バズる男と営業の彼

buzzruotoko to eigyou no kare

バズる男と営業の彼
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×213
  • 萌7
  • 中立1
  • しゅみじゃない13

--

レビュー数
5
得点
99
評価数
39
平均
2.9 / 5
神率
12.8%
著者
夕映月子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
コバルト文庫
電子発売日
価格
ISBN

あらすじ

リア充系好青年な後輩×臆病でさみしがりな先輩のすれ違いオフィス・ラブ。印刷会社の広告部で働く但野は、愛想よく接しやすい大人としてずっと外面を取り繕ってきた。一方、恋愛系SNSでは「ただのゲイ」として、世を忍ぶゲイの弱みつらみを面白おかしく書きたてるふりで、自分の本音を吐き出していた。そんな但野は、同じ会社の営業部で働く二年後輩の津久井に恋をしている。だが彼は絵に描いたようなリア充だし、仕事のやり方について怒鳴りつけた過去があるから気まずい。なのに、津久井はどうしてか懐いてくるから、恋心を悟られないよう全力でそっけなく振る舞ってしまう。そんなある日、但野はSNS上でしつこく「キモい」と絡まれて…?

表題作バズる男と営業の彼

津久井 印刷会社の営業部で働く後輩
但野 27歳 2万人のフォロアーがいるゲイ

レビュー投稿数5

個人的には激萌え…でも攻めの言動を許容できるかどうか、が評価の分かれ目

個人的にはめっっっちゃくちゃ、激萌え、だったのですが…

ここを見るに、なかなかの厳しい評価。。( ;ㅿ; )

と言いつつ、理解もできる。

なにせ、攻めの言動が最悪だから。
脳筋男で、デリカシーなし。
SNSで自分との妄想を呟く但野(たんの・受)に「キモい」と何度もリプしたあげく、自分が彼に惹かれていると自覚すると、店で但野がSNSに書いた妄想をなぞる言動をとり、但野を凍りつかせるのです。

そんな彼の「本気なんだ」なんて言葉、但野のセリフ同様、信じられるわけないだろ、ばかやろ〜!って感じですし。宇宙人かこの攻めは、って思わなくもない。

最終的に自分の言動を謝ってない津久井(攻)には正直かなりモヤっとした気持ちが残る。

この攻めを許容できるか否か、がこの作品の評価の大きな分かれ目なのかなと思います。
10年ぐらい前の自分だったら、正直絶対許せなかっただろうなー、とも(; ´_ゝ`)

でも…但野に距離を置かれてから彼を追いかける津久井の姿があまりに必死で哀れで、但野にそれこそメロメロなのが分かったので、うん、ま、いいかなと。笑

キモい、とリプを繰り返したことは絶対許されないことだとは思うんですが、自分が同性愛の対象になっていることへの驚きと、それでも但野に惹かれつつある自分への困惑の裏返しだったのかな、と。
「告白しちゃえばいいのに」なんて、本当に嫌悪感しか持っていなかったら冗談でもリプできないですしね。


もうですね、受けの但野の抱えるクローゼットゲイの寂しさ、恋を求める姿にはぐーっと胸が締め付けられましたよ…

身バレして、SNSに最後の投稿をする場面では涙が止まらなくなってしまって。。
久しぶりにBL読みながらリアル泣きしました。

ノンケ攻めのデリカシーのなさ、無自覚に受けの心を弄ぶ言動に心を抉られながらも、最後はしっかり大団円で萌えを供給してくださる夕映先生の手腕に脱帽でした。

SNSに書き込まれた妄想をもとに、言葉で責めながら受けを抱く描写も最高に最高✨

180ページもない、電子専門のお話ですが、SNS時代の「どこかにありそうな」恋のお話、最後までしっかり堪能させていただきました・:*+.

0

注:リア充・ノンケ感、かなり強めな攻めです。

作者さま買いです。
仕事で疲れ果て先方からの返事待ちのタイミングで
何かビタミン的なものを摂取したいと、それは私の場合BL本なので、
電子専門・新刊として発売されたこちらを購入。
ちょっと高い気がきましたが、大好きな夕映さんのお話、
これは紙では売ってないんだなという思いが後押し。
読みたい時にすぐ買えていいですよね、電子。

さて内容ですが。うーーーん…?
と思わないこともなかったけど
…結局、すごく萌えました♡
買って大成功。同日に3回も読んでしまって
その後の仕事の時間が圧迫されたほどです。
本末転倒。笑

まず、受けの但野さんがかわいいです。
クローゼットゲイで、さわやか好青年としての毎日を送りながら
SNSで道化を装いつつ本音を吐き出す、そんな自分を嘲っています。
そんなことないってリプしたい!
健気すぎて、もう〜かわいそかわいい〜〜。泣

そして問題の?攻め、津久井。
周りにいたら絶対モテてるイケメンリーマンなのですが。
でも言動にちょいちょい引っかかりを感じるんだよな…。
但野さんが津久井と「噛み合わないなぁ」と
悲しむシーンがあるのですが、激しく同意でした。

