十年後にあがった、あの日の雨。

jyunengo ni agatta anohi no ame

十年後にあがった、あの日の雨。
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神56
  • 萌×239
  • 萌32
  • 中立5
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
14
得点
537
評価数
132
平均
4.1 / 5
神率
42.4%
著者
幸田みう 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
発売日
価格
¥710(税抜)  
ISBN
9784813032557

あらすじ

「ずっと好きだった」

高校時代、クラスの中心にいるマサと、
それを端から眺めているのが好きだった鳴海。
学校では全く接点のないふたりだが、外では偶然に会って話す仲だった。
正反対なはずなのに、ふたりでいる時間は居心地がよかった。
だけど、あの日、初めて行ったマサの家。
────ふたりはセックスをした。
それ以来、ふたりで過ごす時間はなくなってしまった。
あの日、あの時、それぞれが見ていた景色。
十年後に繋がる想い、同級生再会ラブストーリー。

表題作十年後にあがった、あの日の雨。

桐生(マサ),高校生〜社会人
鳴海,高校生〜社会人

その他の収録作品

  • short walk
  • カバー下漫画

レビュー投稿数14

タイトルと表紙から伝わる

幸田みう先生の新刊ですが、とても楽しみにしていました。
というのも、表紙とタイトルがとても気に入ったからです。
きっとハッピーエンドだと感じさせてくれるタイトル通り、
切ないけど優しくて愛溢れるお話でした^^

『十年後にあがった、あの日の雨。』
『十年前に聞いた、最初の雨音。』
前半は、高校の同級生だった鳴海とマサが再会し、当時を思い出しながら結ばれるまで。
後半は、付き合いだしてからの二人、高校当時の二人を時系列行ったりきたりしながら描いています。


高校当時、家庭環境に恵まれないマサの癒しは、学校では交流のない同級生の鳴海。
二人は偶然会って交流し、惹かれ合っていきます。

屈託のない笑顔と裏表のない性格、そんな少し天然で可愛らしい鳴海に惹かれながらも、人を愛する事に怯えるマサ。
それは、誰かを好きになっても必ず捨てられる母親を見て育った家庭環境のせい。

その不安を吹き飛ばす精神安定剤的な存在の鳴海。
マサは、鳴海なしでいられなくなりそうな自分が怖かったんだろうなと思います。
一度は鳴海とセックスしたものの、怖くなって逃げ出してしまうのです。

鳴海がすごいなと思ったのは、これでマサを恨んだりしないところ。
自分と関係を持ったあと、他の女子と付き合いだしたマサに少しは怒ってもいいと思うんです。
でも、ただひたすら健気に10年間マサを思い続けている。
この一途な気持ちに心打たれました。
まぁ、それはマサも同じなんですけどね。

再会してから恋人になるまでは、比較的あっさりしています。
付き合いだしてからは、お互いからの愛情がダダ漏れ。
自分の方が好きーーいやいや、自分の方が好き♡
みたいなやり取りも可愛くて好きでした。

10年を一冊にまとめるの?と少し不安だったのですが、
卒業してから10年間すっぽり抜けている関係なので、実際には高校時代と再会後が詰め込まれた一冊です。
あっさりしてるけど、しっかり愛を感じました。
鳴海の飼い犬・麦がまた可愛くて癒されます♡
鳴海の変なTシャツにも注目です!(カバー下もお忘れなく)

修正は、白短冊とトーンですが甘くて驚きました!
幸田先生の作品にしてはH多目だと思います。
ぎゅっと抱き合ったままする幸せHが、可愛くてたまりませんでした。

19

10年越しの晴天

10年越しの再会ラブのお話。

多感な思春期の後悔を経て、現在。
今度こそ間違えないよう素直に1歩を踏み出すストーリーを
雨・雨上り・晴天でなぞらえて展開していきます。

陽キャ×陰キャのCPで、
1話目は受け視点・2話以降は攻め視点になっています。

個人的にこの構成は好きです…!
受け視点では攻めがクールな男っぽいのに
攻め視点になるとただの拗らせヘタレ野郎にしか見えないw

想像していたより切なさは感じませんでした。
あらすじをみて痛いほどの切なさを期待していたので
あれ?アッサリしてたな…というのが正直な印象かな。

逆に言えば重くない切なさなので読みやすい。
評価は萌えと悩みましたが
繰り返し読む面白さはあったので萌え×2です。

さてさて。内容はあらすじにあるように、
高校時代のすれ違いをキッカケに縁が途切れてしまった2人が10年越しに再会。
あの頃には言えなかった言葉を伝えてやり直していくストーリーです。

