アラビアン・スイートキス ~蒼穹王の花嫁~

Arabian sweet kiss

アラビアン・スイートキス ~蒼穹王の花嫁~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×218
  • 萌11
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
9
得点
131
評価数
35
平均
3.8 / 5
神率
14.3%
著者
ゆりの菜櫻 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
アラビアン・プロポーズ~獅子王の花嫁~
発売日
価格
¥800(税抜)  
ISBN
9784065192672

あらすじ

捜査官の理人は、FBIの研修で熱砂の国の美丈夫アシュラフに出会う。デルアン王国の陸軍少尉である彼は、強烈なオーラと色香を持ち、ところ構わず理人を口説いてくる相棒だった。しかし、ある事件に巻き込まれた理人は、心的外傷を負い捜査官を辞めることに。そんな理人に、アシュラフは王国で自分の補佐をしないかと誘ってくれた。胸の高鳴りを覚える理人だが、実は彼はただの将校ではなく王子だと知り――。

表題作アラビアン・スイートキス ~蒼穹王の花嫁~

アシュラフ・ビン・サダル,27歳,デルアン王国陸軍少尉
理人・K・ハミルトン,27歳,日米ハーフの元FBI捜査官

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数9

トラウマを乗り越えてー胸熱アラビア物語

ゆりの先生のアラビアンシリーズ、第4弾。「プロポーズ」「ウェディング」「ロマンス」に続く4作目ですね。
順番をきちんと把握しておらず、「ロマンス」を飛ばして読んでしまったのですが…順番が違っても問題なく読めました◎
3作目もこれから読みます!
今作にはアルディーン×晴希カップルが出てきてなんだか懐かしく(読んだのは結構最近なのですが;)、微笑ましかった〜
晴希が今作の受けである理人を宥めるシーンがあり、登場は短いけれど重要な役どころ。

こちら、意外と神評価少ないのかな…?
溺愛攻め大好きな私にはめちゃめちゃ刺さる作品で、”溺愛の海”に溺れ萌え転がりましたよ(*´꒳`*)

今作はデルアン王国の陸軍少尉でもあり、第四王子でもあるアシュラフ × 元FBI捜査官の理人のカップリング。
二人はFBIのアカデミーでバディとしてタッグを組んだ仲。
FBIからの要請で、アシュラフは王子という身分を隠していたため、理人は物語終盤まで、アシュラフが王子であることを知らないんですね。
理人ぐらい優秀でプロファイリングに長けた人なら、アシュラフの正体と彼の恋情に気付かなきゃダメじゃーん!とも思うのですが、そこはまあ物語ですしね( ̄▽ ̄)
アカデミーで理人に一目惚れしたアシュラフは、日々理人を甘く口説き、常に理人のそばを離れず「アシュラフ・セキュリティ発動」なんて呼ばれています笑
忠犬アシュ公。。萌え❤︎

ところがある日、二人で食事に出かけたところ銀行強盗事件に遭遇。その現場で犯人に撃たれそうになったアシュラフを庇い、理人は怪我を負ってしまいます。
アシュラフは国の命令で急遽帰国しなければならなくなり、理人の全快前に帰国。
そして理人は事件が原因でPTSDを発症し、銃口を見ると体が動かなくなり、失神してしまうようになり、FBIを退職するのです。
その後、しばらく休暇を取ろうと、一年前共にアカデミーで切磋琢磨し合ったアシュレイの国を訪れるのですが、降り立った空港で偶然アシュラフと再会しー

と続きます。


自分のせいで怪我を負い、PTSDに苦しめられている理人のことを、もう二度と傷つけない、絶対に自分が守ってみせると決意して動くアシュラフの想いが胸熱!
そして理人の方も守られるだけでなく、苦しみを克服し、終盤では戦闘で自らを奮い立たせ、トラウマを乗り越えていくのです。
個人的に”守られる”受けよりも、精神的・肉体的に強い受けが好きなので、理人が懸命にトラウマを乗り越えていく様子に胸を打たれました。
アシュラフから注がれる正直で真っ直ぐで一途な愛に真摯に応える理人も格好良かった✨

安心安定の攻めの溺愛、戦う男達、トラウマを乗り越える姿ー
そういったものに胸熱くなる、素敵なアラビア物語でした( ˘ᵕ˘ )

0

今回はうっとりしちゃう、ため息もののロマンチックアラブ

架空の砂漠の国「デルアン王国」の王族と、日系美人の恋愛を綴ったアラビアンシリーズ第4弾で、今回は第四王子と元FBI捜査官の再会ラブになります。
今作だけで問題無く読めるんですけど、シリーズ中の他カップルがちょこちょこ出てくるので、既読だとより面白いと思います。

