魔術師は野獣な貴公子に溺れる

majutsushi wa yahu na kikoushi ni oboreru

魔術師は野獣な貴公子に溺れる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神35
  • 萌×247
  • 萌20
  • 中立2
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
15
得点
425
評価数
108
平均
4 / 5
神率
32.4%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
榊空也 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784344847996

あらすじ

28才の今も恋人もなく陰キャなフリーランスの魔術師ネロ。たまに現れる貴族の三男で超イケメンのミケーレは高校時代からの友人で、ネロの長年の片思いの相手。名うての遊び人なのが玉に瑕だけど、どうせ陰キャな自分なんて、と親友ポジのままだったある日、ネロはミケーレから“自分を弄んだ報い"とセフレ令嬢から呪いをかけられたことを告げられる。誰もが目を背ける醜悪な獣、破壊を司るシヴァ犬になる呪いーーそれは自分が受けた仕事じゃないか! そう気づいて罪悪感に押しつぶされそうになるネロ。なんとか呪いを解こうとしつつミケーレへを家に匿って……アレっ、もしやこれは片想いの相手と楽しい同棲生活ってやつ!?

表題作魔術師は野獣な貴公子に溺れる

ミケーレ・アレグリ,28歳,ネロの友人でイケメンな貴族の三男坊
ネロ・ビアンキ,28歳,人付き合いが苦手なフリーランスの魔術師

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数15

最高に笑えて可愛いよ!

小中先生お得意の、甘くて可愛いラブコメになります。
プラス、作者さんもおっしゃられてるようなトンデモファンタジー。

これね、思わず吹いちゃうような細かいお笑いネタの宝庫でして、読んでてめちゃくちゃ楽しいんですよ。
もう、攻めが変えられた「醜い怪物・シヴァ犬」には、ひたすら爆笑。
親父ギャグやないかーい!と。
ついでに受けへの愛情を爆発させて、若干変態ぽくなってる終盤の攻めにも爆笑。
ミケーレ、面白すぎるわ~。

こう、切なかったりキュンキュンさせてくれたりちょっぴりしんみりしたりと、笑えるだけじゃなくて深みもある素敵なお話だと思うんですけど。
読み終えた後、幸せな気持ちになれる。
えーと、痛いのとかが苦手な方も安心して読んでいただけると思います。
とりあえず、私はめちゃくちゃ好き。

それにしても、小中先生の書かれる攻めは人間としてちょいダメなのが多いのに、なぜか憎めないってのが毎回すごいですよね。

内容ですが、超イケメン貴公子の親友×陰キャ魔術師による拗らせ系片想いモノになります。 

辺鄙な郊外で一人暮らしをしながら、魔術師として生計を立てるネロ。
高校の同級生で親友でもある伯爵家三男・ミケーレに、長年の片想いをしているんですね。
そんなある日、呪いによって醜い怪物に姿を変えられてしまったミケーレが、ネロの元に助けを求めてやってくると言う驚きの出来事が起こってー・・・と言うものです。

で、この呪いですが、なんとネロが貴族の令嬢から依頼されて、相手がミケーレだとは知らずにかけたもの。
そう、やったの俺やないかーい!みたいな。

その事実をどうしても言えないネロは、とりあえず呪いを解くまでの間、ミケーレを自宅に匿う事になって・・・と言った流れになります。

と、まぁこちら要は、片想い相手と思いもよらず同居生活を送る事になった主人公が、そんな秘密を抱えながらアタフタと事態の解決を目指すってお話なんですよね。
ザックリ言っちゃうと。
で、これがとにかく笑えて可愛いのです!

