艶めく指先

tsuyameku yubisaki

艶めく指先
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×24
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
39
評価数
12
平均
3.4 / 5
神率
16.7%
著者
秀香穂里 

作家さんの新作発表
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イラスト
サクラサクヤ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥533(税抜)  
ISBN
9784199004339

あらすじ

業界注目のアートディレクター・藤居に舞い込んだ大型企画―それは、老舗ゲーム会社が仕掛ける新型ゲーム機のパッケージデザイン!!依頼主の美咲の、ストイックな美貌と理想の身体つきに一目惚れした藤居は、「身体に触らせてくれたら仕事を受ける」と条件を出す。
怒りと羞恥に震えながら、肌を這う指先に耐える美咲だが!?ゲーム業界で才能溢れる男たちが恋を競うセクシャルLOVE。

表題作艶めく指先

藤居匠,困った癖のあるアートディレクター,33歳
美咲雪生,老舗ゲーム会社開発担当,33歳

レビュー投稿数5

強引かつ誠実系の攻め

秀香穂里さんの「お仕事BL」系作品。だからさすがに上手い。面白い。
そして、攻め目線です。
本作の主人公は、アートディレクター藤居と、ゲーム会社の開発担当・美咲です。
美咲の勤めるアルファ・ビット社の新製品のパッケージデザインを依頼された藤居。
藤居は学生時代彫刻をやっていて、美しい造形を見ると触れて確かめたくなるという性癖?あり。
美咲を見てその顔や体を触ってみたくなる。そんな下心もありつつ、その仕事を受けることにする…
という出だし。
はじめは確かに「美的好奇心」だけだったのに、触れていると美咲のかすかな乱れに煽られて…
美咲さん、エロすぎ!と思ったら、やっぱりというか、美咲はゲイでした。
息遣いと潤んだ目だけで、ノンケの藤居がたまんなくなっちゃう。はじめはキスだけなのにものすごい官能シーンになっています。
どんどん美咲に惹かれる藤居ですが、美咲にはノンケとの辛い恋の記憶があって藤居を受け入れません。
それでもパッケージのプロジェクトは進行していて、お互い仕事に真摯に向き合いつつの「お仕事BL」展開です。
物語は攻めの藤居視点なので、美咲に対する純粋な恋心、そして欲情、それだけでなく前の酷い男への対抗心、嫉妬心、自分の方を美咲の心にも躰にも刻みつけたいというような衝動、そんな諸々の激情が非常に官能的に描かれます。
美咲も心では藤居に惹かれつつ、どうしてもノンケに傷つけられたトラウマがあって全てを委ねきれない、そんな心理状態で藤居に抱かれ、どうしようもなく感じる様。
藤居の誠実さに遂に自分の想いを認め、お互い心から求め合う時の恥じらいながら乱れる様。
さすがエロ巧者、エロの匠・秀先生です。
お仕事、出会い、恋心、過去、誤解、反発、そして想いが通じ合う事、仕事の成功、全て絶妙なバランスで進行します。おすすめ。

1

ガタイのいい二人なんですよ

今度はゲームのハードを作る人とパッケージデザインをする人のお話。あれこれと時間をやりくりしながら、合う時間を作る。お仕事してるって大変です。

片や、一目惚れをしちゃっているのに恋だとは気付かないし、芸術家の性分なのか気に入ったものを触りまくりたいという困った癖のあるデザイナー藤居。こなた、美形でゲイで辛い過去を持ち恋に臆病になっている、玩具会社ゲーム機開発員の美咲、軽くオタクも入っています。

新商品の開発と二人の関係が、少しずつまとまっていくというお話。
序盤は美咲がゲイだということがわからないので、どうなるのかなどうなるのかな?といった期待感がありました。
途中ゲイだということが明かされて、よくあるお話になっちゃうのかなと懸念したのですが、美咲の過去のこともあり元彼も登場し、平坦なストーリーにはなっておりません。

美咲は一々及び腰になり、藤居も強引に迫る性格ではないので、紆余曲折を経て晴れて恋人になるわけですが、それまでになさっているエッチが意外と普通じゃないので、結構印象に残ります。(特に、夏なのに閉め切った部屋でのそれは、大変官能的)
それにしても、よくゲームをしてました。

2

ある意味、攻めの設定勝ちかも☆

相棒の川奈という男と独立して事務所を構えたアートディレクターの藤居は
美しい造形のものを見ると触れて確かめたくなるという
凡人には分かりづらい癖があり、
今迄付き合いの長い川奈に対しても異性に対しても
実施してきた妙なヤツです。
常にイメージしたことを油性粘土でモックアップ(形作る)するという
根っからのアーティスト。
でも、それはただ単に創作意欲というもので
決して恋愛感情や欲情には至るはずもない事だったのに…。