受け:鳴海は所謂陰キャ。
暗いというよりちょっと天然かな?穏やかな笑顔が良きです。
高校時代は教室の隅でコッソリとマサを眺めるのが好きでした。

攻め:マサはクラスの中心人物。
そこにいるだけで周りがパッと華やぐ空気を持っています。
しかし学校内の明るさとは違い、家庭のコトで鬱屈していて…。

たまたま話すキッカケが出来たことにより
学校外で「偶然」を装って何度も一緒に過ごす2人。

マサの鬱々とした気持ちを鳴海の笑顔が癒やしてくれる。
少しずつ惹かれるようになるけど、男が男に欲情する戸惑いがあるのですね。
同時にマサは母親を傍目から見ていて恋愛は身を滅ぼすと思い込んでいて。

結局逃げ出したマサに対して
鳴海は何も言えないまま嫌われたと思い込んでいるのが切ないです。
10年ぶりの再会でドキドキ緊張しているのはキューンときました(;///;)
(マサが何考えているかわからない笑顔だから余計に…;)

マサはニヒルっぽいのに、
鳴海に対してだけは感情をかき乱してくのが良きですヾ(*´∀`*)ノ

マサ視点になると鳴海視点の時のような表情が出てこないんですよ!
この違いは鳴海がいかにマサをカッコよく思っているかが伝わります。
(実際はただの拗らせヘタレなのに…w)

いつもいつも鳴海の笑顔に救われる。
10年経っても変わらないまま。
けれど今度こそ見失わないよう、弱音をさらけ出すのが良きです…!

2人の両片想いは、
鳴海の♡矢印は細かいのが無数に出ているいるのに対し
マサの♡矢印はドデカいのが1つドーンと出てる感じ?
という印象を持ちました。
(ううう語彙力…。これで伝わるだろうか)

初読ではアッサリ感が否めなかったんですが、
繰り返し読むとマサの拗らせ感がクセになりますね。
すっごい必死になってるマサかわいいぞ。
そして鳴海の気の抜ける笑顔が素敵。晴天にピッタリ!

12

優しい色彩の表紙がとても素敵。

お話を読んで、「あぁここはあそこか」と分かるともっと好きになりました。
他の人にとっては何でもない街の一角、というのが逆にロマンチック。
ふたりだけの思い出の場所ですね。

さて、今作は再会ものということで、高校の同級生だったふたりがクラスメイトの結婚式で十年振りに再会するところから始まります。

コミック名『十年後にあがった、あの日の雨。』と同タイトルの第一話は、受け・鳴海視点で進みます。

僕はずっと あの日に囚われている――…

時間の流れを感じさせる鳴海のモノローグに胸がきゅーっとさせられ、どんな切ないストーリーになっていくのTT?
と思いきや、です。
さら〜っと回想が流れ、あれよあれよという間に恋の答え合わせを済ませ、あっさり結ばれるふたり。
ここまでたった一話なのでちょっと肩透かしをくらうと思います。

つづく第二話以降は『十年前に聞いた、最初の雨音。』というタイトルに変わり、攻め・マサ視点に。
恋人になった現在の様子を交えながら、高校時代が明かされていくという流れです。

ここからが面白い。
マサ視点から見るとふたりの印象ががらっと変わりました。

『HELLO』を読んだ時も感じたことだけど、幸田みう先生が描く臆病者、好きだなぁ。
愛すべき臆病者。
鳴海、マサのこと救ってくれてありがとう。

犬の散歩を口実にあの場所で待ち伏せ、待ちぼうけに耐えた末にマサに会えてぱぁっと笑顔になる鳴海に、わたしもとても癒された。
200点の可愛さでした。

7

お互いに大好き

10年後に再会してからのお話だと思っていましたが、最初の同級生のウェディングパーティーと最終話が社会人になってからのお話でした。

ほとんどは攻めのマサ視点による高校時代の回想です。

ウェディングパーティーのお話を読むと受けの鳴海の方がマサを好きな熱量が高いような印象でした。

でもマサ視点で鳴海に落ちるように惹かれていく様子を読むと、マサの方が遥かに鳴海に夢中だと思うのです。

可哀想な母親の姿を見て来たマサは人を愛する事に消極的で、鳴海に依存するのが怖くて逃げてしまいます。
鳴海はそれでマサに嫌われたと思いながら10年忘れられずに来ました。

