なれの果ての、その先に

narenohate no sonosaki ni

なれの果ての、その先に
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神37
  • 萌×219
  • 萌6
  • 中立4
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
16
得点
283
評価数
71
平均
4.1 / 5
神率
52.1%
著者
沙野風結子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784199010491

あらすじ

離婚により完璧だったエリート街道を踏み外して
しまった――絶望する経産省官僚の基彬。
そんな最悪な状況で現れたのは、謎の男娼タスクだ。
行く先々に現れ、「本当は同性に興味が
あるんだろ?」と煽ってくる。隠してきた性癖や、
なぜか基彬の素性までも知るタスク。
こいつはただの男娼なのか――戦慄を覚えつつも、
ストイックに鍛えられた肉体と艶めく色香を
纏う男に、欲望をかき立てられて…!?

表題作なれの果ての、その先に

タスク,29歳,ミステリアスなオナクラのキャスト
高瀬基彬,32歳,挫折したエリート官僚

レビュー投稿数16

一気に読んだ。

先が気になって、どんどんページをめくり、一気に読んでしまいました。
さすがの文章力。

ただ、お話は面白かったけど、この作品、私にはイマイチ刺さらず。
攻めのタスクも受けの基彬も、どちらも私の萌えキャラレーダーにヒットしなかったんですよね~。残念。
二人とも過酷な過去を背負っている点、かわいそう…とは、思ったのですが。

とくに、冒頭のタスクのオナ○ーショーは、私には滑稽で気味の悪い見世物としか思えなかった。
飛ばし読みしちゃいました。
そんな始まりだったから、まさか最後があんなにキレイな着地だとは…!

飛ばし読みした時点で諦めずに、最後まで読んで良かった。
銃撃戦の描写とか、権力の構造とか、ワクワクしながら、読みました。

0

哀しい者同士の

風俗キャストxハイスペエリート官僚のシリアスもの。

物語は、エリート官僚・高瀬の離婚成立日から始まります。
駅のベンチで立ち上がれないほど憔悴する高瀬だが、向かいのホームにいた男に目を奪われ…
この男がデリバリー系の風俗キャストなんだけど。

ゲイ傾向を隠して生きていた高瀬が、この魅力的な謎の男・タスクに溺れいていくさまと並行して、高瀬の抱えている苦悩、仕事の困難さ、そしてかつての同僚との関係性が織り込まれていきます。
そこが…
読み応えはありつつ、でもバランスが悪いというか…
高瀬が幼くして亡くなった兄に人生を乗っ取られて生きてきた苦悩…本当の自分ではいられなかったという苦悩…その苦しみはさすがの筆致で迫ってきた。
またタスクはタスクで何か苦悩を秘めていて、自分を罰するように耽る性技の描写も迫力十分。
しかしながら、彼らをもとから取り巻いていた国を揺るがす陰謀(?)的な背景がちょっと突拍子もないというか。
構想が大きすぎた?
それはそれとして、私がこの作品ですごく良かったところは。
タスクの弱いメンタリティ?のような部分。
2人の結びつきは変則的な性で始まります。そこにははじめ「攻め」も「受け」もない。後に本当のセックスで結ばれた後もあまり攻め受けの印象は強まらない。そこがBL作品としてかなり稀有な気がしています。
タスクは酷いトラウマを抱えていて心にいつも罪と罰を内包している、だから高瀬に対して全く優位でなく逆にすがり合い許し合うような。
そこに哀しい意味での同等性があるように感じたのです。

0

文章は端正なのに、コントのような描写が残念でした

著者のお名前だけは知っていましたが、作品を初めて読みました。
すごくすごく、感想に困っています。

主人公が経済産業省の官僚で、特殊な生い立ちからとても自己評価が低い人なのですが、タスクという男娼と出会い恋をしたことから、仕事に対する取り組み方も変化し、きちんと自分自身と向き合って自分を大切にするようになる、というお話。