えーと、繰り返しになるのですが、まさにトンデモファンタジーってなもんで、細かいお笑いネタの宝庫だったりするんですよ。こちら。
まず、ミケーレが姿を変えられた化け物と言うのが、空想上の怪物で醜いと人々に恐れられてたりするんですよね。
で、どんなおぞましい生き物かと思いきや、なんとそれは「犬」!
しかも、世界に伝わる犬の中でも最も邪悪で破壊と再生を司るとされる「シヴァ犬」!
いやね、読者からすると可愛くて愛らしいイッヌーを、彼等が大真面目に「なんと恐ろしい・・・!」とかやってるのが笑えて笑えて。
この調子でいちいちトンデモお笑いネタがブッ込まれてるのが、ひたすら楽しくて仕方ないんですけど。

また、そんな中で進行してゆく二人のラブが、めちゃくちゃキュンキュンでして。

面倒見が良くマメなミケーレ(呪いで犬になってしまうのは昼間だけです)がネロの世話を細々と焼き、ネロは呪いを解くための鍵を必死で作る。
親友同士でもある二人は、そんな中でもまさにじゃれあいと言った感じの言動なんかを繰り広げてくれるんですけど、それがただただ可愛い。
こう、受け視点なんですけど、親友だったはずのネロをミケーレが徐々に意識して行くのが読者には良く分かるように書かれてるんですよね。
もちろん、ミケーレに隠した片想いをしてるネロの言動なんかは言うに及ばすで。
彼の罪悪感と恋心の間で複雑に揺れ動く心情には、切ないのにすごく萌えてしまう。
もう、めちゃくちゃ甘酸っぱ~い!と。

そもそも主人公となるネロなんですけど、ひねくれ者と言うか中二病臭い言動ながら、根はお人好しで純粋と言うかなり面白いキャラなんですよ。
件の呪いに関しても、依頼者である令嬢に同情して「浮気男を真実の愛に目覚めさせよう」と請け負ったものですし。

これね、攻めですが、お金持ちで見た目も良く穏やかで優しい性格と、もう周囲からモテモテだったんですよね。
で、来るもの拒まずの博愛主義者・・・要は下半身ゆるゆる男だった。
そんな彼が醜い化け物の姿にされてしまった事により、真実の愛に気づくと言うのが今作の見処の一つだと思うんですよ。
や、真実の愛に気付くと言うか、これまで分かってなかった自分の本当の気持ちにやっと気付くと言った方がいいかもしれないですけど。
ネロは長年の片想いをかなり拗らせてるんですけど、こいつも実は結構拗らせてるよなぁみたいな。
二人とも、めちゃくちゃお似合いだよ!みたいな。

ちなみに、ここからミケーレが化け物として警備隊に追われと、ハラハラドキドキの展開で飽きずに読ませてくれるのも上手いと思います。
いや、どうなる事かとドキドキしちゃったけど、ちゃんとハッピーエンドで良かった良かった。

最後になっちゃいましたが、終盤でネロへの愛が爆発してるミケーレには笑いました。
「ああネロ、可愛い。なんて可愛いんだ」とか言いつつハアハアと息を荒げと、なんか変態っぽくなってるのもご愛嬌。
受けへの愛が深すぎて変態っぽくなる攻め、最高ですね。

16

笑いあり、萌えあり、切なさありの神作品。

作家買い。
小中作品はほぼほぼ読んでいますが、今作品が一番好きかも。

めっちゃ可愛いの。
小中さんはシリアス寄りな作品も書かれますが、こういうほのぼので優しいお話も描かれる。凄い引き出しが多い作家さまだなあと感心します。

貴族の三男で、絶世のイケメンで、モテ男(作中はヤリチンと称されているのがまた笑える)のミケーレ。
そんなミケーレに恋してしまった魔術師のネロ。

モテ男のミケーレの心を掴むために一人の女性がネロにとある魔術を依頼するが、その依頼が発端となってミケーレは呪いをかけられることになり―。

というお話。

いつもながら驚かされるのが、その圧倒的な文章力。
読んでいて、文章が目の前で画像として浮かび上がってくる。ストーリーがネロ視点で書かれているので、自分がネロになったかのような錯覚を覚えます。

魔術に没頭し、生活はずぼらで、けれど一生懸命にミケーレに恋をし。ネロの、ミケーレに対する感情の機微が実に細やかに描かれていて、さらにネロが完璧すぎないのもまた良い。だからこそ、読者の共感を呼ぶのかも。

