本当の家族よりも家族らしい、真実の愛の物語―― ストーリーテラーの見多ほむろが贈る 感動の家族愛、2冊同時発売!!

いびつなボクらのカタチ(下)

ibitsu na bokura no katachi

いびつなボクらのカタチ(下)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神196
  • 萌×250
  • 萌21
  • 中立7
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
24
得点
1250
評価数
276
平均
4.6 / 5
神率
71%
著者
見多ほむろ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
電子発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784199608469

あらすじ

7年付き合って、生涯を共にしたいとまで
考えていた彼氏に、置手紙一つでフられた佑真。
自暴自棄になり行きずりの男と身体を重ねた翌朝、
実家で一人で暮らしている母親が転んで怪我を
したという報せが入る。慌てて実家に帰ると、
そこには見知らぬ男・伊吹が!!
ところが彼は、介護士の仕事をしながら
男手一つで娘を育て、偶然町で出会った母のことを
気にかけてくれていたらしい。
しかもその彼の娘というのが、佑真が教えている
子供向けピアノ教室に通う生徒・舞花ちゃん
だったことが判明!! 母のことを
「おばあちゃん」と呼び、かなり懐いている様子だ。
お互いに片親同士であるということもあって、
その日から家族ぐるみの付き合いが始まって…!?

表題作いびつなボクらのカタチ(下)

沢田伊吹,介護職員,シングルファザー
阿部佑真,ピアノ講師

同時収録作品いびつなボクらのカタチ

吉田伊吹,高校生
沢田誠二,会社役員

レビュー投稿数24

じんわり泣ける

重要:電子は上下巻ばら売りよりも合本版のほうがお勧めです!
合本版は2つの特典(電子限定描き下ろしSS&カラーイラスト8P)が収録されているので。
価格はどちらも同じです。

作家さん買い。
二巻まとめてのレビューです。

人との「縁」を強く感じました。

登場する人たちは全員、育った背景とか違うんですね。
家庭の事情、複雑な過去など、そういうものを抱えている。

そんな人たちが出会って、繋がって、さらに次の人と繋がってやがて大きな環となる。
そしてお互いのことを想いやり想い合い、あったかく包み込む。
愛だなって感じです。

・エロに関しては下巻の一回だけだけど、私の好きな全裸絡みだし見多さんの描く裸体が好きなので満足。
・15年後の渋いイケオジとなった佑真の姿も眼福。素敵〜!
・スリーピースのベスト着用の佑真の姿が好き〜!



電子には上下合冊版もあって、迷いました。
合冊版には電子限定描き下ろし漫画がついていない代わりに、雑誌の表紙や扉絵などで使用されたカラーイラストが8P分ついているようです。【→これは誤りです、下段の訂正をご覧ください。】

イラストよりも描き下ろし漫画を読みたいと思ったので、上下巻別々のものを買いました。
電子限定描き下ろしの中身ですが、描き下ろし番外編「その後。」が受け視点であるのに対して、電子限定は「その後。伊吹ver.」で攻め視点によっての事後の気持ちが描かれています。4P。

↓↓↓
【訂正です】
合冊版には、カラーイラストと「その後。伊吹ver.」も収録されているようです。

なんてこった!!!!
ならそっち買ったわ……
キャラのサイトによると
「SS付き電子限定版
電子版限定で、描き下ろし番外編まんが「その後。伊吹ver.」を収録。
電子版限定「いびつなボクらのカタチ(上・下)」合本版にはカラーイラスト画集つき!!
(※下巻の電子限定SSも収録されます)」

※下巻の電子限定SSも収録されます
これがシーモアサイトにはなくて、どっちかしか収録されていないと思ってしまいました‥‥
買う前にキャラのサイトをチェックすれば良かったよ……。

しかも値段が同じという……
なんてこった!!!!

23

フランク

おぅ……
計算間違い(小学校からやり直しレベル)して
合冊本のほうが100円高いから、
カラー8Pイラストで100円かぁ……なら別々でもいいか……と慰めてたけど
もう一度計算してみたら、同じじゃあないの!!!

なんで合冊版と上下巻が存在するのよ……

電子サイトの下巻に【SS付き電子限定版】って出てるじゃない。
合冊版には【おまけ付き電子限定版】って表記されてるじゃない。
この「おまけ」の中身がなんなのか、具体的に書いておいて欲しい……。

盛大にうなだれたわ……
でもお話は良かったのは確か!!
なので満足!!!