それにしても、デルアン王国の王族達は次々と男ばかり伴侶にしちゃって、跡継ぎとか大丈夫なんでしょうかね。
しかも「側室!? あり得ない。私はお前ひとすじだ!」みたいな受けにメロメロな王子ばかりですよ。
まぁ、ダース単位で王子がゴロゴロしてそうだから問題ないか。


FBIアカデミーで共に研修を受け、これまでにない特別なものを感じあった二人。
しかし、その最中に銀行強盗事件に巻き込まれ、アシュラフと子供を庇った理人は重傷を負ってしまいます。
そのまま、国から帰還命令が出たアシュラフはアメリカを去り、二人は離ればなれに。
そして一年後ー。
この事件でPTSDを発症してFBIを辞めた理人は、アシュラフの祖国・デルアン王国を旅行で訪れてー・・・と言うお話になります。

ゆりの先生と言うと、執着溺愛攻めが見初めた受けを手に入れようと、あの手この手で絡めとるお話みたいなイメージが強いんですけど。
今回もまさにそのパターンなんですよね。
一度は離ればなれになったからこそ、今度は絶対手に入れるとばかりに用意周到に囲い込む。

実はアカデミーでの彼ですが、王族の身分を隠して陸軍少尉として参加してたんですよね。
で、アシュラフを王族だと知らないままの理人に、少尉である自分の補佐となってくれるようにアプローチする。
そう、まずはデルアンで職に就いてもらい、そのままじっくり理人の心を手に入れるぜ的な。
二人の心が通じ合い、理人に去られる危険が無くなってから、本当の事(王族だと言う事)を打ち明けるぜ!的な。

いや、アカデミーで少尉として出会ってる為、今更王族だと言えないややこしい状態でして。
で、この事がバレないように腹心まで巻き込んで小芝居を打ってるのが楽しいなら、逆に利用して、理人と新婚さながらの甘々生活を送るのにも笑ってしまう。
えーと、アシュラフが第四王子の影武者をする事になったので、理人は護衛役をしてくれ!とか真面目くさって言い出し、「護衛なんだから」と同じ部屋で一緒に眠るみたいな感じなんですけど。

これ、主役二人の両視点で進む所が上手いんですよね。
全て分かってる読者としては、「自分の影武者って何だよ!」とニヤニヤが止まらなかったりするんですけど。

う~ん・・・。
またこちら、とにかく攻めが可愛いんですよ。
私は受けに感情移入して読む事が多いんですけど、今回に限っては、やたらアシュラフに肩入れしちゃって。
アシュラフですが、結構な腹黒で執着系でありながら、同時にすごく一途で健気でもあるんですよね。
一年前に理人を諦めたのは、FBI捜査官として自分の夢を追う彼を思っての事でして。
王族としての責任と、愛する人の幸せを考えた結果、張り裂けそうな気持ちを味わいながらも諦めるしなかったんですよね。
こう、自分の気持ちを押し殺して、遠くから見守ると決意した。
だからこそ、今回、浮かれ気味に様々な策略を練ってようと、なんか応援したくなってしまう。
いや、理人は理人で、責任感が強くて真っ直ぐで、ちょいお人好しな所まで魅力的なんですけど。
ついでに、最初こそアシュラフへの想いを自覚していなかった理人。
彼の心情の変化がじっくり丁寧に語られるのにも、萌えたんですけど。

ちなみに、そんな二人の恋模様を彩る、とてもロマンチックなエピソードの数々も素敵でした。
砂漠でのベドウィン式ティータイムしかり、戦闘機に乗って成層圏でのプロポーズしかり。
うっとりしちゃうじゃないかよ・・・。

ところで、理人のPTSDの件ですけど。
彼が本当に恐れていたものに気付いた事で、克服します。
これ、トラウマってそんな簡単なものじゃ無い気もするけど、個人的には感動したので良しとしたい。
そう、愛の力は偉大なのです。

14

受けを溺愛し過ぎるアラビアン王子に萌♡

アラビアン・シリーズ第4弾ということですが、前作未読の私も問題なく読めました。

美丈夫のアラビアン王子・アシュラフと、美人FBI捜査官・理人のロマンチックラブストーリーです♡
ハイスペック王子攻めにトコトン溺愛される美人受けを堪能するお話になっております。

FBIのプロファイリング研修で出会った二人。
アシュラフが初っ端からラブアピール全開です。
【姫と番犬】【アシュラフ・セキュリティ】と呼ばれるほど、
アシュラフが理人に寄り添い、お邪魔虫達から守り抜きます。
本人にもストーカーの自覚ありです^^;
とにかく、アシュラフの愛が大きく、大富豪なので懐も豊か!

