病める時も、健やかなる時も、

yameru toki mo sukoyakanaru toki mo

病める時も、健やかなる時も、
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神51
  • 萌×213
  • 萌7
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
13
得点
331
評価数
75
平均
4.5 / 5
神率
68%
著者
野良おばけ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
三交社
レーベル
Charles Comics
発売日
電子発売日
価格
¥670(税抜)  
ISBN
9784815501938

あらすじ

「一回しか言わないからよく聞けよ…愛してる」

SNS累計700,000PVの大人気シリーズ書籍化!
オレ様カフェオーナー×世界を飛び回るカメラマン

大崎泰央は小さなカフェを営んでいる。
一方、三原遼輔は自由に世界を飛び回るカメラマン。
遼輔が家にいる時間は少なく、性格も正反対の二人にはすれ違いも多い。
共に過ごす日々は穏やかで幸せだ。
しかし遼輔は、このままずっと二人で生きていく覚悟がまだできないでいた。
その“事件"が起きるまでは──。

表題作病める時も、健やかなる時も、

大崎泰央,カフェオーナー
三原遼輔,カメラマン

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

レビュー投稿数13

ハッピーエンドの〝エンド〟とは何処なのか?

とてもリアリティのあるお話。
綺麗事もご都合主義もない世界観を、絶妙なニュアンスで描いています。
安易で普遍的な同性同士のラブストーリーというわけではありません。
ちゃんと、「彼ら」の物語を感じられるのです。

高校からの付き合いの遼輔と泰央。
流れ行く時のなか、10年経っても不変的だった2人の関係は、ある事件をきっかけに変化していきます。

恋愛、結婚、家族…直面する問題は少なくない。
しかし、そこに未来への希望を織り交ぜて描いている点が素晴らしいと思うのです。

追い詰められた遼輔の表情や言動、そこに鬼気迫るものを感じたし、だからこそより泰央の器の大きさが光る。
こんなに人間として素敵な攻めは、滅多にお目にかかれません。
あー、これが「愛」なんだとストンと胸に落ちる。
泰央が、本当にかっこいい!
そんな泰央の愛を感じ、遼輔の考えにも変化が…。

2人の関係の行方だけでなく、未来に怯えていた遼輔の変化にも注目です。
表面的なものではなく、ちゃんと内面の変化としてみてとれるからこそ心に響きました。
一生一緒にいられたとして、それでも必ず最期の時は訪れる。
そこを真剣に考える作品としては、唯一無二じゃないかな。

感情むき出しの表情とセリフがズブズブ刺さり、そんなシーンの数々に思わず涙。
絵が苦手な方もいると思いますが、そこは今後に期待して、取り敢えずストーリーの深みと余韻を楽しんで欲しい。

※pixivで彼らの番外編が読めます。
ちょっとキャラのイメージが崩壊してしまうところもあるのですが、『過去編』は是非読んでもらいたい。
本編には収録されなかった、2人の出会いが描かれています。

20

2人で確かに生きていく

読んでいると心にぐっと刺さるものがあり、涙ぐみながら読み終えました。

恋人として家族として、相手を想って生きている2人の生活がとてもリアルで刺さります。
このリアルというのは現実的という意味ではなく、2人が物語の中で生きていたという意味です。

恋愛について性別は関係なかったとしても、社会の中で生きていこうとすると途端に性別が問題になってくる。
制度として保証されていないし、それを理解できない人からの目だってある。

根本的に性質が違う2人が、とことんすれ違いながらも、2人でいることだけは諦めない。
終始これが主軸な物語だと思いました。


物語のモノローグのなかで、お気に入りの言葉ありまして。
”いつかくる別れのときまでできる限りゆっくりと時が進むように”という部分。
この別れにはいろんな意味があって、読み手によって受け取り方は変わると思いますが、心に沁みました。

物語のなかでも出来事が解決しても、また別なところで絶妙にすれ違っている2人。
仲が悪いわけではなくて、他人と生きていくってこういうことだよなとしみじみ思いました。