たかぽ

私も上下巻別のを買って後から合本版の存在を知ってカラーイラストがあるならそっち買えば良かったーとうなだれた。
値段も同じなのよー。
高ければまだ己を納得させられたのに、同じ値段なんだもん。
でもとっても良いお話でしたね。

フランク

情報ありがとうございます!
先生のツィッターも拝見してたんですが、
合冊版には、特典としてカラーイラストのみしか、収録されていないのかと思ったので、電子描き下ろしを優先したのですが…
うわぁ、それなら合冊版のほうが電子限定描き下ろし漫画とカラーイラスト8ページどちらも収録されているってことですよね?
そっちにすれば良かった!

ななこ0301

合冊版、電子のおまけついてましたよ。
作家さん本人もツイートされてます

どんなカタチでも幸せであれ

下巻は、急加速で展開していきます。
明かされる真実、伊吹のバックグラウンド、舞花の思い、佑真と伊吹の気持ち……と。

伊吹が怯えていること。
それは、伊吹の本当の姿を知った舞花に突き放されること。
早く大人にならざるを得なかった伊吹が切なくて、大切な人を失ってきた伊吹だからこその不安に心が痛みます。
複雑な事情を抱えたままの子育ては、とても不安だったと思う。
そして真実を知っても尚、多くを語らず静かに伊吹を抱きしめ、受け入れる佑真の包容力には胸が熱くなりました。

作中通して問われるのは、「家族とは?」ということ。
両親が揃ってること?
男女であること?
血が繋がっていること?

家族の形にも子育ての形にも、正解はないと思う。
人が人を思う〝思いの強さ〟に感動しました。
特に、舞花の行動には泣かされた。
子どもは親をよく見ているし、大人が思っている以上に成長しているんだろうなぁ。
舞花が伊吹の幸せを願う姿に涙腺崩壊です。

繊細な心理描写が抜群だし、作品の雰囲気を壊すところが少しもない。
多くを語らない物語を語る、人物の表情や読者に悟らせる表現力が素晴らしいの一言!

全身全霊をかけて舞花を守ろうとする伊吹。
じゃあ、その伊吹を守るのは……?
伊吹を守りたいと思う佑真の気持ちが嬉しかった。
とても控えめな告白に真剣さを感じて、逆にグッときました。
 
籍を入れなくても、一緒に住まなくても、心が繋がっていれば家族でいられる。
それを教えてくれる素晴らしいラスト。
みんなで作る新しい家族の形。
それぞれの幸せを切に願う人々の姿に感極まりました。

Hはほんの少しなのですが、伊吹がこの上ない絶倫。
だけど、愛する人と繋がる安心感とハグの威力が性欲を超えていく。そんなところも、とても良かった。

とても心に残る作品です。
胸が温かくなる素敵な余韻に浸りました。

13

いびつという彼らの在り方

「話を…聞いてもらえますか 佑真さん」
という伊吹の台詞で締めくくられた上巻。

それに続き、下巻で伊吹の口から語られたのは
伊吹がまだ高校生だった頃に出会い、かつて彼が愛した人、
舞花の血の繋がった「お父さん」のことでした。

母と愛する人を失い、彼の元に残ったのはまだ幼い舞花だけでした。
若くして、なんて重いものを背負ってしまったのだろう…

香澄や佑真に出会うまでの間、伊吹がどれだけの息苦しさに、
どれだけの孤独に一人で耐えてきたのかと思うとやりきれません。

舞花との親子関係にしても世間からは理解されないと思い込み、
いつの日か、舞花にも真実を知られ、拒絶されるかもしれないと
怖れているのです。

その怯え方がもう不憫になるほどで…
こんなに頑張っているのになんで伊吹ばかりが悲しい思いをして、
報われないんだろうと伊吹の涙に心が引きずられかけたとき、
まっすぐ目を見据えて「大丈夫だよ」とそれだけ言って抱きしめた
佑真に初めて頼もしさを感じました。

伊吹と舞花の関係を否定することなく、黙って受け容れてくれる存在。
それこそ伊吹が求めていたもので、それを機に伊吹の中の佑真の存在は
ますます大きくなってゆきます。

そんな二人を見て、伊吹の恋心を見抜いた舞花は佑真の元へ向かいます。
「先生は…舞花のパパと結婚できますか…?」と問うてきた舞花に佑真は…

恋占いや佑真に直接気持ちを確認してみたり、
健気に、必死に父親の恋を実らせようとする舞花。
恋守りに込められた純粋なまでの父への想いに胸がぎゅっとなります。

無垢な子供ならではのまっすぐさ翻弄されてしまう大人たちですが
舞花の行動がなければ、この結末は迎えられなかったかもしれません。

悲しみも不安も全て曝け出して、ようやく「家族」になった「ボクら」。
「いびつ」という言葉は歪みを連想し、どこか背徳的な印象を受けますが
この物語で描かれる「いびつ」は一種の個性であるように感じられました。