でも本当に後悔していたのはマサで、結婚する五十嵐にウェディングパーティーに鳴海を呼んで欲しいと頼んでいたのでした。

高校時代のマサの鳴海に対する想いが、読んでてキュンキュンしました。「可愛い」を心の中で連呼してるんです。

学校では話さない2人がコンビニと犬の散歩と理由をつけて、約束した訳では無いのに会っていたのにも萌えました。

ちょっと天然な鳴海と斜に構えたようなマサが、お互いに居心地の良い存在になって行く過程が微笑ましかったです。

同級生に嫉妬したマサが部屋に鳴海を連れ込んでセックスするんですが興奮して余裕が無いのと、もう無理と言う鳴海に平気だと嘯いて抱き続けるマサがもう凄かった。
鳴海に夢中になってしまって止まらないんです。

そして逃げてしまうんですけどね…

恋人同士になってからはマサが鳴海の部屋に週末に泊まりに行くようになったようです。
描き下ろしでは日曜日の夜にマサが帰って行くのが寂しい鳴海の様子が描かれていました。

道を聞いて来た女性達に鳴海が嫉妬するんですが、それを喜んだマサが月曜の朝にそのまま出社すると言って泊まってました。

4

安定の幸田作品

ほんわか癒し系を読みたい時は、必ず幸田先生の作品を読みます。
大きな山場は無いものの〜安定した主人公達のストーリーが可愛いんですよ。

天然ピュアな鳴海くんに、癒されたマサの姿や、脇役で大活躍な麦が愛らしい。

お互いを忘れなかった時間が・・・10年かぁ〜。
長いなぁ〜。
現実では、全く有り得ない・・・(個人の感想www)

最初に、再会&恋人になってから〜過去の話に繋げて行く流れが良かった。

幸田先生ありがとう。
これからも、素敵な作品楽しみにしています。

2

恋する視線と犬が可愛い。でも十年間を詳しく!

ずっと見つめている癖にチラと見ると目を逸らすしぐさが何度見ても可愛かったです。
遠くに見える、偶然を装って相手を待つ姿。高校時代2人並んで座るカバーの姿などが印象的で、いつもながら繊細な雰囲気が丁寧に描かれてあります。個人的に電子53Pの日暮れの表現のコマ割りが、何ともないようでバランスがよく好きでした。
電車内酔っ払ってマサを抱きしめちゃう鳴海の可愛さは幸田みうさんが描いてこそ!俯くマサの憂い顔も美しい。
マサは洋風塩顔(?)めな気がしますが、いつもの幸田さん特有の低体温イケメン。そして天然黒髪鳴海。うーん、魅力的ではあるのですが、顔つきや表情が若干マンネリ気味に感じます。
そして十年で人が変わる相当な時間の長さですが、それが顔にも性格や体つきにも変化が感じられず、2年くらいに見えてしまうのが少し物足りなさではありました。
長い間に色んなことを考えたはずで、そこんとこ詳しく‼︎でした。

けれどそれでも、十年間一人の人を片思いしていても(こんな風に叶う事はなかったとしても)いいよと言ってくれる作品は優しく、素敵過ぎます。

5

心が雨に洗われた

再会ラブストーリーが大好物です。
エロが控えめ。淡い切なさが漂い、全体的にゆっくりとした感じと言っていいでしょうか。
再会してしっかりと自分の感情を伝え、あっさりと交際する2人。
困難や葛藤を乗り越え交際に至るまでの過程が見たい方にはもしかしたら少し物足りなさを覚えるかもしれません。
十年前の悲しい経験や出来事も、時間の経過によって美化された思い出の1ページのように見え、攻めの葛藤や受けの悲しい気持ちに感情移入するよりも、「こんなことがあったんだ」という穏やかな心持ちのまま。

最近読んでいるBLは割とエロが多めや激しい感情をむき出しにしている作品中心だからか、この作品を読んだあと、毒気を抜かれたような気持ちになりました。
受けの笑顔が本当にかわいくて、愛犬の麦もかわいくて、攻めもかわいくて、気づいたら何度も「かわいい」と口ずさみました
カバー裏の描き下ろし漫画も、ふたりのやりとりがかわいくて癒されます

