol
初読み作家さんですが、あらすじを読んで興味を惹かれて購入しました。オジさんもアイドルも大好きです(但し、イケメンに限ります)。
仕事はそこそこ成功している42歳の七海さんは、ある日街頭ビジョンで見かけたアイドルに一目惚れし、推し活を励みとして毎日を頑張っています。そんな中、自分のマンションで酔いつぶれた少年を介抱したら、それは大好きな推しだったという…。
という、とっても羨ましい感じで始まります。
…が、七海さんは出しゃばらずにファンなのも言わずに、隣人として彼に関わるのです。ストーカーを退治した時にバレるのですが、それまでの態度や行動に好感が持てて。上手くいきそうな時にも、まずはアイドルとして彼を大切にするところが大人の男性の雰囲気が出てて萌えました。
そして年下のアイドル君も、そんな彼の影響で良い方向へ行けたのが、安心して楽しめましたね。
途中グループメンバーの邪魔が入って、もしかして三角関係に突入?なんて心配になりましたが、グループに対する愛情が強いだけで杞憂に終わったのも良かったです。
こんな2人なのでHシーンは少な目ですが、それでも愛情が溢れてて幸せな読後でした。
2人の穏やかな…それでも深い愛情に、ずっと応援したくなりました。
オジさん×アイドルな関係ですが、とても可愛くて大人の恋愛という感じはしませんでした。
このオジさんのビジュが適度なオジ具合だったので、なかなかに良かったです。20歳差を感じさせるビジュでした。
攻めは推しアイドルが相手なので、最初から好感度はカンスト。けれど一線を引くなどきちんと大人の対応ができる人でした。
そしてちゃんとオタクなところが、共感できて面白かったです。
受けは公私を少し混同しがちではありますが、1人の人間ですし仕方がないことかもしれません。けれど攻めに対して好意を抱くところは少し唐突に感じました。
途中で出てきた受けのグループのメンバー。当て馬にもならないなら何故出てきたの...と思ってしまいました。
彼の行動は純粋にグループと受けを思ってのことですし、その結果2人が発展するきっかけになったので良いのですが...
少しだけ気になるところはありますが、オジ具合の良さや2人の可愛さが堪能できて満足でした。
アイドルもの作品は「恋愛」にフォーカスした身分差の恋!?的なラブラブした内容が多いように勝手にですが思っておりました。しかしこの作品は、比較的仕事>恋愛という感じで、他作品とはちょっと一線を画した理想で現実的なアイドル像をみることができました。
読者の大半はおそらくアイドルでは無くて、攻の七海さんと同様にアイドルという存在に元気を貰って生きてる人が沢山だと思います。そういう人間にとっては、そのアイドルにはちゃんと「アイドル」をやっていて欲しいし、最大限のパフォーマンスを見せて欲しいと願っていると思います。
彼らの、ファンからみた「アイドル」像を優先させるぞ!という恋愛観は「アイドルものBL」としてはどうかは分かりませんが、アイドルを応援するアイドルでは無い一読者としては救いのようなありがたいハッピーエンドでした。