絵柄に特徴のある作品ですが、一度は読んでいただきたい作品だと思います。

2

固そうで柔らかい

男性の身体の固そうで柔らかいところ。
関係性が乱雑そうでいて繊細で暖かいところ。

絵柄の少年漫画のようなぶっきらぼうさが
幸せになるためにもがくふたりに合っていて、とても魅力的です。
本当にこんなカップルがどこかにいそうな気がして、ひたすらふたりの幸せを願わずにはいられません。

pixivやWeb連載からずっと注目していた作品なので、単行本として実物を手元に置いておけるのが本当に嬉しいです。大事にしたい作品です。

2

愛を感じる

すごく感動しました。泣いてしまった。最終回を読んで何度も感動し、涙を流しました。

結婚の意味は?もともと結婚する理由がわからなかった。病めるを読んだ後、私はついに人生のパートナーとは何なのかを理解した。それは自分で選んだ家族です。お互いの経験を共有して一緒に成長し、愛の言葉を囁くこと、とても美しいです。

二人の愛が永遠に続きますように。

2

喫茶店オーナー×写真家

高校生の頃か付き合っていて、現在は同棲中なカップル。
お互いにいい年の大人になって、どっちかに何かあった時とか将来の話とかちょっとした会話が現実味を帯びて重さを伴うようになってくる時期。こういう既に出来上がって長い付き合いのカップルの話が大好き。恋愛がもっと生活とか人生に密接してくる感じ。何となくこのままでいいのかな?と思っていたタイミングで受けが大怪我を負う。付き合い始めた頃からそのままの関係で続いてきたけれど、ライフステージに合わせて二人の関係性も進めなきゃいけないと実感していく過程が良かった。相手はいつまで一緒にいる気があるのかなと二人一緒の未来を想像できずにいた二人が、できるだけ長く一緒にいたいと腹を括ってそのためにできることを始めていくのが良い。

1

”人生を共に生きる”ということ

読みながら涙が零れてしまい、霞んだ目で読み切りました。

怪我をした遼輔のために、ソファを動かして窓の近くに置き換えていたり、
バイクを売って軽自動車を購入していたり…決してそれらを言葉で伝えたりしない(できない)のだけれど、行動で示される泰央の愛。。
それに気付いてハッとする遼輔と同じ目線で、泰央のことが愛しくなりました。

「一生一緒にいる」、「共に生きる」という覚悟を決めること。

シンプルなようでいて、特に同性同士だと、壁がまだまだ高いのだ……と、主人公二人を通じて実感させられた気がしました。

家族へのカミングアウトをしようと決意して実家に行くけれど、玄関前で足がすくんで引き返してしまった遼輔。遼輔の恐れと葛藤が分かる、リアルなシーンだと思います。

単純なハッピーエンドとはいえない、二人の愛。
両想いになって終わり、ではなく、その先の二人の生活という”リアル”を、しっかり描いてくれている作品です。

この二人が一緒に歳を重ねて、おじいちゃんになったところが見たいな。
続編があったら、ぜひ読みたいです。

1

ボロ泣き

ボロ泣きです。久々に商業blで泣きました。
2人どちらにも感情移入してしまう。

0

2人で生きること

めっちゃくちゃ沁みました…強くてあたたかいこと!!!

絵が好みではなかったのですが、
表紙の雰囲気とタイトルが良いなと読んでみました。

堅物(泰央)×奔放(遼輔)
長年付き合ってるからの甘えと強み
好きだから待つし、信用してるから自由でいられる
2人だから成り立つ関係で、ちょっとしたことで満たされのが良い。
けど、不安はじわじわあって、泰央はそれを口にせず自分で頑張っちゃうのがいじらしく、
遼輔は考えてるようで考えてなくて煮え切らなくて
ずっと一緒にいたいけどいられるか分からない不安、いられるか分からないから考えない、
微笑ましさとどうしようもなさがすごくて、あーーーってなりっぱなし。

遼輔が人生に関わるくらいのケガをして
これまで積み上げてきたものが揺らぐ不安を
吹き飛ばした泰央が大きくて大きくて!!
二人の絆がぐぐっと深まり、これからも一緒に生きてく覚悟とか一緒にいれる安心感とか
いろいろと入り混じって胸がいっぱいになりました。
言葉ひとつひとつ、表情に渾身の想いがこもってる!!!

