ラブシーン

love scene

ラブシーン
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×27
  • 萌8
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
8
得点
88
評価数
24
平均
3.8 / 5
神率
29.2%
著者
水壬楓子 

作家さんの新作発表
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イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
ラブシーン
発売日
価格
¥855(税抜)  
ISBN
9784344807334

あらすじ

シャープに整った容貌の人気俳優・瀬野千波と、時代劇役者の片山依光は同居人兼セックスフレンド。
二人の関係は、つきあっていた男に千波が手酷く捨てられた6年前から続いている。
甘やかしてくれる依光を本当の恋人のように思えることもあるが、失恋の傷は深く、千波は本気の恋を恐れていた。
そんな折、千波に映画出演の話が舞いこむ。
好きな監督の作品だったので喜んで出演を決めた千波だが、千波を捨てた男・谷脇も出演が決まっていて―。

表題作ラブシーン

片山依光,切られ役の俳優,30歳
瀬野千波,俳優,27歳

同時収録作品ラブシーン SCENE2

片山依光
瀬野千波

その他の収録作品

  • ラブシーン SCENE1
  • あとがき

レビュー投稿数8

神だけど萌じゃない。

BLに癒されたいと思って読む方にはオススメ出来ません。酷い目にあいます。受も、読み手も。
でも面白い。やっぱり水壬さんは私にささる。
水壬さんにはまり、過去作を爆買いした中の一冊で、事前情報は何もなく、裏のあらすじさえも読まずに軽い気持ちで読み始めた私…。一昔前のライトなテイストの表紙に予想を裏切られました。でも嫌じゃない。
必ず、続きである「クランクイン」とセットで読んでほしい。こちらだけだと消化不良。クランクインまで読んで、完結。
色々と重すぎて萌という軽い言葉では表せない作品でした。

2

攻めの強さ

シリーズとは気づかず、図書館で先にファイナルカットを借りてしまったので、作中に出てくる木佐監督の息子CPに興味を持って最初から借りてくることに。

一作目となるこちらは、攻めの依光と受けの千波が出来上がってる(千波はセフレとか同情的な捉え方してますが)とこから始まります。
千波に寄り添う依光は冒頭から読み手にはダダ漏れな愛情を持ってるんですが、過去の痛い恋愛から千波は依光に依存したくないと頑な。

千波に映画出演の話が出ますが、何と手痛い振られ方をした元彼が共演者で…(ここの部分がファイナルカットとリンクしています)木佐監督の采配で大団円をむかえるんですが、逆恨みした元彼が千波を複数人でレイプし、動画を流すという最悪の事態に。
ここのシーンは、苦手な方もいると思うので、ご注意を。そんなに激しい書き方ではないですが(もっと強め、の作品は山ほどあるので)、ダメな方はそこはすっ飛ばしてもお話自体は成り立ちます。

そんな中でも依光は千波に寄り添い、我慢強くサポートします。周囲にも恵まれ、立ち直っていく千波は強い!依光の支えがあるからなんですが。

この2冊のお話だけでも、スケール感が大きくて水壬楓子さんの良さがよくわかります。
さて、次のクランクインを読みます〜

2

痛さてんこ盛り・・・でも私にとっては『痛い作品』ではない。

私の感想としては、ある意味レビュータイトルがすべてと言えるかもしれません。

私はとにかく『痛い』作品が苦手です。読む前にわかれば確実に回避します。ただ、『痛い』と言われる作品を読む(私からしたらそうではないように思えるので読んでみる)たびに感じるのですが、私の『痛い作品』の捉え方は、一般的なもの(それこそレビューなど)とはどうも違うようです。

これもそうです。『痛さ』は山盛りです。そこを否定する気はまったくありません。痛いです。大変に痛いシーンやエピソードの嵐です。
でも、作品としては、私の『痛い作品』の範疇には入らないんです(私基準で、『あとに引き摺って浮上できない』種類の痛さではないってことです)。

私は『ハッピーエンド至上主義』で、『王道』も『あまあま』も大好物、基本的にヌルイ好みかもしれませんが、それ以外がダメなわけではないんです。最終的にきちんとハッピーエンドなら、大抵のことは許容できますね。