この経済産業省のお仕事に関する記述や、主人公の中小企業支援に関する考え方、対するパラシフ派の考え方(外資至上主義)が興味深く楽しめましたし、終盤のアクションシーンもBLらしからぬ展開で目を瞠るものがありました。

そうなんですけど、あちらこちらで首を傾げる箇所がある。
たとえば序盤、主人公が宿泊しているホテルの部屋に帰ろうとしたときに、後ろから別の人の手(=タスクの手。この時はまだ面識のない人)がドアノブを握ってそのまま部屋に押し入れられる。
不審人物だし、犯罪のにおいがするし、その上主人公が彼に対して抱いた感情は殺し屋か押し込み強盗かというもの。長身で筋肉隆々だということもあって、読んでいるこちらもハードな印象を持つわけです。で、その後彼が主人公に名刺を渡して、デリヘルのキャストだと明かす。
で、それがオナニークラブだということで、いきなり主人公の眼前で扇情的に服を脱ぎ出すのです。
話を整理すると、主人公は彼を呼んでないし、一度見かけたことはあっても知らない人が、犯罪まがいに部屋に押し入ってきて勝手にストリップを始めるという、これが私にはコントにしか見えなくて。
オナニークラブっていうのも、ぷふっと吹き出してしまう文字面と印象だし、笑うところなのか、でも描写は至って真面目で文章も流麗で、どう読んだらいいのか本当に困りました。
こういう、解釈に困る不思議な場面(というかハードで端正な文章の特徴と合ってない)が何カ所もありまして。

最後まで首を傾げながら読んでいたのですが、あとがきに、「真顔でへんなことをするのがモットー」とあったので、すごく納得したものです。ストリップ攻めを書きたかったとも書いてあり、それも納得しました。
私は頭が硬いので、このアンバランスに最後まで慣れられず、咀嚼にも苦労しました。
しつこいようですが、文章は読みやすくストーリーも展開しますので、本当に好みの問題と思います。

1

攻めも攻められていいんですね(天啓)

攻めが攻めのまま攻められるのが大好きな自分としては神以上の神作品でした。
終盤の例のシーンは皆様も書かれている様に本当にすごいです。なので個人的に序盤のヤバさを書かせてください…!

まさか攻めが服を脱ぐ事に6ページ使うなんて…そんな作品他にないです(感涙)
風俗のキャストとしてプレイの一環で服を脱ぐんですが、受け同様読み手もじっくりたっぷり焦らされて、なんだか見てはいけないのに目が逸らせない様な、本能と理性をぐわんぐわんゆらされる重厚なエロを感じました。
エロっていうのも違う気がしてきます…なんだろう…芸術…!!

身も心もしっかり鍛えられたストイックな男がゆっっくり服を脱ぐの、ものすごく興奮しました!しかもスーツ…!ネクタイやベルトを片手で外す描写も大好きですが、カフスボタンを外す描写や、しっかり服を着てる受けに対して自分はどんどん脱いでいるのに、受けを挑発するように見つめる描写までしっかり書いてあって生々しくて最高です。

あと、受けに見つめられながら攻めがお尻に物を入れる描写もあるんですけど、そんな攻めが見られるなんて…本当にみていいの?変な脳内物質がじゃんじゃん出てしまうな、癖になるとやばいと思いながらページを捲る手が止まりませんでした!

攻めと受けの境界があいまいというか、でもリバじゃない、すごい…歴史に残りますねこの作品…!
なぜ攻めがそういうことをしているのか、辛い部分もありますが、その辛さが色気に繋がっているというか…自分を罰する手段が本当ストイックでエロいです。
あー…余韻で眠れない!