ある事件をきっかけにFBIを辞めた理人は、アシュラフの補佐としてデルアン王国で職につきます。
ここでも、アシュラフが王子という身分を隠して、理人の囲い込みに必死(笑)
そんなアシュラフの愛に、理人が絆されていくーーという展開。

理人が乙女♡
好きかも?まさか?みたいな感じで、頭抱えちゃってる姿が可愛いの^^

ラクダに乗って出かけた砂漠でのコーヒーブレイク、
ロマンチックなプロポーズ。
そして、婚約指輪は、サファイアをくり抜いた指輪!
サファイアが付いた指輪じゃないですよ!
サファイアが指輪なの‼︎これには驚いた。うらやま(笑)
アラブの大富豪感が嫌ってほど満喫できるのも良き♡

手を出したくても我慢したアシュラフは、理人と最後の最後に結ばれます。
アシユラフ良かったね〜って感じ♡

SSペーパーのFBI模擬訓練も笑いました。
訓練中も愛を囁くアシュラフーーそして、失敗するミッション(笑)
全体的にロマンチックでありながら、二人のやりとりがコミカルなのが楽しいんですよね〜♪

愛の力でPTSDを乗り越える理人や、ロケットランチャーをぶっ放すアシュラフ。
二人の砂漠での共闘はワクワクドキドキ。
ラブだけでなく、雰囲気あり・見所ありの作品でした。
読後は幸せな気持ちに浸れる事間違いなしです!

5

今回も策士

今回の作品の攻めのアシュラフもかなりの策士でした。
そして元FBIでプロファイリングを学んでいた筈の理人が、またまた鈍かったです。

このシリーズはアラビアンウェディングだけ読んだ事があるのですが、アルディーンと伴侶の晴希が登場するので読んだ方が分かりやすいと思います。でも他作品は未読でも全然楽しめます。

ずっとアシュラフに騙されていたのにすんなり受け入れた理人も、ハッキリと気持ちを確信したのは再会してからでした。実はFBIの研修当時から好きだったみたいです。鈍いのも可愛いのです。

とにかくアシュラフの理人に対する溺愛振りが凄いです。戦闘機で成層圏でプロポーズしてました。さすがアラブの王族でスケールが違います。庶民の私は一回飛ばす値段を考えてしまいました。ww
宝石をくり抜いて作らせた恐ろしい値段のお揃いの指輪とか、アシュラフは意外にロマンチストでした。

最強のカップルが誕生してデルアン王国のこれからは安泰ですね。

2

スイートキス

シリーズ4作目。ですが順番を間違えて6番目に読みました。シリーズ物をこんなにちゃんと読んだのは初めてです。

今回は受け理人がFBIということもあって、守られるばかりじゃなく割と対等な親友っぽくもあり。まあアシュラフの身分を知らなかったのもあるのですが。

理人を想って身を引いたアシュラフでしたが(FBIはアメリカのお仕事だから)、辞めてきた理人をもう二度と離さない!と嘘をつきまくって。
なんだかすっかり騙されて真面目にやってる理人が気の毒で、そこが残念ポイントでした。

理人がデルアン王国に来たからには必ず手に入れる!二度と離さない!と嘘をついたり口説くアシュラフ。
戦闘場面では背中を守り合うのが良かったですね。

シリーズ通して思ったのは、この一族というか義兄弟が
受けと離れ離れでもボディーガードをつけて行動を把握。
国には秘伝の催淫剤がある。
巨根。
執念深くて受けの退路を塞ぎ手に入れようとする。

好きなんですが、なんか萌えきれず。受けが全体的に受け受けしいというか、お話が乙女受けしそうな設定展開というか。

でもシリーズなので他のカップルのお話に別のカップルが出てきて、恋の応援をしたりするのはとっても良かったです。

0

スパダリ感が消える前に

2020年は世の中の理が大きく変わるかもしれない年でございまして、個人的見解ですが「ひょっとしたらアラブの王族がスバダリという定義から転げ落ちちゃうかもしれない」と思っております。
リアル社会から『東側』というものが消えると、フィクションの世界も一気に違う風になっちゃった経験から「今がアラブの読み時!」と勝手に思っております。