3

10年後再会ラブ

幸田みう先生、とっても絵が好きです。特にカラー絵キレイですよね。
絵も作風もふんわり優しい印象を持ってますが、この作品は意外にエロがしっかりあるなーという印象を受けました。(激しいとかではないです)

10年前、高校生だったころ、お互い好きだという気持ちを伝えないまま一度きりの体の関係を持ってしまったマサと鳴海。
それ以来お互い疎遠になり10年後、友達の結婚パーティで再会。そこからお話が動き出します。
おそらく当初表題作の読み切り作品だったと思うんですが、そのせいか10年ぶりの再会のわりに1話目であっさりくっついちゃったなーという印象なんですね。まぁ読み切りなんで仕方ないんですけど、ちょっとその辺りは安易な設定だなと思ってしまいました。あと、1~2年ならわかるけど10年もお互い思い続けられるか?というのも非現実的だなという印象。
ただ、2話目以降の高校時代のエピソードを織り交ぜながらのストーリーはとても良かったです。
鳴海によって家庭環境の複雑さから救われたマサの心情が切なくて切なくて…鳴海への想いが溢れる様がすごく伝わってきました。
2話以降のお話が良いので1話目が少し軽く感じられてしまってもったいないなと思いました。

3

絵がきれいで読みやすい

幸田先生初読みです。
絵がきれいですね。それに見やすい。流れるようなコマ割り好きです。

最初、鳴海がヘタレダサ眼鏡…も、萌えないタイプだわ…しかも相手がイケメンで卑屈になっちゃうやつ?とちょっと引き気味だったのですが。

だんだんかわいいところが見えてきたのは、ストーリー、マサ視点と共に、そういう描かれ方をされていたからなのでしょうか。
恐らくそうですよね。お上手です。

しかも、天然なところがあって、おとぼけ君なのをマサがきゅんとくるのがよかった。

マサが鳴海にハマっていくのも自然だったし。 

(やべ…すげー興奮する)
の見せ方もぐっときました。

マサの母親のことを比較的さらっと、事実としてこうでした、という描き方もいい。

マサがたまに情緒不安定だったり、鳴海に向き合うことに臆病だったのが、そんな母親を見てきたがゆえという、バックグラウンドとして理解できる。

酔っ払った鳴海が電車内でマサに抱きついて、マサが照れているのが萌えでした。

五十嵐の軽いノリ(LINE)がツボでしたw

1

許されて、甘えて。

この絵でしっとりした大人の恋愛ものを読んでみたいと思っていました。
ええ、思っていましたとも。うーん、ですがやっぱり幸田みう先生は高校生ものだなぁ、って思えてしまう。高校生だった2人の10年後だというのだけど、2人はそれほど成長していない。見た目だけじゃなく気持ちも、その恋も。10代の時が止まったままなのだ。

女子にモテモテのマサはいつも人に囲まれていて。そんなカッコいいマサをこっそり見つめているだけだった鳴海。学校では話さなかったけれど、家が近所という気やすさから、鳴海が犬の散歩をしている時などは話す。家庭が不穏だったマサにとっては、そんな時間が楽しみだった。鳴海の優しい屈託の無い笑顔に癒しを求めていた。マサはどんどん鳴海に惹かれて、鳴海を欲しいと思うことが不安になって。恋が終わるのが怖くて。逃げてしまう。
それから10年の時を経て。2人の時は動き出す。

…動き出してからはあっ‼︎ という間に合体!だったので、ちょっとびっくりしました。
えーと、10年も離れていたけど、気持ちは同じだった、めでたし!って事なんだろうけども。そして鳴海がそんなマサをすぐさま許して甘やかす。そして可愛いもんだから、マサはたまらなくなってしまう。幸田先生史上一番エッチなんじゃないかな。細っそりした、ゆるく修正されたモノは割としっかり描かれていて。耐えている鳴海の表情も、切羽詰まっているマサの表情も、とってもエッチだった。

新緑に濡れる雨の様に、しっとりとしてるんだけど。雨上がりにはさぁっと日の射す様な。
そんな爽やかな読後感でした。でもショートストーリーみたいだったな。
10年の重みは感じられないかも。

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