こちらも、読んでる最中はかなり『どよ~ん』と来ますし、気持ちに余裕のないときには絶対に読みません。でも、読み終わったらそこで自分として区切りをつけられるんです。つまり、読んでる最中の辛かったり痛かったり哀しかったりを、本を閉じた後まで引き摺らないってことです。←これができれば、私にとっては『痛い作品』ではないんですね。

ただ、作中のすべてを『これでよかった』と感じているわけでもないんです。
依光の『判断』は、私個人の感覚でアリか?と訊かれれば、イヤないだろ、としか言えません。でも、その行為の是非はともかくとして、『もう書かれてしまった作品』に対してなら、私はこれもよかったと思っています(ある意味『諦め』入り)。

痛さ・鬼畜さが目的じゃない(たとえ同じようなシーン・描写だとしても、これが私にとって非常に重要)、大変『愛情』溢れる作品だったと感じました。

仮定の話についてもっと言えば、千波が複数に襲われるのまではなんとか飲み込めても、その画像を流す、というのはやり過ぎというのが本音です。もちろん、作中の行為としてではなく(そこは是非を問うまでもない)、それを小説として書くこと、です。
でも、これがないとあの『ラブシーン』には繋がらないのは確かですからね。

私はもともと『陵辱・強姦』は苦手です。とりわけ攻から(所謂『無理矢理から始まるってヤツ』)はまったく受け付けません。キライなシチュエーションのトップに来るんじゃないかというくらいに。

でも、攻以外の第三者(たち)からは、もちろんまったく好みではないものの、攻の愛情あるフォローさえあれば、意外とすんなり読めるんですよね。
だからと言って平気ではないですよ。読み返すたびになんとも気が重いのは確かです。

それでも、他の作家さんの『無理矢理から始まるラブ』の作品のレビューでも、『第三者からの方がマシなんじゃないか』と書いたんですが、この作品を読むたびにホントにそうだと感じます。

私は、シリーズの中でこのCP(依光×千波)がいちばん好きですし、それぞれのキャラクターも大好きです。依光、なんでこんなにカッコいいんだよ!惚れたらどうしてくれる!←いや、どうって・・・・

依光は、常に攻には厳しい私が、ホントに好きだと思う数少ないキャラクターのひとりです。依光のインパクトが強過ぎて、千波のキャラクターが霞むな~とは感じましたが、千波もやっぱり好きですね。

読み終わって、あ~よかった、千波幸せになってね、と簡単に言えるものではない、なんとも重すぎるストーリーです。

でも、作品としては私はかなり好きです。

10

メンタルに重く響く

内容は、「ラブシーン」の「SCENE 1」と「SCENE 2」で構成されています。
そして、何と言っても圧巻なのが「SCENE 2」の方。
もう読んでて痛くて、辛くて、涙が浮かんできてしまった…

「ラブシーン SCENE 1」
俳優同士のカップル・依光と千波。
依光は時代劇の特に斬られ役として頑張っている30才、千波は連ドラの準主役に抜擢されてから若手の有望株と称されている27才。
2人は実際はカップルというよりはセフレ的な関係で、売れている千波が依光を部屋に住まわせ、依光が家事を担当したり千波にマッサージしたり。何より千波が同じ劇団にいた売れっ子俳優に捨てられて荒れていた所を体でも慰めてくれた存在だった…
「SCENE 1」では別れてから初めて映画で共演することになった前の恋人・谷脇にいちいち嫌がらせをされ、ついにレイプ未遂に遭う、という話になっています。
危ないところで助けに入ってくるのが依光。
この映画というのが次作「ファイナルカット」で語られる木佐監督の「トータル・ゼロ」であり、依光は実は木佐の実子であり、降板した谷脇を押しのけて依光が代役になる、というところまで。
ところが、この事件が後々まで響くことになる…という部分が「SCENE 2」に続きます。