家族ごとにそれぞれの「いびつさ」があって、それぞれ家族の在り方がある。
そこには血の繋がりも、戸籍も関係なく、あるのは幸せを願う気持ちだけ。

伊吹と舞花の親子関係がメインに描かれてきましたが、
最後の最後に明かされる香澄と佑真の間の意外な真実に、
家族を形作るものはその強い想いなんだなと救いを感じました。

家族に焦点が当てられ、置き忘れられていた二人の恋は
最終話で伊吹の口からでたうっかり告白でようやく決着へ。

無意識のうちに伊吹が語った未来予想図には
伊吹と舞花と共に佑真の姿がありました。
告白というよりもはやプロポーズかな?

それを受けての佑真の大人かつ大胆なお誘いにドキっとしてしまいます。
まるで「待て」状態だった犬がやっと「よし」を貰えたかのように激しく、
待った分だけ喜びや幸せがいっぱい詰まった二人の初めてのセックスでした。

最後はそれから時が経ち、15年後。
「特別な日」を迎える佑真と伊吹。
そこには成長した舞花、少し年をとった香澄の姿もあり、誰もが笑顔で、
二人の握り合う指に光る指輪に最大値の幸せを噛み締め、読み終えました。
どうか、みんな末永くお幸せに…

ものすごい読み応えでした。何度でも読みなおしたい。
そして、読み終えた後にはしばらくその重みと
その末に辿り着いた幸せに浸りたくなる作品でした。
一応完結はしたものの、またいつかこの家族の物語を読んでみたいなぁ。

11

少ない終盤のエロがスゴイ

下巻の最後のエロが良かったです。

見多先生のエロか大好きなのでもうもう、上巻色々ぐちぐち書いたけど大満足です。

感極まったところで始まる想いをぶつけ合うようなセックス。
ピアノ講師というのもこのエロの伏線だったのか‥!と頭抱えました。

あと、攻めのtintinに気になる個性があり、それが感動のストーリーを一瞬吹き飛ばすくらいスゴイ(個人的意見です)

こういうtintinの事情って実際あるんですか???私は初めて知ったので理解できるまで該当箇所を5回くらい読みました。

つまり、tintinの性能が半端ないってことなんですよね??

受けの後孔に攻めのtintinがギッチリと入っている絵があるのですがすごく良かった。なかなかこういうカットも他では見ない気がするんです‥
私は汁派ではないためか、攻めのがしっかり入っているということが確認できて心も満タンになりました。

もうもう、このキャラクターにこんな特徴入れるなんてやっぱり天才だなと思いました。

10

いびつなボクら

下巻はこれまでの過去がいっきに出てきます
辛くて重たいのですが、みんなが優しくてそこに救われます
イブキのルーツを知ると本当に幸せになってほしいと強く願います

幸せって何なんだろうと、シンプルな問いの答えは非常に複雑でけどこのお話はとても素敵にそして自然にその答えに辿り着いてくれました

ほんとに一気に泣きながら読みました
読み応えに大満足ですがやっぱりもっと読みたい気持ちもありながら
けど無駄な無い綺麗なラストでした

読み終わるのがもったいない素敵なお話でした

8

いびつだけど、幸せなお話

下巻は伊吹目線の伊吹の過去から始まります。
ネタバレなしで書くのは難しいですが、できるだけシンプルに。

伊吹には結構辛い過去があり、大切な人を二度もなくしています。
そう考えると、よく今まで一人で舞花を育てて来たなぁって…。仕事に育児に忙しくて恋なんて出来なかっただろうし。
もうきっとギリギリのところでずっとやってきたんだろうな、と想像すると辛くてね。
幸せはすぐそこにあるよって、もどかしかった。

そこへきて舞花が引き起こすハプニングで事態が大きく動き出し…。
佑真と母親のヒミツも明らかになり。このヒミツについてはそこまで詳しく描かれていないので、私の解釈で合っているのかは謎ですが。

この4人は家族で、家族じゃなくて、だけど家族より信頼し合ってお互いを尊重している関係だな、と。
苦労してきた人たちがこういう幸せを見つけられて、良かったと心がじわぁっと温まりました。

舞花の手紙でね泣きましたよ。自分チョロすぎですが、ホントこの手のお話に弱い。

本編で少し甘いのが足りないな〜って思ったでしょ?
書き下ろしと、電子限定の書き下ろしで少し補充できますよ。
あと知らずに上下巻セット買いしたのですが、セット買い特典として、カラーイラスト集付きでした。
素敵カラーイラストでしっかり癒されました♡