シリーズものですが前作が未読でも楽しめます。

主人公の2人はFBIアカデミーでプロファイリング研修を一緒に受けたという関係です。研修終了直前に銀行強盗事件に巻き込まれた結果、互いに連絡先すら知らないままにアシュラフは帰国し理人はFBIの仕事に戻りました。
その後、理人は銃撃されたことによるPTSDに苦しみFBIを退職します。傷ついた心を癒すための旅行で訪れたアシュラフの祖国の空港で、理人はアシュラフと再会しますが……

アラブものの醍醐味って『王さまが受けさんに夢中で馬鹿みたい』って所なんだと思います。
アシュラフって正しくそんな感じ。
それも、監禁したり金で買ったりとかではないのよね。
理人そのものを大切にしているのが良く解る。
その辺は読んでてとても気分が良かったです。

超スパダリにこれほど愛される受け……『このキャラクターが魅力的に感じるかどうか』が、お話にハマるかどうかを決めると思うのです。
正義感が強く一生懸命な理人は「ちょっと線が細すぎるかな」「ちょっと良い人過ぎるかな」という感じだったんですね、私にとっては。
なのでLOVE方面ではあまり燃え滾りませんでした。

「おおおお」と思ったのはアシュラフの『馬術』と『ロケットランチャー』です。
これはね、カッコいいよ!
映画を観ている様でした。

7

攻めは可愛らしいけれど

アラビアンシリーズの第4弾は、第4王子と元FBI捜査官の組み合わせ。
こちら単体でも読めるかと思いますが、同シリーズ別タイトルのキャラクターもちらほらと登場するので、そちらも踏まえた方がより楽しめるかと思います。
作中の義兄弟のやり取りが可愛いのでぜひ。
ゆりの菜櫻先生のアラブものは、攻めのアラブの王子様がとにかく甘く、受けがあまり辛い目に合わない幸せなお話が多いのが特徴的ですよね。
安心して読めるというか、ハッピーなアラブという感じ。
今作もひたすらに甘い攻めによる受け溺愛包囲描写がたっぷりのラブストーリーとなっております!
ティータイムのシーンが和やかな雰囲気で1番好きでした!
砂糖の塊を豪快にハンマーで割る姿見てみたい(笑)

なんと言っても今作の魅力は、攻めのアシュラフの執着っぷりと見事な囲い込み、そしてアラブのはずなのにラテン系な(?)押せ押せの求愛の数々!
読んでいるこちらが恥ずかしくなるような口説き文句を丸々1冊に渡って囁くどころか、豪速球ど直球に投げまくり。
身分を隠してアカデミーに通っていたため、完全に理人を自らの元に囲い込むまで王子(自分)に仕えているフリをしたり、周りの人間も巻き込んじゃったり、なんだか大きな犬のようで憎めない可愛らしいやつなんです。
良い意味で王族っぽくないというか、親しみやすさを感じる攻めでした。
と、アシュラフのあの手この手で囲おうとする執着っぷりと暴走王子っぷりは楽しく読めたのですが、受けの理人があまりハマらなくてですね。
終始流されやすすぎて、なんだかもう大丈夫かー!?となりました。
プロファイリングを学んだはずなのにこんなに気が付かないものかな…と思ってしまったりなんかして…
PTSDに関してもわりとあっさりめに克服してしまう。
うーん、ポンポンと進んでいってしまって、恋愛感情を持つまでが突然な気がしました。
高貴な身分の大型わんこに懐かれて「ステイ!ステイ!」と言いながら、アァ〜〜!と押し倒されてしまう飼い主のようなドタバタラブコメでした。
スイートさは感じましたが、もう少しじっくり読みたかったかもしれない。
可愛いアラブ攻めが読みたい方におすすめの1冊です。

あとは、アカデミー時代の2人のやり取りが良いなと思っていたら、あとがきで長すぎて1部カットしたと書かれていて。
いやー、個人的にはここがもっと読みたかったな〜!
FBI、引かないです!需要あると思います!!