5

重い話だけど

官僚と風俗キャストの話。
と言ってしまえばそれだけなんですが、良く組み立てられていました。
小難しい官僚の話は、苦手ならすっ飛ばしてもまぁ大丈夫です。イメージできればさらに深くハマれるかな。

元々同性志向のある主人公、基彬は完璧になることを求められ続け、そして自分もそうしてきた。あるキッカケ(妻の不倫による離婚)から、仕事で出世コースからはずれて異動、離婚という完璧を崩すことになったことで自分を保てなくなりつつあった。

そんな時に地下鉄のホームである男性に釘付けになり…それがオナクラのキャストで「タスク」と名乗る人物であった。そこから売り買いを通して基彬の本来の自分を確立していく。同時にタスクの方も基彬を特別に思っていることが伝わる。二人は普通に一緒に生活したいと思うようになり、風俗を辞める方向へ向かうが。。。

ここからは、色々あって(細かいネタは出てくるんですが、主題はこの後書いてるところなので、他は読んでもらうのが一番!)、やはり二人はお互いの事を思い合っているのが萌どころ。そしてそれを確かめるシーンで出てくるのが、沙野風結子さんも後書きに書かれていたメインの「双頭のアレ」です。確かに独りよがりでは相手が怪我をすることにもなろうし、はー、こう言う使い方(実際にじゃなくて物語への組み込み方)するのかぁと感心しました。

最後は、基彬は元の職場に異動したし、タスクも復帰して、、、と基本は平和な終わり方ですが、続編あるかもなぁって期待しちゃいます。あの隊長さんが今度は何かやらかしてくれたりしないかな?
最後まで一気読みしちゃったので神評価です。


3

「ん」の字というパワーワード

まずは読ませる文章でとても面白かった…。感情以外での感情表現も巧みで、官僚や経済は全然興味無いしよく分からない人でも、話の流れは陳腐ではないのにとても分かりやすかった。
オナクラという言葉が出てきて「なーんだ本番なしか」と客のように思ったけど(笑)シチュと言葉でもってめちゃめちゃエロい…筋肉や体液の静かな動きだとか、初恋や同姓との慣れない行為や羞恥がエチチでした。「鋳抜かれ」って初めて見た字面ですが、熱と硬さ強さが表現されてこれは発明では。

・一度は結婚するも男が好きだと気付いてしまう
・男と過ごした一夜(この場合は会話と視覚のみ)が忘れられない
・下手なフ◯ラ
・出会って視野が広がる
この辺り好きなのでツボでした。
加えてリバ風味だったり、売りと客という切なさはあっても頻繁に会うので甘さも良かった!

お互いが居る事で自分らしく居れる・自分を知るという精神の描写にグッときました。二人とも男らしい職業でもあるのでシュッとした逞しさが良い。基彬さん気が緩むと官僚口調になるの珍しくて可笑しいです。

予想よりもドラマティックな展開でかなり泥臭くなり、最後はそんな抜け道かぁと思わなくもなかったのですが、それよりも著者が書きたかったアレが強烈だったので(好きだった人のそんな姿見たいと普通思わないよ…) 御の字。

表紙フォントの色味がハーレクイン?なんかレトロ感ありますが小山田あみ氏は美麗さがどんどん進化しますね…出来れば「ん」の字と双頭シーン見たかったよ‼︎

6

男たちの生き様。

小山田あみ先生の表紙がずっと気になっていて、やっと読むことができました。いつまでも見つめていたい美しさ…。
基彬もタスクも心に大きな傷をかかえていて、胸が痛みました。特に、基彬が可哀想でつらくて。
私のつたない言葉では表現しきれませんが、途中からジェットコースターに乗っているような気持ちになりました。すべてが解決したわけではありませんが、ふたりには、幸せになってほしいです。
(双頭の…には、知識はあったものの、読んだのは初めてだったので、度胆を抜かれました。評価が分かれるかと思いますが、私は萌えました。)
本当に、基彬とタスク、もっともっと幸せになって欲しいと心から願う一読者です。沙野先生、小山田先生、素晴らしいお話と絵をありがとうございます。BLを愛してきてよかったです。

3

---

投資金を集めて革命を起こす
・・これ、実際に起きていて、随分マスコミが騒いでいたけど
結局どこも真犯人まで追求が及んでいない件がありましたよね。

面白かった。

2

どはまりしました

これぞ沙野さん!