ネロは自分がミケーレと釣り合う人物ではないことを自覚している。
友人という立場で良い。
ずっと、ミケーレの傍にいることができたなら。

そんな一途な恋心を秘めている一方、そこかしこに撒かれているギャグもまた良い。そのバランスが絶妙で、ホロリときたり、爆笑したり。もう、小中マジックに翻弄されまくりのストーリーなのです。

ミケーレが魔術で姿を変えられてしまうのですが、その「姿」が…!
恐ろしい生き物、として描かれていますが、その「生き物」が…!

もう爆笑。
そうきたかー!

序盤にネロがモフモフを求めて猫を飼うことを検討するシーンがありますが、それがきちんと前振りになってるのも素晴らしい。その生き物に姿を変えられてしまったミケーレの感情の機微を描くツールとしてケモ耳やしっぽが使われていますが、その使い方も秀逸。

ミケーレが何の姿に変身させられてしまうのか、ぜひとも手に取って確認してみてほしいです。

で。

榊さんの挿絵がこれまた良かった。
可愛くって、綺麗で、そしてモッフモフ。
この作品の持つ世界観をきちんと描き切っていて、とっても良かったです。

実は、読み始めたとき、攻めのミケーレが今一つ好きになれなくて。
下半身ゆるゆるのヤリチン、という設定が個人的にあまり好きじゃない、ということもあるのですが。

そのミケーレが、終盤に近付くにしたがってナイスガイになっていく。
それはネロのおかげももちろんあるんです。
あるのですが、まあ、これが小中マジックなんでしょうね。

なぜミケーレが「そう」なってしまったのか、そういった彼のバックボーンがきちんと読み取れる。そして、ネロのおかげで少しづつ愛を知り、誠意を知っていく。その過程が描かれているためかと思われます。

笑いあり、萌えあり、切なさあり。
そのどれもが絶妙なバランスでミックスされた作品。

めっちゃ良かった。
文句なく、神評価です。

15

片想いの切なさと甘やかさが堪らん(;///;)

あらすじに一目惚れして購入で大当たり…!
個人的にドツボにハマって萌え&号泣で読了。
(※注:私はグワ〜と泣いたけど明るいお話です)

生涯友人のままで…と誓った片想い。
伝えられない罪悪感を含んだ片想い。
これらが時折入り交じるのに切なキュンなんですよー!!!!(;///;)


さてさて。ストーリーは、醜い獣姿になる魔術をかけられたヤリチンの王子様が真実の愛に目覚める展開で、"美女と野獣"がモチーフになっています。受け視点です。魔術をかけた遠因が受け本人という皮肉な展開でもあり、片想いと罪悪感がごっちゃになってお話が進んでいきます。

攻め:ミケーレ。立ち振る舞いが紳士的な王子様のような人。(出自は伯爵家3男)
どんな相手でも分け隔て無く接し、、、それゆえに博愛主義といえば聞こえは悪くないけど、ストレートに言えばヤリチン。男女関係なくヤリチン。既婚者相手だろうと求められれば応じるヤリチン。夫側・妻側同時進行で恋人になるようなヤリチン。告白されると「恋人いっぱいいるけどそれでもいい?」と確認して付き合うようなヤリチン。

有り体に言えばクズに分類されそうなんですが、ミケーレは倫理観薄いところを除けば紳士的なんですね。物腰の柔らかさ・育ちの良さ・美形・決して他人を貶めることはしない性格。人に好かれるのが天性の才能のように見えました。

誰彼構わず食い散らかすヤリチン攻めなのに厭らしさを感じないところがなんもとも複雑…(∩´///`;)物語が進むにつれ人誑しになってしまった理由も明かされて、全然憎めなくなっちゃう…。(ヤリチンなのに…)←しつこい

