契(4)

契(4)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×22
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
3
得点
26
評価数
7
平均
3.9 / 5
神率
42.9%
著者
逢坂みや 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
松文館
レーベル
ダイヤモンドコミックス
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784790119418

あらすじ

加賀の血も、先生の涙もオレは要らん!室生真実(むろうまさみ)関西最大の広域指定暴力団、室生組の跡目トップにふさわしい器になるための社会勉強、一人東京で修行中や。中学時代、組への責任やら、子供の頃からずっとそばに居った加賀への想いやら何やらで神経症になって暴れた俺を、優しく見守ってくれた菅野先生。この笑みを壊させん。絶対に誰も傷つけさせん。オレ……初恋やねん!先生を支え、守り続ける男に、そして先生の想い人をしのげる大人になるんや!ハード&バイオレンスに、切ない漢の世界を描ききる、著者の代表作『FACE』完全再編版!!

表題作契(4)

加賀 敦(ヤクザ)
甲斐(加賀の舎弟)

レビュー投稿数3

加賀の強さは弱さの反転。最終章に胸が張り裂けそうになった…

一言で言えば凄い最終巻だった。
読み応えという意味では半端じゃない作品。正直この4巻で私は疲弊しまくってしまった。
なんていうか作者のキャラの動かし方がとにかく凄いんです。
立体的というか多面的というか人間としての説得力があるというか。
登場人物達全員にこいつらには一体幾つの顔があるのかと思わされる。
すごく生身の人間くさい。
その中でもやっぱり主人公の加賀が凄いんだよなぁ。。
最後まで読んで思うのは、加賀にとっての坊(真実)は恋愛ではないよなぁと。
きっと加賀は恋愛は出来ないタイプの人間じゃなかろうか。
加賀が愛と思っているものは崇拝とか、もうそういう域のものだと思うんだ。
だからやっぱり加賀は強いんじゃなくて「弱い」んだ。弱いから何かを一心に信じる。己をそこに没入させる。それで得られるかりそめの万能感のような、そういう類いの強さなんだ。

そんな加賀が、加賀だけが、加賀の周りの人物達が加賀によって自分を取り戻していく中で、だだ一人闇の中に取り残されてしまうことが辛い最終巻だった。
もし真実が「加賀が必要だ、お前さえいればいい」と言えれば、それだけで加賀はきっといとも容易く救われるだろう。
逆に言えば、そうじゃないと救われないタイプの人間なんだ、加賀は。
それはあまりにも脆い。
で、そういう意味で怪物組長〔室生〕(=真実の親)の加賀の使い方が悔しいけどめちゃくちゃ上手いんよね・・・
「お前だけが頼りやねん」傀儡を動かす実行文(statement)のようにここぞで言う。
誰かの“必要”によってやっと生きられる加賀のような人間はひとたまりもない。
室生が操っているのは加賀だけではない。自分の息子さえも計算づくで動かしている。
そしてこの室生に対して、今度は別のキャラ(保坂)が「室生の病的な支配欲は人間不信と自分への無力感によるもの」「臆病」「極度に用心深い」と考察していたりする。
怒涛のストーリーを動かしながら、その中でどんだけ人を表から裏から描くのかと感心しながら読んだ。
真実が父親のような組長になれば、それはある意味加賀にとっての幸福なヤクザ人生で、活き活きと生きられるだろう。
だけど、加賀によって育てられたも同然の真実は皮肉にも強さを心にしっかりと宿しており、保坂が考察するような父親タイプの組長にはならないだろう。
なんだかもうどうしたって救われないパラドックスだ。。。


坊を含めて、加賀の周りにいたキャラ達がそれぞれの新しい生き方を選んで晴れやかに旅立っていったあとに「fake」という最終話が始まるんです。
過去に溺れた覚せい剤の後遺症で幻覚を見るようになった加賀が描かれているんだけど、幻覚を見ていることに加賀自身は気づいていない。
この幻覚が言っているセリフを全て加賀の心が言わせているのかと思うと胸が張り裂けそうになる。
これらの言葉を加賀はずっとずっと欲してきたけど、加賀に言ってやる誰かはまだいない。
1〜2巻の加賀はあんなに太陽のようにギラついて眩しかったのに。ここにあの加賀はいない。
幻覚からは抜け出せて一応立ち直ったけれど、さてこれからどうなるのだろうか。

かなり続きが気になるラスト1ページを見せられたところで、【第一部・完】

逢坂みやさんは今どうなさってるんだろう。
漫画家を続けてらっしゃるだろうか。

6

シリアスヘビーな濃ゆい人間ドラマ

1〜4巻まとめての感想です。(1巻は別に書きました)
ヤクザものは好きじゃないので避けてたんですが、同作者の「もふもふ 〜腰ふりたてる交尾の季節〜」というのがわりとよくて、無料で読めたので読んでみました。(「もふもふ〜」はこの作品とは全く違います)