『エロチャレンジャー大王』復活でございますね。
受け様ではなく攻め様がオナクラデリバリーのキャストであることとか、クライマックスで登場する『双頭のあれ』とか、読者を「エロの部分で楽しませたい」と考えられているだろうことがはっきりと見えるので嬉しいです。
こんな感じの『スペクタルエロ』を読むと、私、なんか元気になるんですよね。

あと、今作を読んで、私が沙野さんのお話を好きな理由が解りました。
沙野さんのお話に出て来る男たちって『負け犬』なんですよ。
これ私のタイプなのでして。
いや、ただの負け犬じゃないんですよ。
『負けた後、何度も立ち上がる負け犬』なの。
『決して勝てないと思っている闘いに向かっていく負け犬』なの。
くそっ、カッコいいよなぁ……

そんな無謀なことをするのは、勿論『愛する者のため』っていうのもあるんだけど、それ以上に自分の矜持を持ち続けるためなんですよ。
くぅ~っ、たまらんじゃありませんか!
話の整合性とかを気にする気持ちがぶっ飛ぶほどの萌え心が爆発しました。

沙野さん、年末に巨大な萌えをありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

16

絶望から生まれ変わる2人の話

おのれのアイデンテティが揺らぐなか
グローバル化の世界で日本をどう舵取りするのか迷う官僚の重厚な世界なのにあくまでBLでしかも観重すぎず一気に読める上手さ
流石ですとしか言いようがない

1人は生まれた時から
もう1人は後天的に
自分を見失い虚無の淵に佇んでいた男2人が出会い
そこから初めはゆっくりとやがて激しくなる化学変化
足掻くようにもがく様に互いの魂を掻き抱き互いの手を握り立ち上がるまで
苦しみ心や体が傷付く男の美しさ色っぽさをこんな角度で楽しめるのは沙野先生ならでわだと思います

失意の官僚とデリヘルキャストの男
最初の印象で感じた左右感覚が途中で迷子になりそうになり、もっというならリバか?と思ったりもしましたが最初の感覚が正しくてホッとしました
なるほど「あれ」への布石でしたかと後書きを読んで納得
「あれ」を書くためにこんな世界を作り上げ書き上げる先生に改めて脱帽です
とりあえずリバではないのでリバ地雷の方も安心して読んでほしいです

エロもちょっと思った方向性じゃないのもいいです
オナクラデリバリー…オナニーをして客にオナニーをさせるデリバリーなるものがあっただなんて
…勉強になりました

霞ヶ関から風俗まで佐野先生の知識量が素晴らしすぎます



個人的には登坂に何が起きたのかなぜああなってしまったのか
彼が救済されるルートも見たい気がします

10

攻めの可能性無限大

BL読者としての器の大きさを試された気分です。
いつもは読んでみてハマらなかったら「がっかりだったなー」と思うのですが、この作品は「ハマりきらなかったワタクシが未熟なのです!申し訳ありません!」とシッポを足の間に挟んでクーンと項垂れる。みたいな。

タスクが音信不通になってからは、物語にどっぷり浸かったまま一気に読んだ方がいいですね。私は例の双頭のアレのシーン途中で電話がかかってきて一旦読むのを中断したために一度冷静になってしまい、再度読み始めた際に「この人たち(塔坂、達川含む)何でこんなことになってんの??」と笑ってしまいました。慌てて物語中盤まで戻り、しっかり助走をつけて最後まで読み切りました。
内容がモリモリで、高瀬のバックグラウンド、タスクの過去とトラウマ、Club Rad Jinxのこと、経産省内の軋轢、塔坂や達川の思想など1冊に収めるには勿体無い気がしました。シリーズや上下巻にするなどもっと長いお話で読みたかったです。