受け:ネロ。ミケーレに片想いをしています。
ネロは子供の頃から魔術が大好きで、ゆえに一人の世界に閉じこもりがちでした。学生時代は陽キャだらけの学校で浮いていて、遠回しにいじめっぽいことも。強気な性格なので気にしない素振りを見せていましたが、本音は…(;ω;)そんなとき声をかけてくれたのがミケーレで、以来ずっと友人関係を保っています。

恋心を抱きつつミケーレのヤリチンっぷりは十分すぎるほど理解してて、自分のような陰キャではミケーレに愛されるはずがない。友人のポジションにいられるだけで御の字…といった感じで、伝えるつもりのない片想いを長年しているんですね。

ミケーレが家に来ても、「あ、来たんだ(無愛想)」って素っ気ない風を装いながら、心の中は嬉しくて嬉しくて転がってる…みたいな。この小演技がめっっっっっちゃくちゃ可愛いんですッッッッッ!!!!!!ネロ視点でお話が進むので、いかにネロがミケーレを好きで好きで堪らないかが伝わり、そのくせミケーレには悟らせないよう小細工をするギャップに萌えて萌えて仕方なかった。。(∩´//////`∩)

そんなこんなで。
とても素行が良いとはいえないミケーレは、恋人の一人に醜い姿になる呪いをかけられます。パニックになったミケーレはネロを頼り、ネロはあるがままを受け止めて必ず呪いを解くと約束。

しかしその呪いの魔術はネロが依頼人に頼まれて作ったもの。依頼人がミケーレの恋人だとは思わず、(今風で言う)メンヘラ女の言葉を信じて依頼に応じてしまうんですね。ミケーレが醜い獣になってしまったのは全て自分の責任と負い目を背負うネロのしんどさが切ないです。

そしてあらすじにもあるように、呪いが解けるまでの間、同居生活が始まるんですが、それがも~~~甘やかで穏やかなひとときなんですね。元々長年の友人という阿吽もあるし、2人ともさりげない気遣いが出来る優しい人同士なので息がぴったり。醜い獣…といっても作中の世界観の話で、実際は可愛い柴犬♡というのも癒やされました(﹡´◡`﹡ )
(犬が存在しない世界なので極端に怯えられちゃうのが悲しい;;イッヌ好きさんは辛いかも…)

そんなひとときがミケーレの心に刺さったというか、ようやく"恋"を知っていくのにキュンキュンします////読者的にはミケーレの変化が読み取れるのに、如何せんネロは鈍感でまったく気付かないもの・・・・めっっちゃ萌えるッッッ!!!!!このまま上手くいってくれ~~~~と願いながら読みました。

友人だろうと手を出してきたミケーレが、ネロには手を出さなかった…(もとい出せなかった)エピもニヤッとしました。ネロの鈍感さが可愛くて萌え禿げる(∩´///`∩)ミケーレも言ってたけれど、中途半端にネロに手を出してたら今はなかったんでしょうね…。獣になるまで追い詰められてようやく自覚するミケーレにはちょっと呆れつつも、大事なことに気付けて良かったなと思いました。

真面目なネロが残した手紙には大泣きでしたね…。私は手紙の下りからラストページまでずっと涙ボロボロ止まらねぇよ…状態で読みました。ずっとずっと罪悪感を背負ったままのネロが書き置きでしか伝えられなかったのも、その後抱え続ける淋しさも、ようやく長年の片想いが報われるのも、涙腺にダイレクトにきて。

全体的には"切ない"よりも糖度が高い甘やかなお話なんですけどね。ネロの片想いをずっと見守り続けていた胸キュンが一気に弾けて、なんかもう堪らなくて。読み終わったあと「良かった!!!!!」と叫びました。
いっぱい幸せになってくれ~~~~!!!