泰央に相談せずに大きな買い物をしちゃったことには
正直ギョッとしたけど、このバイクで
2人の大切な思い出をよみがえらせて、これからも思い出を作るアイテムと思うと
こういったことを積み重ね、支え合って笑いあえる関係ってとっても素敵だなと幸せな気持に。

エッチは少なめで色っぽさというよりは(シーモア白抜き)
長年つれあった2人の特別感や愛深まった感が溢れてて、
ちょっとしたキスから深いキスになっていく描写とか満たされてる感じがキュンとなりました。

8

恋の、その先

すでに同居していても、まだすれ違ってるCPの物語。

帯には「オレ様カフェオーナーx世界を飛び回るカメラマン」ってあって、すでに先に攻め受けは明かされてる感じなんだけど、読み進める過程では2人の関係性はそんなにあからさまではありません。
そしてそういう描き方は大変好みです。
確かに、カフェオーナーの泰央は文句や小言、言いたい事はキツく言ってるけど。
彼はオレ様かしら?
逆に「健気攻め」だと思うなぁ。
ふらぁ〜っと空に飛んでいってしまうような遼輔は、まだ逃げ道を用意している。
それでいて、凧のように根元は地上の泰央にあって。
視点的には第三者目線、でも読者は「待つ男」の泰央に感情移入すると思う。
そして、遼輔にいつどこに行ってもいい、と言う泰央が気にしているのは「もしもの時」の事だという事が明かされる。
そう、これは「恋の、その先」の物語。
なのである。

ちょっと甘い言葉、スキンシップは多くしたい遼輔。
そういうのは嫌がるけど、家族になりたい泰央。

遼輔が「家族」に足踏みしてる間に、ある事故が起きる…

その事で事態は大きく動き…というストーリー展開なのですが、これはかなり胸アツです。
泰央は地に根を張って地盤を固め、遼輔の気持ちを縛ることなく自分のやり方で自分の愛を生きる。
これね、泰央の方の愛し方が正しい、とか。
遼輔がフラついていてダメだ、とか。
そういう話じゃないと思うの。
遼輔も、事故で大きな代償を払った。
だから、とにかく「生きていて良かった」だと思うの。
生きて、愛して。
愛している相手が、生きている。そこに尽きるんだと思うの。
そして2人で共に生きていく…病める時も、健やかなる時も、
そういうストーリー。
感動してしまった。

まあ…ちょっと泰央が「無償の愛」すぎる気はするかなぁ?健気よ。

6

こういうお話大好きです

ハッキリ言ってしまえば、野良先生の絵は私の中で苦手な部類に入ると思います。でも、なんて言うかたまにハッとするシーンがあったり、読み進めて行くと絵がお話に合っててそれが味に思えて来る不思議な魅力のある作家さまだと思いました。


お話の内容はと言えば付き合いも長いカップルが、その先を見据えた時にお互いの思いに微妙なズレを発見するんです。
この辺りがとてもリアルというか、真面目で男気溢れる泰央と面倒なことは取り敢えず後回しなちょっと狡い遼輔のカップルが、どこにでもいそうで思わずお話に引き込まれていました。

喫茶店のオーナーをしている泰央が、実に懐の広い男なんですよ。普段はあれこれと口うるさいけど、実は遼輔には自分らしく自由にあちこち飛び回って欲しいと思ってます。でも、帰るところは自分の所であって欲しい…。
なんて健気なんだと思いました。彼の母親との会話で良い親子関係を築けているし、あの母親だからこそ実直な息子に育ったんだと思いました。

一方の遼輔の家族は良い意味で無関心で、だから関係が希薄で肝心なことを向き合って話すのが遼輔は怖いんですよね。
ハッキリ言って遼輔は狡いんです。家族に二人の関係を話そうと思ったのも、泰央親子の会話を偶然聞いてしまったからだし主体性がないんです。しかも、直前になって怖くなって後回しにしてしまいます。


そんな時に遼輔の身に事件が起こって、家族に泰央の事を話していないことで、家族に混乱を与えてしまいます。

泰央の気持ちを考えるとグッとくるっていうか、退院時に迎えに来た姿とか、リハビリを続ける遼輔に掛ける言葉とか本当に良い男なんですよ。


お話に派手さは無いんですが、性格も違う別々の人間である二人が折り合いを付けて歩み寄って行く姿がリアルに描いてあると思いました。
最終話からの描き下ろしに胸が熱くなりました。
こういう人間ドラマ大好きです。

1

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