「ラブシーン SCENE 2」
映画「トータル・ゼロ」で新境地を開こうとしている千波だったが。
谷脇はずっと千波と依光を狙っていたんでしょうね…
千波を拉致し、薬物を打ち、仲間と共に輪姦して、それを録画・配信する。
依光と依光のマネージャー・花戸が気付いて削除はしたけれど、時は既に遅く。
この痛々しさ…
こんな事が、こんな犯罪が、面白おかしく起こされていいんだろうか。
本当に胸が痛くて、読むのも苦しくて。
依光は全身全霊で千波を支え、守ろうとしますが、千波は屈辱・恥辱に耐えかねて自殺を図り…
そんな千波に、依光が起こす行動は…
これはもう驚きでした。
木佐のカメラの前で依光が千波を抱く。そして何もかも晒して、その時の顔も晒して、本当に好きな男とのセックスで感じている千波と強姦されて配信された時の千波とは違う事を見せようとするんですね…
こんな愛し方があるのか…
こんな想い方があるのか…
胸をつかれました。
千波はやはり心情的にも復帰はできず、アメリカに渡る事になります。それでも依光の大きな愛情で少しずつでも立ち直っていける、いってほしい、そう思います。

3

一種の超展開

整った容貌を持つ人気俳優の千波は劇団時代からのつきあいの時代劇役者、依光と同居人兼セックスフレンドという関係。
お互いの仕事の関係でなかなかあうことのできない二人だが、自分を甘やかしてくれる依光を恋人のように感じる瞬間もあった。けれどかつての失恋の疵を抱える千波は本気になることを恐れているところがあった。
そんあ時、ある映画出演を機にかつて千波を捨てた男・谷脇と再会するが……

大部屋俳優×人気俳優。
中盤以降突然ものすごく重くて痛い展開になってびっくりした。
色々あって千波が薬漬けにされてやられちゃっている動画が流出。そこからスキャンダルに発展して、人気俳優だった千波はメディアに追われて大変なことに……
痛い。そして辛い。
ショック療法とはいえここまでやるかなラスト(DVD撮影)には驚いたけれどこのぶっ飛びっぷりは嫌いじゃないです。
依光男前すぎだろ。
千波ともっともっと幸せになればいいと思った。

6

ひどい男とおおきな男。

俳優・片山依光(30)×俳優・瀬野千波(27)

年齢的には依光の方が上なんだけど、同劇団に入ってた頃からの付き合いで劇団歴的には千波の方が先輩。
当時、千波は劇団員の谷脇と付き合ってて。
谷脇に手ひどく振られたのを機に依光と関係を持つように。
そこには恋愛感情はなくて身体だけの大人な関係。
駆け出しの役者だったせいもあってお金もないので千波のマンションに同居して6年が経過していた。
大好きな監督の映画に出演することが決まった千波。
その現場で、谷脇と再会し、嫌がらせを受けるようになって…。

とりあえず、谷脇が嫌なやつです。
共演することをきっかけに始まった周りにはわからないような些細な嫌がらせは、最終的には千波を襲うことにまで及んで。
用意周到に男2人も巻き込んでカメラまで回して。
なんてことを!
ギリ指つっこまれたところで助け出されて、カメラも壊されるわけですが、ヒドイ。
昔付き合ってたはずなのに当時から愛情はなかったようで今回も愛情ゆえに及んだわけではないし。
なんとか助かってよかったー。

と思ってたらSCENE2の方で更にひどいことに!!

結局、谷脇は↑上の騒動のせいで降板して、代わりに依光がやることになるんだけども。
その完成披露記者発表の日に事件は起こります。

谷脇、再び千波拉致!
薬打って朦朧とした状態で襲われる千波。
数人で襲ってるムービーが依光のケータイに送られてきて。
今回はばっちり最後までやられちゃってるし、まわされちゃってるし。
更にはネットにも流出して。

当然、千波は芸能生命を追われるような状態に陥ってしまう。
依光はそれを献身的に支えようとするんだけども、それさえ千波にはいつしか煩わしくなってきて。
千波を庇うことで依光の芸能生命も危ぶまれるのではと考えた千波は苦しくて…。

谷脇のやることの酷さにどんだけ憎悪してんだよ!と思わなくもなかったんですが、それだけ千波の才能に嫉妬したり、依光のやったことにプライドを踏み躙られた感があったのかなと思うと、ある意味、人を見る目だけはあったのかなとか思ってみたり。
それでも、当然許せるような行為ではなりませんが。