10

『ヤリチン』って……

ヤリチン……
なんか久々に聞いた単語なんですけど。
それだけじゃないの。
このお話の攻め様、ミケーレは『爽やかなヤリチン』『太陽の様なヤリチン』『人格者でヤリチン』なんですよぅ。
なにこれ。
普通、並ばない単語の組み合わせで構成されている。
これがね、私は最高にツボったんですよ。

お先に書かれた姐さま方が大層美しくご紹介されておりますので、細かい所は吹っ飛ばした『このお話の好きな所』を書きたいと思います。

私、昔からね『美女と野獣』は道徳的なお話としては破綻していると思っていたんですよ。だって、王子が野獣に姿を変えられた理由が『見た目で人を判断し、その本質を見誤ったから』ということなら、美しくない娘に心を奪われなければならんのではないかと思うんですよね。

そもそも美しさの基準なんて時代によっても社会によっても異なるし、好ましいと思う容姿だって人によって幅があると考えれば『美しい娘』っていう概念自体がうさん臭くもある。

で、このお話は私が以前から思っていたそのあたりの疑問をね、晴らしてくれちゃったりしたんです。
それも大変お上手に。

恐ろしいはずの『伝説の怪物』だって、その中身を好ましいと思えば全然怖くなくて、むしろ愛らしいってことなんですよ。『だらしないオタク』は別の見方をすれば『何も目に入らなくなる位集中力がある』人になっちゃうんですよ。

あとね『長いこと愛し合い続ける為には無理をすべきでないし、ええかっこしいもやめた方が良い、の法則』もやんわりとですが明確に書かれています。
これもね、かなりの真理だと思うのね。

人付き合いが苦手で、世間からちょっと浮いた存在が初恋を叶えるという、いかにも乙女ちっく(BLなのに!)なお話なのですけれども、あらすじの裏側で控えめに流れる主張はとても気持ちが良かった。

何と言っても冒頭に書いたことを始めとして、笑えるのが良いです。
コメディベースのBL小説って減っている様な気がするのですよ、最近。

10

結果作戦成功ですわね(≧▽≦)

魔術学校なるものがある、ファンタジーな世界。


受け様は、フリーの魔術師として生計をたてているネロ。
魔術の腕は天才級だけど、コミュ障ぎみ。
魔術のことを考えるだすと、寝食を忘れて没頭しちゃう魔術オタク。
だけど、なんともキュートなんだよなぁ(*^^*)

攻め様は、そんなネロの学生時代からの友人ミケーレ。
お金持ち伯爵の三男坊で、光輝く美形の明るい人気者。
まさに太陽のようなのだけど、下半身がユルい博愛主義者(;´д`)
ヤリチンで、そっち方面でトラブルが起こると、困って片田舎に住むネロの家に避難してくる。

ネロは、ミケーレのことが学生時代から好きなんだけど、友情が壊れるよりは、と友人の立場を守ってるのです。


そんな日々の中、ミケーレが憔悴しきって、ネロに助けを求めてくる。
とうとう恋愛事で人を殺してきたんだと思って、ミケーレのためどうするべきか脳内でいろんなパターンを考えてるネロ、かわいいやつめ。

でも、殺人ではなく、ミケーレは怪物の姿になる呪いを受けてしまっていた( ̄□ ̄;)!!
しかもそれってば、浮気性の婚約者の気持ちを取り戻したい、との依頼を受けて自分が作った呪いの魔法具のせいじゃないかΣ(ノд<)
夜はミケーレの姿だけど、昼間だけ変貌してしまう、その怪物の姿ってのが、まさかの『シヴァ犬』
空想上の生き物で狂暴で醜い、破壊と再生の『シヴァ犬』って‥( ・∇・)
なるほどなぁ、と笑ってうなりました( ^∀^)

罪悪感でいっぱいになりながら、ミケーレと同居して呪いを解くための鍵を作るネロ。
シヴァ犬の姿にも慣れ、もふもふを堪能しちゃったり、ミケーレとの生活は心地好い。


ミケーレは、ネロのかわいさ優しさに改めて触れ、呪いを解く鍵作りに真摯に取り組んでいる姿を見て、自分の真実の愛に気付いていく訳です( ☆∀☆)


