神の愛しき妻の話~結婚二年目、花嫁修業中!~

kami no itoshiki tsuma no hanashi

神の愛しき妻の話~結婚二年目、花嫁修業中!~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×20
  • 萌6
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
20
評価数
8
平均
2.8 / 5
神率
0%
著者
朝香りく 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
御子柴トミィ 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
Splush文庫
発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784781686264

あらすじ

画家として活躍する砂羽は炎珠天という神様と一緒に暮らしている。生活力が皆無の砂羽の世話をする炎珠。二人きりの生活は砂羽の個展を境に揺らぎ始めて…。

表題作神の愛しき妻の話~結婚二年目、花嫁修業中!~

炎珠天,砂羽の暮らす地域一帯の土地神
稲城砂羽,20歳,画家で炎珠の嫁

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数2

天然が過ぎて、頭の弱い子に見えてきちゃう

超甘々な異類婚姻譚になります。

裏庭の蔵を壊した際に、大きな蛇を殺してしまい、その祟りに襲われた主人公・砂羽の生家。
砂羽は病に倒れた兄を救って貰う代わりに、土地神・炎珠の嫁になります。
そして二年後ー。
画家として才能を発揮した20歳の砂羽に、生活能力皆無な彼の面倒を細々と見ている炎珠と、二人は仲良く暮らしていてー・・・と言うお話です。

朝香先生と言うと、受けがとにかく大好きな溺愛攻めがお約束でして。
今回もですね、神様ですが主人公をこれでもかと溺愛してたりします。
いや、そもそも炎珠ですが、誰にも顧みられず放って置かれた自分の祠に、唯一お供え物をして信仰心を向けてくれていた砂羽。
彼を幼い頃からずっと見守り、愛おしさを感じていたんですよね。
そう、「呪いを解く代償に嫁」は、願ってもない幸運だった。

まぁそんなワケで、この二人で甘々夫婦生活。

砂羽ですが、画家として突出した才能を持っています。
ただそれと引き替えにしたように、極端に不器用で生活能力の無い浮き世離れした青年なんですよ。
本当、一人では何も出来ない。
そんな砂羽の面倒を、いそいそと嬉しそうに見る炎珠。
神様なので、感情に反応して周囲に様々な現象が起こっちゃうんですよ。
砂羽の笑顔を見れば、周囲にはキラキラと光が舞うってな具合で。
や、神様らしく威厳を持った態度を取ってても、周りには光が舞っていてと、分かりやすくてニヤニヤしてしまう。

また、二人の日常ややりとりがとにかく激甘で。
えーと、野菜が苦手な砂羽が「人参はあんまり・・・」と言えば、「お前がそう言っていたから、お花の形にしてみたのだ。これならどうだ」と炎珠みたいな。
もう、とにかくこんな調子で、砂羽の為に家事全般をこなしつつ、とことん甘やかしてる炎珠の言動が萌えまくりなのです。
溺愛攻め、最高だよ!と。

ただこちら、ちょっと引っ掛かる部分もあって。
繰り返しになりますが、主人公である砂羽が超ド天然です。
浮き世離れした天才です。
世間知らずも極まれりです。

これ、思った所を正直に言わせていただくと、砂羽の天然っぷりが過ぎて、単に頭の弱い子に見えてきちゃうんですよ。
いや、食事をボロボロこぼす程度はいいんだけど、フォークで上手く食べられないからといって、手掴みでケーキを食べだすとかどうなの?と。
しかも、仕事相手の前で。

えーと、しっかりものの受けが意外と不器用で、食事をボロボロこぼすなら萌えるのです。
ギャップで。
ただ、天然受けが手掴みでは、不器用以前の問題じゃ!?とドン引きになっちゃうと言うか・・・。

う~ん・・・。
砂羽ですが、やたら後ろ向きで、考え無しみたいな所にもイライラしちゃって。
個展に来てくれたファンへのサインを、炎珠に言われて渋々するみたいな。
人付き合いが苦手なのと、相手の気持ちを思いやれないのとは別だよね?と。
あと、炎珠に全て面倒を見て貰ってる現在の状況に気付くと、初めて危機感を持つんですよね。
自分はしてもらうばかりで、何も炎珠に返せてない的に。
また、彼への想いを自覚した途端に、絵が描けなくなる。
そこで、自分が役立たずだと思い悩む。
で、炎珠の幸せの為に、身を引く決意をするー。

この決意自体は、健気で泣かせてくれます。
ただ、何も言わずに無計画で家を出ちゃうって何なの?と。
「最初から嫁になるなんて嫌だったんです!」みたいな、炎珠の為に嘘をつくとかは?と。
案の定、炎珠を死ぬほど心配させ、危険な目にも遭っちゃう。
おいおい!ですよ。