好きなシーンはタスクの歳下ワンコ攻めっぽい一面が垣間見えるところ。高瀬が自宅のカードキーを渡しただけで「これは同棲っていうことでいいのか?」と浮き足立っちゃうところとか、双頭のアレのシーンで塔坂や達川から見えない様に高瀬をすっぽり隠しちゃうとことか、あらカワイイ〜と萌えました。

そうか!攻めもお尻で気持ち良くなっていいし、乳首が開発されててもいい!みんな違ってみんないい!
攻めの可能性の無限大さに新しい扉が開けた気がします。

12

想像力の限界

電子書籍で購入。
ごめんなさい。中立評価です。

なんだろう?期待値が高かったのかな?
作家買いしている作者様の作品ということで、あらすじも読まずに購入。
小山田あみさんの表紙が美しく、ワクワクしながら手に取りました。

印象的な出会いから始まり、目に浮かぶような情景が描かれています。

が、肝心なエッチのシーンになると、私の想像力の限界が、、、、
ん?
攻めがどうで、受けがどうなって???
ちょ、なんでここに挿絵がないの??
状況がわからない、ヘルプミー!!な、状態に。

攻めはこうあるべき!という、固定概念のせいですかね?
自ら、想像することをやめてしまったところもあります。

双頭って、私の中ではネコ同士のアイテムなんですよ。
ちょっと、想像出来ない、むしろ想像したくなかったかも。

作中ででてくるオナクラは、以前読んだ『鑑賞倶楽部』のようなイメージだったので、そこも混乱したのかもしれません。

混乱と違和感、絵がうかばない(←私にとっては)の三状況のため、今回は物語に浸れず、中立評価とさせて頂きました。

4

珠玉の官能表現に萌え転げます

作家買いです。正直最初は、期待値が高すぎたので…、”萌”くらいかな~の印象でしたが、いろいろ勉強になったのと(笑)、あとがきを読んで”なるほど~!”というわけで、”萌2”にしました。”あとがき”が結構肝だと思います。

エリート官僚とオナクラのキャスト(実は彼もエリートだったりするんですが)が”偶然のように”出会い、惹かれあい、危機を乗り越え、そして…ってやつです。
最終的に、メインCPに対してあったいろいろな”WHY?”が回収されているのですが、彼らを大好きすぎて虐める人々(怪しいイケメン同期、オナクラのオーナー)の動機(大好き以外の)をもう少し知りたかったな~と少し心残りです。

が!男前受とストリップ攻、お互いを見ながらアレする、、という行為の官能みが素晴らしかったです。攻様が様々なお道具と自分の身体を駆使して、受にねちこく自分の素晴らしい身体をアピールするという行為(技術ですねぇ~)がめちゃシコいです。視姦ってお触りするより高い興奮と満足が得られる行為なんだな~と改めて勉強になりました。歪んだ性癖が解放される瞬間もめちゃくちゃ尊いです。

オナクラとか、双頭のアレとか、勉強不足な私の知らないあれやこれやに好奇心が刺激されました。特に、双頭のアレのシーンは圧巻でした。知らないお道具なのに、2人のビジュアルだけはしっかり妄想できました。なんだか切ないけど、お尻も痛い気分になる臨場感、、素晴らしいです。

さらに、めちゃくちゃ心に残ったのが、2回くらい(もっと?)出てくる「ん」の字の体位!!「ん」の字!!いや~、ここにイラスト欲しかったなぁ…とか思いながら一生懸命想像してしまいました。他、オナクラキャストである攻様の、機能性を追求した肉体と不釣り合いなぷっくりしたTKBが爛れた職業に従事していることをなまなましく伝える、とか素晴らしい官能表現にのたうち回りました。ストイックさとエロさが絶妙に混在しているような雰囲気が(エロみ強め)、行間からダダ洩れてきます。