ネロが自分を好きでいてくれる、との確信もなく、友情が壊れるかも、と不安になりながらも誠実に愛を告げるミケーレは、とても紳士でステキでした(*´∀`)


2人が恋人としてうまくやっていけるよう、お互い努力して変わっていこう、と無理はしないで頑張る様子は、そうだよね〜とニッコリ納得しちゃいました。


イラストは榊空也先生。
シヴァ犬がとってもかわいい(≧▽≦)
私ももふもふに埋もりたいです(^O^)






10

ゆるゆる

先生買い。めっちゃ面白かった。2回ぐらい、読み進められない程、笑いました。記憶に残るか?と言われると「?」と思いますが、とにかく楽しかったので神にしました。本編220P弱+あとがき。楽しいのを読みたい!と思うファンタジーOKな方におススメしたいです!

街の郊外、辺鄙なところに一人住んでいる魔術師のネロ。大好きな魔術の研究・開発に勤しんでいて、自分の食べ物が底をついていることもすぐ忘れてしまうような方。そんなネロを時折訪ねてくるのは伯爵家三男坊のミケーレ。キラッキラ超イケメン&超ゆるゆる下半身を持つ高校時代からの親友で・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
キアラ(攻めの恋人の一人)、攻め伯爵家の執事、受けの家のご近所さんぐらいでは。ほぼほぼ二人だと思います。

++とにかく面白かったところ

キラッキライケメンが、イケメンなのにちょっとズレているところに、めっちゃツボったんです。
例えば冒頭のエピソード。「貴族の御婦人と不倫してたんだけど」(不倫してたんかい!)「旦那が押しかけてきて」(うんうん)「旦那は旦那で「私とこの女、どっちを取るんだ!」って迫って」(は?え?両方とやってたんかい!)「どうにもならないから逃げてきちゃった」→爆笑。このゆるゆるヤリチン男め。ここでまず笑いが止まらなくなって、一旦休憩。これP16。

キラキライケメン、三男坊愛されイケメン。実家は伯爵家だし、色々言い寄ってもくるよね。色んな方に愛され、「愛を返さなきゃ」というところなんでしょうか。ひょうひょうとお上品にやりたい放題。傍から見ている分には面白いことこの上ないですが、本気で好きになったら地獄ですね。

で受けさんはどう思っているかというと。
自分がコミュニケーション下手な陰キャですし、魔術で食っていければまあいっか、たまに攻めさん退避のために来てくれるしなと思っているので、全く悲壮感がない。全体として笑うしかないテイストです。

また設定が「おお!」でした。受けの作った魔術で攻めさんの変身したのが「シヴァ犬」。犬=空想上の怪物という設定。ここでも笑いが止まらなくなって一旦休憩。どう考えてももっふもふ、お腹に顔を埋めさせてほしいと思う大好物もふもふなのですが、ご本の中の二人は「毛がごわごわしてる」「角のような三角の耳」「こんな醜い生き物見た事がない」と真剣にお悩み中。先生、ほんと上手い事考えたなあ・・と大笑いしました。

お話はそんなに難しく感じられず、ひたすら笑って、受け攻めの恋心にくふふっとほくそ笑むもので、本当に気分転換にめっちゃ良かったでした!榊先生の挿絵もぴったりに思います!

8

めちゃくちゃ笑える、モッフモフ・シヴァ犬ファンタジー!

もう、めっためたに笑わせていただきました!!! 小中先生、最高だよ〜…!!

あらすじを読んで、「ヤリチン攻めかあ…」と思いつつも小中先生だし!と読んでみたのですが。本当、読んで良かった。ほんっと面白かった。。

ヤリチンゆえに令嬢に恨まれ、魔術で柴…じゃなくてシヴァ犬に変身させられてしまった美形貴公子、ミケーレ(攻)。学生時代からの友人、ネロ(受)に助けを求めますが、なんと彼を柴…じゃなくてシヴァ犬に変える魔術をかけたのは、ネロだった!?というお話。(超絶ザックリ)