これ、砂羽のこれまでを思えば、現在の彼が形成されたのにも納得が行くのです。
呪いのせいで周囲の人達は皆ヘビに見え、更に親兄弟からも邪険にされて育った。
そこに、持って生まれたものもあって、ここまで内向的に育ったんであろうと。
あと、そんな彼が炎珠と出会い、愛する人の為にと成長する所が本作品の見処だと言う事も分かる。
だから、これは完全に、私個人の好みの問題なのです。
でも、やっぱりイライラしちゃうんですよ。

う~ん・・・。
そんな感じで、ストーリー自体や溺愛部分なんかは好みなんですけど、受けのキャラのみ個人的に合わない。
評価が難しいんですけど、やっぱり溺愛作品は大好きなので「萌」で。

ただ、私が心が狭いから受けにイラつくだけで、健気で一途ないい受けだと思います。
あと、切ない成分は1ミリ程度なので、攻めが受けをこれでもかと甘やかしてる溺愛作品がお好きな方にもオススメ。

7

花嫁になってから頑張るお話です

今回は祠に祀られていた土地神と呪われていた本家の次男のお話です。

呪いを解いてくれた攻様に嫁いだ受様が徐々に人並みな感覚を身につけて
名実ともに攻様の伴侶となるまで。

受様の家は江戸時代創業の呉服屋を基盤とした大手百貨店を経営していま
す。受様はまだ母のお腹の中にいる時に、裏庭の蔵を壊した際に殺してし
まった大蛇の祟りを受けて、幼稚園に入った日から突然、老若男女を問わ
ずあらゆる人間が蛇に見えるようになります。

誰もが蛇に見える受様は誰にも懐かないが故に家族からも愛されず、強烈
な疎外感と孤独と恐怖を抱えて育ちます。そんな受様の救いは絵を描く事
と母屋に面した庭の一角にある石の祠にお参りするでした。

実はその祠は土地神様を祀った祠で、受様は本能的に神の気配を感じ、祠
に話しかける事で心の安らぎを得ていたのです。

ところが受様が18才の夏のある日ね大学生だった受様乃兄が原因不明の病
に倒れ、父は跡継ぎの命が脅かされると放っておいた土地神の存在を思い
出し、蛇の呪いを祓う事にやっきなるのです。

産後すぐに母が亡くなり、父にも兄にも愛情を向けられた事の無い受様で
したが、必死になって祈る父から離れた場所で祠に向かって両手を合わせ
ます。するとそんな受様の願いに応えるように祠から炎のような人影が現
れ、自らを祠に祀られた土地神だと名乗ります。彼こそ今回の攻様です♪

攻様は父の願いを叶える代わりの供物として、受様を花嫁として貰い受け
る事を条件とします。父は受様よりも跡継ぎである兄を選び、攻様は現れ
た蛇を光の珠で引き裂き、呪いを打ち砕きます。

その直後、兄の容体が劇的に回復し、受様は人間が蛇に見えなくなります。
そして受様は攻様の花嫁として攻様と契りを交わし、父や兄が逃げるよう
に家を去ると、受様とともに暮らし始めます。

それから2年、攻様は画家としての才能を花開かせたたものの、生活能力
は著しく低い受様の生活を全てに渡ってサポートする存在となっていまし
た。

元々他人との距離を上手く保てない受様は攻様の花嫁として守られる生活
に疑問を抱いた事すらありませんでしたが、個展開催をきっかけに花嫁と
しての自分がダメダメな事に気付くのです。

結婚して2年、受様は攻様に相応しい花嫁になれるのか!?

兄の呪いの解呪の代償として神様である攻様に嫁いだ受様の溺愛系新婚
ファンタジーになります♪

実は攻様は祀られていた祠が長らく放置されていた為に、受様が生まれた
頃には消えそうな存在となっていました。しかし、庭の素朴な草花を供え
ながら細やかな願掛けをする受様の無垢な心が攻様に圧倒的な力を与えた
のです。

その上、受様の純真な愛らしい声と姿は性別を越えて攻様の心を捕えてい
たので、受様と言葉を交わす前から既に受様にメロメロなのですよ(笑)

基本は世間知らずで超天然な受様視点で進みますが、ちょくちょく受様を
溺愛する攻様視点のターンが入ってくるため、受様と攻様の思考の乖離の
甚だしいズレがより明らかになり、受様の思い込みと勘違いによるすれ違
いぷりにハラハラしたり、ドキドキしたりしながら、たいへん楽しく読ま
せて頂きました♪

そもそもが受様が蛇の呪いを受けるとか、土地神様である攻様が受様に惚
れて花嫁にするとか、基礎設定がかなりトンデモなので好き嫌いが別れる
かなとも思いますが、天然な受様が頑張るお話でもありますので、受様に
突っ込みつつ、励ましながら読んで欲しいです。

朝香先生はちょっと変わった設定のお話が多くて、スプラッシュ文庫では
そんな朝香風味が良く利いたお話が沢山読めていたのに、本作で休刊なん
てホントに残念です (>_<)

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