依光はそれこそ谷脇と千波が付き合ってる頃から見てきて、千波が傷つくところとかも見てるから、もう傷つかないように守ってやろうとずっと思ってやってきてるんだけども。
結局は一番大事な時に助けられなかったことに涙を流したり。

それでも最後の最後に打開策というか依光がとった行動がまた意外で。
逃げないでお互いに正々堂々と立ち向かっていくことにするわけだけども。
それでもあんなことを思いつく人は早々いないと思うし、ましてや自分の恋人のそんな姿をあんなふうに扱えるなんて大きな人だなーと。

3

面白いけど痛過ぎる

このシリーズはまとめて購入したのですが、一作目のこちらが一番面白く感じました。
ただ、ひじょうに痛いシーンあり!!なので、読み返したりは出来ませんが。
これはかなり好き嫌いがわかれますね。

受けは人気俳優のツンデレ千波。
攻めは売れない時代劇俳優のワイルド依光。
ふたりはくされ縁です。
千波の家に依光は同居させてもらう代わりに家事をしたりセフレとしてつきあっていますが、依光は昔から千波一筋。
千波も依光をじゃけんにしながらも、精神的に依存しています。
セフレという関係としてつきあっているものの、愛があるので嫌な感じはまったくありません。

前半はふたりが恋人として出来上がるまでのお話で、後半は千波の昔の彼氏で俳優の谷脇がからんだお話となります。
この後半のお話がね……

谷脇は「死ね!」と言いたくなるほど最低人間として描かれています。
わたし、こんな嫌な奴をBLで読むのは初めてでした。
ひじょうにこの人物のせいで、読後感が悪いです。
谷脇効果で依光の株は、ぐーんとアップしたと思いますよ。
傷ついた千波を献身的に支え、ラストも「マジすか?」という提案で読者をあっと言わせてくれましたし。
しかーし、このラストの決着のさせ方も賛否わかれますね。

3

恐る恐る読みました…。

『ハッピーエンド』でシリーズが完結したため、一気に読み返しキャンペーン中ですが、じつはこのお話だけ、シリーズ1話目にも関わらず読んでいませんでした。
レビューが痛すぎるんだもん><

けど、思い切って読んでみました。
レビュー通り……痛い……、私にはちょっと、耐えられない種類の痛みで、読んでいてキツかったです。

そっかぁ。これがあの、毎回毎回どのお話でも必ず「千波の過去のスキャンダル」として語られるエピソードかぁ……。
内容はレビューを読んでいたので知っていましたが、やっぱり実際に小説として読むとヒドさがグサグサ来ますね。

特に2度目は最後までやられちゃうので、ホントに嫌でした。
これ、依光目線だからまだなんとか頑張って読めたけど、千波目線だったら私は耐えられず読むのやめてたと思います。

なんでアイツはあんなんなんだ?
どんだけ酷い男なんだ!
原因が愛情とかならまだギリで読めたんですが、なにせアレなんで、ホントどんだけ小者なガキだ!と腹が立ってしかたない!

その後の千波の落ち方も、本当に胸が痛かったです。
思いつめるよね、この先ず~っと、何万人って変態のおかずにされ続けるなんて想像しちゃうと。
なにもここまでの悪者を作らなくても良いだろう…と言いたくなってしまいます。

ただ、あの解決法は…アリ?かなあ?
私的には「ナシ」だなあ…。

あれを千波の素顔だと思われたくないという依光の気持ちはわかんなくはないんですが、本来恋人以外に晒す姿じゃないからね。
「恋人との本番」を商品として流すことに、言葉ほどの美しさを感じませんでした。
世の中イイヒトばっかじゃないよ。
風評に「見られたがりのスキモノ」って尾ヒレをつけかねない綱渡りだったと思うし、実際そういう目で見ているメディアや人も多いはず。

なにより、いきなり部屋にマットレスとシーツとカメラと木佐監督じゃ、怖いだろ!
トラウマの克服としても、世間への答えとしても、とても依光の独りよがりだった気がします。
それだけ千波の底の強さを信じていて、依光自身どんなことがあっても支えてあげられるという自信を持っているのでしょうね。

けど、全体を通してやっぱり、痛い中に優しさとかがあるお話だったと思います。
野田が千波に電話をかけてくれたシーン、とても短い会話だったけど、ここでホロッときました。

2

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