令嬢から相談を受けた優秀な拗らせ魔術師のネロが、自分の片想い相手への魔術とは知らずに「世にも恐ろしく醜い」怪物シヴァ犬╰( U ・ᴥ・)に変わる魔術をかけてしまった、と。

この、シヴァ犬の容貌に関する説明文のくだりとか、最っ高に笑えてꉂꉂ(๑˃▽˂๑)
うちにシヴァ…ではなく柴犬がいるので、じーっと見つめながら本文を読み、笑い…というのを何回か繰り返してしまいました。
モッフモフにつぶらな瞳のシヴァ犬…最高に可愛くて萌えるじゃないか…!!
榊空也先生によるイラストのシヴァ犬も、まさしく柴犬で大変可愛らしかったです笑

これ、柴犬描写がかなり詳細で、ミケーレの言う「シヴァ犬ってこんな短い毛なのに、すごく毛が抜けるんだ。中年男の抜け毛より激しい」とか、まさしくその通りで。
ひょっとして小中先生、飼ってらっしゃる…??と思ったら案の定、白柴を飼っていらっしゃるとのこと!やだ、なんかめっちゃ嬉しいよ興奮するよ…!!//

ついつい、シヴァ犬愛について語ってしまいましたが;

お話については、ヤリチン攻めをあまり好きになれたことがないので読む前は若干不安だったのですが。
シヴァ犬になるという”攻めざまぁ”(?)と、それにより自分の奥底の恋心に気付き、改心したミケーレ、うむ、許す(笑)と清々しい気持ちになれるお話でした◎

なんだろう、ヤリチン攻めなんて不快感しか湧いてこないよーと思っていたのに、こんなに好きになっちゃうミケーレ、いや小中先生、恐るべし。

受けのミケーレも、学生時代の同級生からは「根暗で地味な魔術オタク(オタクは合ってるけど)」と評されてはいましたが、一途にミケーレを想い続ける姿がとても健気だし、最後に自分の仕業だと告白するシーンは、彼の心の強さや美しさが感じられ、じーんとしました。

とにもかくにも、心の底から笑えてキュンとするモッフモフ柴…シヴァ犬ファンタジー、大変楽しい読書時間をいただきました( *´艸`)感謝〜!!

2

小中版『美女と野獣』?

小中センセイのモフモフもの好きです!
表紙を見て、攻め受け+犬という構図を想像したのですが、ここがちょっとした訳ありで面白かったです。
全体的にはほのぼのテイストですが、『美女と野獣』のような〝真実の愛〟を探す物語でもあります。

ヤリチン貴公子・ミケーレ×陰キャな魔術師・ネロ

この攻めがホント最低なヤリチンで、初っ端から呆れました。
それでも、美しい容姿と人当たりの良さでモテモテという男で、そんなミケーレにネロも片想い中。
色恋沙汰で修羅場になってはネロの家に避難してくるミケーレでしたが、ある日憔悴しきったミケーレがネロを訪ねて来るのです。

魔術師・ネロが依頼された仕事がことの発端。
〝浮気性の婚約者の目を覚まさせたい〟というもので、ネロは「浮気男を真実の愛に目覚めさせるぞ作戦』と称し、浮気男を醜い獣の姿に変える道具を渡してしまうのです。

しかし、その魔術が施された相手はミケーレで……と、いう展開に!

憔悴したミケーレの話を聞くうちに、アレこれやばくない?的な不安がよぎりましたが、やっぱりね;
事実を伝える勇気がないまま、魔術を解く鍵を作るネロ。
日が沈むまではシヴァ犬(柴犬?)と呼ばれる獣に変わってしまうミケーレは、そのままネロの家に身を寄せることに。

おぼっちゃまな割に、家事スキルが高いミケーレのギャップにびっくりでした。
ネロはズボラなのでミケーレがやらざるを得ないのですが、そのおかげでミケーレは人に尽くす幸せを知り、少しずつ変わっていきます。