6

表紙にまず惹かれました

「好みじゃなかと」の見多ほむろさん。受けも攻めも体格同じくらいで両方「男」って感じの絵が私は好みです。評価も高いので絶対買わねばと思ってました。まず上下巻の2冊を横に並べるとあら不思議!素敵なイケメン2人のハグシーンが現れます。シリアスな表情だけどどっちもいい男。どっちが受けかしら?とまず最初にワクワクします。

受けの佑真は39歳のおじさん受けだった。でもBLのおじさんはちょっと顔にシワがあるくらいでスタイル良くて美中年なのでノープロブレム。最近30後半の年上受けの話にヒット作が多い気がする。仕事ができて大人の魅力も持ち合わせてる所が良い。しかし受けは7年暮らした恋人に理由もよくわからず出て行かれて…という最悪の状態から物語は始まります。

上巻では年下ワンコの攻めにときめいてしまうけど、「彼はノンケ。好きになっちゃいけない」と受けが必死に自分をセーブしてるのがBL特有の切なさで泣けた。しかし下巻に移ると攻めの過去も明かされ、若いのに受けよりよほど重いものを背負っている人だというのがわかります。

年下攻めって精神的には受けよりしっかりしてる人って話が多いけどこれは攻めの方が泣き虫でもろくて受けが守ってあげたいと思うようなキャラなのが、新鮮に感じられて良かったです。老女と少女が話のカギを握り大活躍するのでそういうのを許せる方はぜひ。

家族の縁の薄い人達が寄り添って、血縁よりも深い絆を作っていく、みたいなハートフルストーリーだと思います。

6

欠けた石はいつしか丸く。

愛し合いたい
なんて贅沢なことは言わない…
ただ隣で笑ってくれるだけでいいーーー
(下巻 帯より)

下巻の帯もイイ…(;///;)
号泣しました。

いろんな家族の在り方。
伊吹の過去、舞花の気持ち、見守る佑真。
そんでやっぱり頼もしいお母さん…!!(笑)
(さすが、長い人生経験を感じるわ)

上巻では絶妙に隠されてた事が一気に明るみにでます。
地雷がなければ下巻はネタバレ無しがオススメです。



(以下ネタバレ込みの感想注意)


上巻で伊吹もゲイかな?とは思ったんだけど、想像以上に重いモノを背負ってて泣けました。1人で子育てしている物理的なしんどさだけじゃなく、『舞花の成長が怖い』と吐露した意味がわかると苦しい。

過去にやってきたことが子供の知恵というか…そんな危ないことしないで、周囲の大人に頼って、まだ高校生の子がなんで…と当時の伊吹の必死さにハラハラしてしまう。そうやって頼ることを知らずに生きている伊吹が初めて出会った"頼れる大人"。その人と過ごした時間。若いときからなんて悲しい経験をしてきたんだろうと泣けました。

なので伊吹の話を聞き終えた佑真が抱きしめてくれてホッとしました。

普通の家族じゃない歪さが一番怖くて不安で。
何よりも大丈夫だよって肯定してほしかった。

序盤の伊吹の完璧さの理由はここにあったんだろうな~と思うと切ない気持ちになります。逆立ちしても出来ないことは仕方ないけれど、出来ることは完璧に普通の家族を築かなきゃと肩肘張って生きてきたのかなぁ…と。

舞花にしてあげられることは全部してあげたい。
舞花を立派に育てる責任もある。
頼りたい、頼れない、怖い、ツラい。

そんな苦しさは佑真が抱きしめた瞬間にスッと楽になったように見えて、ただただ号泣なんですよ~~~(;ω;)伊吹にとって2度目の"頼ってイイ大人"で。あああ、良かったね、良かったね(号泣)となるんですが…。

この期に及んで佑真め~~~( `д´)⊂彡☆))Д´) パーン

いやいや、臆病がすぎるんでないかい…?となるんだけど、これ上巻で佑真自身も自認してたやつですね。「浅くゆるく踏み込まない僕の人間性」。ほんともうここで発揮しないで!!!!(焦れったいもどかしい~~(ジタバタ))さすがに最後はカッコよく決めてくれて安心しました。

後半は伊吹と舞花の親子関係でも号泣。
(家族モノにトコトン弱いので…)