”真顔で変なことをする”エリートイケメンを堪能させていただきました。設定や物語もいいですが、細部にこだわって読むとよりいっそう楽しさが見いだせる気がします。

10

わあ

先生買い。キャラはあまり好きなタイプではなかったのですが、わあ・・とびっくりするところあり、忘れなさそうだったので萌2よりの萌にしました。ねったり!ドシリアスという印象のお話で、本編250pほど+あとがき。おもちゃNGな方はちょっとご注意ください。

経産省事務次官の娘と1時間前に離婚成立した基彬(もとあき)。自宅に帰りたくなくて連泊しているホテルで部屋に入ろうとしたところ、1週間前にメトロの向いホームにいた印象的なイケメンが部屋に一緒に入り込んできて・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
塔坂(受け同僚)、受けの元嫁(可哀想な女子)、達川(タスクの上司)、受け両親、受け職場関係者少々等。塔坂も達川も一癖も二癖もあってヤバイ。

++わあ なところ

まず受け。亡き兄を演じて親が誇りに思うような人生を歩き続け、経産省出世道まっしぐらだったのに、嫁に不倫されて離婚されて、と踏んだり蹴ったりな人生。どうすんねん、この先と呆然としているところに出会ったのが、これまた変わったお仕事をしているタスク。なんと客がオナっているところを見届けてやるとか言う。(ここ、ごめんなさいちょっと意味わかりません、と言いたかった(笑))不思議な商売もあったもんだ・・・

2人の設定も「あらまあ」というぐらい不思議だし、最後に出てくるおもちゃもなかなか他ではお目にかかったことのない代物。(二人一度にイカセちゃう形状の淫具?)ドンパチあるし、陰謀で死人出るし、全て無かったことにするような情報統制あるし、いやはや先生めちゃ楽しんで書かれているでしょ・・とめっちゃ思いました。

攻め受けのキャラは好きなタイプではなかったんですけど、各種設定だの、どろんどろんな色事シーンや、「えええ・・」と思うお話展開がすげえなと思ったお話でした。可愛いお話がお好きな方には、ちょっと難しいかも。

7

ふぁぁぁ……

オープニングから期待感を満たしてくれそうな雰囲気しかなくて、、そのまま一気に疾走して大大大満足感に浸った状態で読み終えました。満たされると何もいうことないんだなー…。冷めやらぬ興奮の中、萌えたシーンを妄想しながらプレイバックしてますぅ〜ウッウッウッ…(嗚咽)

全てが自分の中で完璧すぎて、何を書いたらよいのかまとまらないところなんですが、硬派なエロスを味わいたいならぜひ!!男の官能をこれでもかッ!ってほど堪能させていただきました。

官僚としても、両親と兄のためにも完璧でいなければ自分には生きる価値がない、と必死に己の体面だけを取りつくるためだけに生きてきた基彬。離婚をきっかけに全てが崩壊していくのですが、それは基彬一個人の挫折にとどまりませんでした。

オナクラのキャスト、タスクと出会ったタイミング。霞ヶ関や大手町で頻発する不穏な事故。経産省元同期、塔坂の復帰…。基彬の揺らぐセクシュアリティをきっかけに、ストーリーは国家レベルで蠢く闇世界を照射します。

それでいて、基彬とタスクの官能的な応酬がベースにあって、ジワジワとラブストーリーに発展していくBLの肝は外さないところがねーもー、素晴らしすぎるんですよぉ…!!バンバンバン(←どこかを両手で叩く音。いきなり興奮する笑)

作者様がTwitterで挿絵の少なさについて触れられていらっしゃいましたが、ぶっちゃけ麗しいカバーイラストで充分すぎるほど補完されてます笑。塔坂のヴィジュアルが拝めたのはありがたかったですけど♡

今回も描きたいプレイに向かってニンジンぶら下げ状態?で書き進められたそうですが、もうホントその遊び心最高でしかないしもーめっちゃ惚れてます笑

生きているうちに読めてよかった。個人的にこんなストライクど真ん中なお話、沙野先生にしか書いていただけないのではと危惧しているので…。『獣はかくして交わる』の続きも楽しみに待っています!