内容はほんとにシリアスでヘビーでハードな感じでした。
ラブな意味では萌えませんが、人間ドラマに引き込まれました。

Hシーンは、レイプだったり無理矢理な場面とか、ラブラブじゃないHで、お尻から出血というのが多く、それもちょっとじゃなくて、こんなに血が出て大丈夫なの?というレベルです。
いや、ほんとにあんなに血だらけになるくらいの出血って大丈夫なの?
一人は救急車を呼んでましたが他の人は・・・。病院で見てもらわないとまずいんじゃ・・・。

死んじゃう人もわりといますが、1巻最後の彫師の祐は、ほんとにショックでした。(詳しくは1巻のレビューにて)

登場人物はどんどん増えていって、皆それぞれ、暗い過去を背負ってる人が多く、人間描写がすごいなと思います。

加賀の想い人、真実(坊、ヤクザの後継ぎ)が、養護教諭のハルカを好きになり、家を訪ねていったら、ハルカが担任にレイプされているところを目撃してしまう場面で、ハルカを助けに入っていくのかと思ったら、真実はハルカのことを天使だと思っていたのが違ったと思いショックでそのまま逃げ帰ります。
この時、んん?レイプされてると思ったけど合意の上の行為だったってことなのか?、と混乱しましたが、やっぱりレイプでした。
絵的には嫌がっているように見えましたが、ハルカが感じていたからなのか、Hされてるその姿自体に幻滅したのか、はっきりわかりませんが、そこで助けるんじゃなく幻滅して逃げ帰るっていうのが、通り一遍じゃない人間描写だなという感じがしました。(真実はまだ中学生だったしね)

それと加賀が覚醒剤の後遺症で、甲斐という幻覚を作り出してしまった時、甲斐が真実のことを、加賀とハルカを引き裂き傷つけるだけ傷つけた恩人に「自分を守れ」だなんて、ありえないほど自己中で残酷なクソガキだ、と言うのですが、これはすごく端的に客観的に加賀に対しての真実を言い表してるなと思いました。
最初は甲斐が幻覚とはわかってなかったので、作者も真実のこと、そう思ってるんだ、と思いましたが、幻覚だとわかって、それはつまり加賀がそう思ってるってことなんだ、と思いました。
表立っては、加賀にとって真実は神のような絶対的存在だと思ってるけど、そういうふうに感じてる部分もちゃんとあるんだなと。

実際、ハルカを好きになってからの真実は加賀に対して結構ひどい態度とってますからね。子供の時はあんなに慕ってたのに・・・と思ってしまいます。
まあ加賀が恋愛とか性的な情を真実にもたないで、家族のような愛情をむけてたのなら、真実もあんな態度にはならなかったような気がしますが・・・。

加賀は真実の代わりに、同等とはいかないにしても、その愛情をむけようと思う相手に出会い、面倒を見たり一緒に暮らそうとしたりしようとするのですが、そうしようとするとダメになる、というのが繰り返されます。
彫師の祐(家族のような愛情、ヤク中に殺害される)、男娼(真実にそっくり、代わりであることが嫌になり去る)、ハルカ(昔脅されて顔も知らず抱いた青年で、その時脅した男に性器を切り取られ足も傷つけられスポーツの夢を絶たれる、真実の想い人とわかり加賀が離れる)。

加賀とハルカが結ばれてほしかったんですが、4巻まででは結ばれないまま、男娼に再開したところで、一部完ということで終わってしまいました。
えー続きないのー?と思って調べましたが、どうやら同人誌では続きが書かれたようですが、書かれたらしいことしかわからず、ある程度まとまってないのか、4巻が出てから10年たってますが、コミックでは続きが出ていません。残念。

ハルカは性器の形成手術(&足も)をしに海外に行って終わってしまいましたが、きっとまた出てくるだろうと思うので、ぜひ加賀と結ばれてほしいな〜。

それから、最後の方、米倉が真実に、真実の父親が加賀や真実、米倉のことも心理的に操っているということを端的に説明しますが、ここの分析もなんかすごいなーと思いました。
そして、「違法や暴力が好きでヤクザを選んだのかよ」と真実に言いますが、作品の中でそこちゃんと指摘するんだーと思いました。ヤクザものだからそこは突っ込んじゃいけないとこかなと思ってましたが、真実は暴力的な性格だったり不良だったりしたわけじゃなく、優秀ないい子だと思うので、そういう風に育った人間がヤクザの後を継ごうと思うのか、ってのは疑問に思っていたことだったので、おお〜って感じがしました。

ちなみに滝澤が出てきた時、島津と混同しました。

マンガ図書館Zにて。

4

1~3巻までは凄く良いのに!!

任侠物BL。キャラクターが格好良くて魅力的ですがかなりキツイ残酷暴力描写があります。
私は読み返すたびに避けよう避けようと思うのですが、怖いもの見たさでグロ描写まで読んで毎回ショックを受けてしまいます。
また人間関係がちょっと複雑なので、注意して読まないとお話の後半で混乱するかもしれません。
4巻が完結巻だそうなのですが、終わり方がすごく微妙なんですよね。すごくもったいない。
ぜひ今からでも続きを書いてほしいです。

0

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