ところで、デルアン王国の王子さま方は日系人が大好きなのですかね?
今のところ出ているのは王子×日系人のカップルですよね。
これはこれで古き良きアラブもの感があって良いのですが、今後違う組み合わせも出て来るのかな?なんて。

6

今度は第四王子

アラビアン第四弾で今度はデルアン王国第四王子のお話。さらっと読めたので萌にしました。単独読みもできますが前作までのカプが出てくるので既刊も読んだ方が楽しいと思います。本編210pほど+あとがき。

FBIを退職し、1年ほど前に知り合ったアシュラフの故郷であるデルアン王国へふらっと旅行に来た理人。会えたらいいな、ぐらいに考えていたのに、なんと空港に着くやその当人と出くわし・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
アルディーン&晴希(2作目カプ)、シャディール(1作目攻め)、攻めの側近ぐらいかな。

**以下より内容に触れる感想

攻めさんは策士ではあるけど、受けの人生を思って一旦受けの前からは姿を消していたというところが、前3作までの攻めより控えめなのでは、と思いました。たとえ離れている間、受けに密かにボディガードをつけていようとも。
執着さんですが、そんなに非常識なところは感じませんでしたね。もし受けがPTSDでFBI辞めなかったらどうしてたんだろう?と思います。

受けさんはFBIでプロファイリングの研修受けてたという割には、アシュラフの素性を全く気にせず、言い分を信じてたってところに少し物足りなさを感じました。ツンケンしたところも塩対応もなく、スレたところの無い、素直な方という印象です。

攻め受けとも萌えポイントをめっちゃヒットするところが無く、お話も王道でさらっと読めてしまって、ちょっと寂しかったです。いわゆる拉致監禁無理矢理凌辱なんていうアラブとは少し違いますが(媚薬はあった)、アラブの雰囲気は大好きだし、兼守先生の挿絵が大好きなので、このアラビアンシリーズまた出たら、勿論読みますので、是非続いてくださいね!・・・もう王子いないかな?

3

君さえいれば。ここは楽園。

前情報を読まずに期待していた、これはきっと「アラビアン・ウェディング」の続編なのだろうと。
予感は当たっていて。「アラビアン・ウェディング」のアルディーンの義兄・アシュラフ、デルアン王国の第4王子の恋の物語。
私は失念していた。作者によると「プロポーズ」「ウェディング」「ロマンス」そして本作「スィートキス」の順で読むのがお勧めな様だ。もちろん一冊完結なので、既刊を読んでいなくても問題は無い。
懐かしいアルディーンと晴希に会えるのはやはり懐かしく嬉しい。物語の中で、彼等はずっと仲睦まじく愛し合っているのが解ってほっこりする。ただし、晴希は変わらず王妃として暮らしている様だ。

デルアン王国の一夫多妻制の為、いずれも腹違いの王子たちは揃いも揃ってストーカー揃いの溺愛執着攻め。アシュラフも約1年と期間さえ他の兄弟より短いとはいえ、一目惚れした理人にもれなく追い込み漁をやってのける。
理人は優秀なFBI捜査官だったが、ある事件を経て退職してしまう。ほんの旅行のつもりで訪れたデルアン王国でアシュラフと偶然再会して、彼の元で過ごす事になる。もちろんアシュラフは身分を隠していて、偶然を装っているだけで、理人の動向を調べていた。
だが彼は意外にも理人の気持ちを優先していて。そこは些か強引なアルディーンとは違う。
さっさと理人を抱いたりしない。側近が気を利かせて媚薬を焚いたのに、理人の精を放出させるだけで、手を引く。しょっちゅう口説く割にはおいそれと手を出したりしない。紳士なのか、ヘタレなのか。そこが可愛らしくもジレジレする。
そのおかげでゆっくりと理人の恋心が醸成されていくのだ。アシュラフも策士であるのは変わらないのだが、卑怯な感じがしない気がする。うん、追い込んでるのは一緒なんだけどね。
それ以上に命をかけて互いに守り合いたいという絆が彼等にはある。そもそも理人がFBIを辞めなくてはならなくなったのは、研修中にアシュラフを守って銃に撃たれた事に起因する。そのトラウマを抱えては仕事にならなかったから。
そして、アシュラフは命をかけても理人を失いたく無いという熱情がある。
互いが互いを一番に想いあっているのだ。
王国には反社会勢力もあって、アシュラフは襲われたりするけども持ち前の胆力と理人の起点で危機をも乗り越える。理人はFBI捜査官として鍛えられただけあって、守られるだけの姫では無いのだ。華奢で美しいんだけど。これからも王子を支え、共にこの国を守っていくだろうという勇ましい予感で物語は終わる。
アラビアンらしく贅を尽くした結婚式では無く。軍用機で成層圏を突破してみたり。
これはこれで贅沢なんだけど。ロマンティックさには少々欠ける。
そういう意味では私は「アラビアン・ウェディング」の方が好き。

美しい理人を抱くエチも、花々を敷き詰めたベッドでとはいうものの。やっぱりアシュラフのネチッこさには笑ってしまう。蜜部に熱い楔って…。
兼守美行先生のイラストは美しくてため息。

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