家庭用ゲーム機の記念すべき10台目を発売するにあたり、
藤居川奈事務所にパッケージデザインを依頼しに来た男、
美咲こそが今までの藤居の概念を覆してしまう程の美しさでした。
外見の麗しさと反して、
藤居のすぐ触ってしまう癖をいぶかしんで表情に出してしまったり
かと言って仕事に関してはきっちりこなすしたたかさなど
あらゆる面が気になって、ますます興味を持ってしまう藤居なのです。

忙しすぎる為川奈がこの仕事を断ろうとしていたのに
素っ気なくされてもどうしても美咲と接点が欲しくて
ゲーム機には精通していないけれどピンで仕事を引き受ける決心をします。
「あなたの身体に触らせてほしい」という条件で…。
たった一度の約束だったはずなのに、
触れた肌は熱くて吸い付くようでずっと撫でていたくて
今迄決して異性にも感じた事の無い欲求に支配されてしまうのです。
それまでは冷たくて硬い態度を崩さなかった美咲が
触れられていくことで力を失い感じてしまっているようで
我慢がきかずにキスまで交わしてしまうのです。
もっと美咲の色んな面が見てみたくて、
一度だけの触れ合いじゃ満足出来なくて
藤居は自分なりに仕事への誠意も見せながらも
美咲へ少しでも近づけるようにつとめます。

美咲も、最初は訝しんで警戒していましたが
藤居の熱意が伝わって徐々に心を開き
ある日の飲みの後自分の部屋にまで招いて
談笑するほどになったのですが
別れた男からの電話で自分の過去の断片を藤居に知られてしまい……。

開き直るように藤居を挑発したのに藤居は決して乱暴にはせずに
ノンケでも、これでもかと丁寧に抱くのです。
嫉妬に狂いそうになっても、美咲をちゃんと感じさせたい。
言葉では伝えられなくても、せめて愛撫で分かって欲しいという健気な藤居。
そこに絆されそうになりながら
元カレがノンケで最後に女と結婚して別れた事実がツラくて
藤居をあっさり受け止められないのです。

元カレと別れた後、荒れて色んな男とベッドインしたのに
結局は最後までいたせなかったというのは
ちょっと出来過ぎな気もしましたが
それで藤居が安心して(元カレには勿論頭にきてますが)
美咲を愛せるならそれで良かったと思いました。

『くちびるに銀の弾丸』とほんの少しリンクしていますが
本作だけでも十分にお仕事BLを満喫できます!
私はゲーマー気質ゼロですので、正直ゲーム機云々ってどうだろうと思いましたが
藤居自体も最初そんな感じだったので大丈夫でしたw

攻めの誠意溢れる態度って、本当に嬉しくなります。
受けの悲しかった過去も含めて愛してくれるって好きな展開です!

随分久しぶりに読み返しましたがやっぱり楽しかった!
Hの回数は多くありませんでしたが、濃度が高くて満足ですw
大人のお仕事BL話、秀さんはやっぱりお上手です♪

2

天然変態

丸ごと1冊、表題作です。藤居の目線で語られます。

「好みの造形」だからと、初対面の美咲(受け)の頬を両手で触る藤居(攻め)に、冒頭から引きつけられてしまいます。藤居が自由すぎます!クリエーダーとはいえ、仕事を引き受ける代わりに、理想の体つきだから触らして欲しいとか、美咲じゃなくても変態と叫んでしまいますよ!(笑) その分、自分に素直で、好きだと思ったら同性だろうが気にしないところが魅力的です。触るのにこだわりがある分、エッチもエロいものでした。

両思いになって良かった、じゃなくて、美咲がセフレではダメなのかと言い出すなど、スムーズに行かないところも、30代社会人の恋としては良かったと思います。バニラ・セックスという言葉から「おやつはバニラアイスで決まり」とか、お洒落なところも素敵でした。

ゲーム関係の話ということで、発売はこの本より後ですが先に読んだ「他人同士」の例もあったので、気をつけて読んでいたら中頃で「くちびるに銀の弾丸」の舞台であるナイトシステムが登場してきて、嬉しくなりました。

仕事もの、辛い恋の過去を持つ受け、天然な変態っぽい攻め(笑)がお好きな方にお勧めします。

1

悪くないんだけど

秀さんは、リアリティを出そうとして、これをモデルにしたんだな、イメージしたんだろうな、というのが、よくわかるものを出すんだけど、それが逆にわかりやすすぎて興ざめすることが多いです。
これも、そんな感じ。
話の展開やキャラは悪くないんだけど、なんとなく楽しみそこねました。

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