シヴァ犬という誰もが恐れる獣になってしまったミケーレですが、イラストがあまりにも可愛くて全然怖くない(笑)
皆、何を恐れてるの?という感じです。
初めは恐れていたネロも、次第に感情豊かなシヴァ犬ミケーレに愛着が……。まぁ、そうでしょうと。

全てはミケーレの下の緩さが招いた出来事なんですよ。
男も女も見境なくヤリまくるミケーレに呆れました。
正直、同情出来なかった。
ミケーレにとってはセフレでも、相手は本当に愛してたんだから罪深いよ。

そんなミケーレを想い続けるネロは、ポーカーフェイスを装っていながら心の中はドッキドキという可愛い魔術師。
奇行に走ることもあるけど、仕事は優秀だし好感が持てました。

醜い姿でも以前と変わらないネロに、ミケーレは自分が求めていた愛の姿を見つけるんですよね。
寂しさを抱えていたというミケーレですが、だからと言って手当たり次第手を出すのはイカンよ!

健気で献身的なネロに恋をし、恋人達との関係を清算したミケーレ。
足を骨折しながらも、愛を受け入れたネロに速攻襲いかかるとは;
最後までブレないよこの人w

2人が酔ってキャッキャしている場面は可愛く、テンポのいい掛け合いも楽しかったです。
ただ、ミケーレがシヴァ犬の間は終始ほのぼのなので、ストーリー的にはパンチが足りなかったかなあ。
それでも、最後まで飽きさせずに読ませてくれる文章のセンスの良さは流石でした!

9

ライトなラブコメファンタジー

ファンタジーだけど中高一貫のお坊ちゃん校とかヤリチン同級生にずっと片想いしてた根暗とか、限りなく現代日本に近いなんちゃってファンタジーだと思います。小中先生の遊び心満載で楽しんで書いていらっしゃる雰囲気がします。

私も最近エログロ刑事物BL小説にハマってたので箸休め的に軽くて可愛いお話が読みたかったのでちょうど良かったです。でも小中先生のちょっと辛めのドロドロ恋愛系の作品も好きです。作者も読者も甘いのと痛いのとメリハリをつけて楽しめるのがBL界の良いところですね。

コメディーとはいえヤリチン攻めが見た目は王子様系なのにそれまでにやってきた事が本当にクズな所が小中さんの作品らしいと思いました。根は悪い奴じゃないしちゃんと改心するとはいえ。そして受けは自虐で自分は根暗だって言ってるけど性的にはとってもピュアな子でした。カラフルなキャンディーの色でその日の運勢を占うのが乙女ちっくで良いエピソードでした。

シヴァ犬の描写がやけにリアルで可愛いと思ったら小中さん飼っていらっしゃるみたいですね。いつかうちの子をなんらかの形で作品に登場させたいと思っていらしたんでしょうか(笑)

最後は溺愛・甘々と言っても良い作風で犬好きにもおすすめの小説です。

8

破壊と再生とモフモフ

笑い、ハラハラし、名探偵コナンなみに推理し、ハズレるも泣き、盛りだくさんでした。
シヴァ犬が醜い怪物扱いなのが面白いやら解せぬやら。
でもネロだけはシヴァ犬を可愛くてモフモフして抱きしめて。

ずっ友だと思っていたら…。

ネロの太陽、超イケメン貴族のミケーレ。
高校一年生からの親友です。
ミケーレと友達になりネロは初めて友のありがたさ、豊かさ、世界の広がりに気付きます。
そして恋も知ることに。

あー、新刊はどこまで書いたら大丈夫か迷う。
自分が想像した展開ではなくて、でもクライマックスでは泣けて泣けて。
ミケーレはなんて良い人なんだ!
そしてネロよ、妄想が役に立って良かったね!

あとがきにヤリチン美形貴公子(下半身博愛主義とも言う)とこじらせ魔術師とあります。こじらせ具合は可愛いかったです。

あれよあれよとなりミケーレが足を開いてくれとの頼みに応えるネロに素敵だと言ったのには特に笑いました。

途中までは「奥様は外法使い!」を連想しました。

6

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