あれですね。
尖ってた石がぶつかってぶつかって丸くなるやつ。

欠けてるから歪だと伊吹は思ってたみたいだけど、そんなことない。すごく綺麗でまぁるい家族の物語がとても良かったです。簡単に上手くいかないし失敗もあったけれど、ぶつかってケンカして泣いて、歪でもなんでもない普通の家族です。そして伊吹と佑真も普通の夫夫です。優しさに包まれたラストに、前半の悲しみが浄化された気分になりました。

家族関係が軸になっていますが、ラブ面もしっかり♡佑真の誘い方が『THE・大人』で色っぽくてドキドキしました(∩´///`∩)普段は父親の顔をしている伊吹が、佑真と2人っきりになると『年下の可愛い男』の顔になっちゃうのニヤニヤするんですよーーー!!!これ、めっちゃ萌えた!!!上下巻あわせて1回だけのエロなんですが、たった1回の満足度はプライスレス…!!(描き下ろしは事後の様子でこれまた( ´艸`) ニヨニヨ)

家族になっていく愛の物語が刺さる作品でした。
コレしか言えない、ほんと良かった。

5

家族のカタチ。

ピアノ講師をしている主人公・佑真。
彼を女手一つで育て上げた母親の香澄。
シングルファーザーの伊吹。
その娘の舞花。
いよいよ物語のクライマックスを迎える下巻です。
このストーリーを
「とても小さく 普通で ありふれた物語」
と形容する先生のセンスに痺れる!!
上下巻あわせて、とても素敵な作品でした。

舞花には「パパ」と「お父さん」がいる――
と判明した上巻のラスト。
下巻はまず伊吹の学生時代の回想から始まります。
そこから、伊吹と舞花の今の関係になるまでを時系列順に追っていくのですが…

伊吹の過去、そして今抱えているもの。
それは想像していたよりずっと重たいもので。
やるせない…(涙)
もし自分が気になっている相手からこんな話を打ち明けられたら?
正直、わたしは何も言ってあげられないかもしれない。
だけど佑真は違いました。
真っ直ぐな眼差しで、たったひと言で、優しい腕で、ぎゅー…っと伊吹を包み込んでしまうのです。
ただただ、ふたりが出会えて本当によかったと思いました。

わたしはもともと脇役が主人公たちを語る場面が好きなので、病院の屋上でのこと、大人になった舞花からの手紙が胸に滲みました。
佑真と伊吹が好き合ってるのは揺るがない事実だけど、それが他の人の目にも映るって素敵だなぁと思うのです。
赤の他人ではなく、大切な娘の目だから尚更に。
もしもこの先誰かに「いびつ」だと非難されることがあったとしても、彼らはずーっと温かい家族のカタチで結ばれたままなんだろうなと感じられる感動的なラストでした。

家族愛がテーマで、ストーリー重視の作品なのですが、濡れ場も素晴らしかったです。
悲しいことに上巻ではモブとのシーンしか無かったんですよね。
うーん、そろそろ幸せなふたりが見たいぞと焦れてきたあたりで、とびきり甘い展開があるわけです。
セックスそのものというより、ベッドインするまでのやり取りが最高でした。
まず、佑真の誘い方。
あの色気はなんなんだ…?
しとやかという言葉がしっくり。
色気たっぷりだけど下品さは全然ないのです。
それに対する伊吹の応え方も、健気できゅんとします。
そっと手に触れ、頬に触れさせる仕草にすごく気持ちがこもっている感じがしました。
そろそろヤらせとくか〜みたいなとってつけたような濡れ場ではなく、欲よりも愛が伝わってきてすごく良かったです。

5

幸せは誰のもとにも。

まずは、本当に素敵な作品に出会えてよかった、というストレートな感想を言いたいです。

伊吹の過去は壮絶で、乗り越えるにはあまりに辛く…舞花を守り育てる、という気持ちがなければ、いま現在の彼は立っていられなかったのではないかと思います。
伊吹の「どうか許されたい」という言葉には全てが詰まっている気がして、息をのんでページをめくりました。
佑馬の暖かな眼差しにはすでに、言葉以上のものが浮かんでいて胸が熱くなりました…!

素敵なシーンは数えきれないほどあります。
「もう君の前で堂々と心配もしていいんだな…」と言葉でつたえているときの佑馬の心の内側…!!感動です。
いいところがありすぎて書ききれません。読んだら心に暖かさがたくさん積もっていきました。
ふたりのハッピーエンドならば上巻冒頭のティータイムで着地、でも良かったと思いますがやはり舞花あっての物語ですから、大人になった舞花の気持ちまで描かれていて話としてストンと落ちた気がしました。

本当に素敵な作品に出会えてよかったです。
感情移入しすぎてしまったので、また少し間をあけて読み直したいと思います(笑)

5

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