16

リバじゃないのに攻めの定義がゲシュタルト崩壊

こ、、、これは、、、、(´⊙ω⊙`;)!!!

攻めも受けも心的外傷を抱えていて
自責衝動やアイデンティティの確立etc.の描写があり、
小山田あみさんの挿絵も相俟って硬派な読み応えを感じました。

後半に向かうにつれ
サスペンス的な面白さも出てグイグイと引き込まれます。

が、しかし。
プレイ面では中々のディープさがあったな~と…!
個人的には色々と衝撃が大きかったです(∩´///`;)

リバーシブルではないですが、
攻めのアナルにプラグや開発済み乳首が苦手な方は注意。
双頭ディルドで攻めと受けが後ろで繋がってたりもする。
(強制なので楽しむ空気ではないですが)

攻めの職業が職業のせいか、
個人的には場面によって受け×受けにも見えました。
(私の脳内、攻めの定義がゲシュタルト崩壊してたYO…)

なのでプレイ面では人を選ぶ作品かな?と思います。

個人的に攻め喘ぎが好みじゃないのでプレイに萌えはなかったですが
タイトル回収や、トラウマと向き合うストーリーはグッときました!
面白かったですヾ(*´∀`*)ノ


さて。

受け:高瀬基彬という人物は完璧な人間でした。
否、完璧じゃないと生きている意味がないんですね。
だから同性に惹かれることは許されない。

「基彬」という人物は存在するようで存在しておらず、
アイデンティティを確立出来ないまま基彬は生きていました。

しかし離婚によって完璧が崩れ去り、
基彬を雁字搦めにしていた鎖に見放され空洞を抱えて。
元々確立できていなかった自分の輪郭を更に見失いそうになっていました。

そんな行き場を失っている中で
基彬の本音を炙り出す男・タスクと出会います。

攻め:タスクは男娼です。
と言っても挿入・奉仕は不可。
お客の性欲を煽り、客にオナニーをさせるのが仕事です。

欲を煽るため客の前でストリップします。
自分で玩具を使ってアナニーも見せます。

基彬は自分の性的嗜好に向き合えなかったけれど
タスクのオナニーショーを見て興奮を隠せなくなって。
少しずつ少しずつ「自分」を知っていくんですね。

と同時にタスクへの依存も増していってーーーと展開します。


最初は「高瀬基彬」の人物像に迫るお話かと思いました。

長年向き合えなかった同性への欲望が爆ぜ、
身も心もドロドロに溶かされ、
価値観全てぶっ壊されたあとに自我を再構築。
ーーーー的な(ФωФ)

いや~~~全く違いましたね!!

奥さんとの離婚理由が明らかになると風向きが変わり、
少しずつタスクのミステリアスな部分が明らかになる。
お話の終着点はどこなんだ…?とワクワクしながら読みました(∩´///`∩)

タスクと基彬の関係の曖昧さも個人的に好き。
最初はあまり恋愛っぽい甘さがなく、
基彬の空洞をタスクがただただ満たしていくんですね。
ただの食事ひとつとっても基彬には今までにない特別な気持ちになる。

基彬が「基彬」として生きられなかった部分を
タスクが受け容れていく部分にキューっとしました…!!

で、タスクもタスクで色々と訳ありで。
お仕事でするアナニーにも性欲とはかけ離れた意味があったんですね。

双方ディルドには正直驚いたけど、
タスクが基彬を守ろうとするところが萌えた~!!!
展開的にキツかったけどグッとくる場面でもありました。
愛し合って、守り合って、キュンキュン(∩´///`∩)

タスクは仕事的にゴリゴリの攻めではないので
場面によっては受け×受けっぽさが漂うんですが。
筋肉鍛えまくりのデッカい身体で乳首弱くてアナニーするのは中々…( ´艸`)
小山田あみさんの描く男前×男前ビジュだから更に美味しくいただけますね!!
(挿絵が少なかったのが残念だ~;;)

13

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