しかしながら。
但野さんを激怒させた当初の仕事のやり方についても、
説教された後はきっちりと反省して謝罪。
&間違えに気づかせてくれた但野さんに懐き。

ちょっとした出来事から、
からかい半分で見ていたSNS上の「ただのゲイ」が
但野さんということが判ってしまった後、繰り返される暴言、
これはかなり許せない感が強いのですが…
まぁでも、きっとノンケはそう思うよなっていうのがひとつ。
あと読み返してみると、そんな風に津久井が過剰反応したのは、
その時、既に心の奥底では但野さんに
恋心に近いものを感じていたからこその反応、
というか本来ノンケである彼の、
自分の心に対する反発心だったのかな、と、
個人的には読み解きました。

だって〜〜!津久井が終盤にみせる、
但野さんへのなりふり構わない口説きや独占欲に、
もうもう! 萌えてしまって。必死かつメロメロ!!
ノンケのくせに但野さんのかわいさに気づくなんて同志感あるし、
自分がもうトシだからかな、
もぉー、こいつ本っ当バカだけどしょうがないなぁ
と、何ともかわいく思えてしまいました。/////

私としてはこのメロメロタームが食い足りないです。
もう少しお財布に優しい価格設定※を希望しつつ
その後の二人がとっても読みたい!
※電子はもっと気軽に買いたいです。
 だって印刷面の費用がかからないし、
 流通費用とか在庫管理とかも必要なし。
 紙本に比べて作家さんへのロイヤリティが高いって
 いうわけでもなさそうだし?

お話の長さや内容からいって
気軽な気持ちで楽しむタイプのお話かと思います。
ちょうどこういうの読みたかった!という気持ちにフィットしました。
苦手な方も多そうな気がするので、逆に敢えての萌えレビュー。
ある意味浅はかな攻めをかわいいと思える、
大人な姐さまや、心に余裕のある時におすすめします。

9

ネットとリアルの狭間で

夕映さん、初めての『電子専門』です。
最初に書くのもなんですが、ストーリーとは直接関係ないけど、電子書籍に対する夕映さんの感じ方が書かれているあとがきが面白かったんですよ。結構昔からBLを読んでいる身としてはちょっと感慨深いものがありました。

主人公の但野は印刷会社で働くクローゼットゲイ。
簡単に体の関係を持つことに拒否感が強くて、小奇麗な見た目から何度かお誘いがありつつも全くの未経験。
職場の営業、津久井にこっそり恋をしていますがノンケの彼に告白などできるはずもなく、その憂さを晴らすためにSNSで彼に対する想いを冗談交じりに吐露するちょっとばかり自虐的な書き込みをしています。それが人気を博しまして2万人のフォロワーがいる、という設定です。
ところが、現実世界で津久井が但野に急接近する出来事がありまして。飲みに誘われるのです。その時に、自分の書き込みを読んでいなければ分からないはずの科白で迫られちゃうんですよ!
「気持ち悪いゲイをからかうつもりで接近してきた」と思った但野は激しく動揺するのですが……

私はSNSって現実と虚構の狭間の世界だと思うのです。
『まるっきりの真実』ではないけれども、ある意味、現実の側面をかなり反映するものでもある。
そういった世界に但野が傷つけられたり救われたりする様が、とってもリアルでした。
読んでいて「ああ、わかるよ、わかる」と何度も思ったもんね。

さて、たぶん物議をかもすであろう『結末に至るまでの過程』についてです。
津久井は但野のSNSの書き込みに対して「キモイ」って書き込んでいます。
これに、但野はいたく傷ついてしまうのですけれども(あたしも傷つくよ、この手の書き込み)。
でもねぇ、現実の本人を知っている津久井は、その書き込みだけで但野を決めつけないのですよ。
「何でかな?」って考えたと思うんです。
それが「俺のことそんなに好きなのかな?」に変わって行ったんじゃないかと。

いや、これ「あー、こういうことが現実にもあれば良いのになぁ」と思いましたよ。
SNSの世界って自分が気に入らない人のことはすぐに切っちゃって、もう考えなくなっちゃうものねぇ。
それにこだわって考え続けることが、互いを理解する為の第一歩なんだと思う私としては、この部分の津久井の心情がもっと書かれていたら、大満足だったのですけれども『さらっと』なんだなぁ……
この辺がちょっとばかり評価を下げました。

明るくたのしく、重くないお話なのですけれども、夕映さんが書かれているように『電子社会』を意識したお話です。それを考えると、結構深いかも(深読みしすぎかな?)

2

挿絵はどこ?

攻め受け共にキャラクタがあんまり好みじゃないのかな?と思っていたのですが。
別に性格が嫌いなわけじゃないし、仕事に対する態度も悪くないのに、
読みながら何かちょっとイマイチのめり込めないな~と読んでいたら攻めのセリフで分かりました。

単純に性癖が自分の好みとずれてたんですわ。

ちょっと地雷にも近い、「公然の恋愛事情」が関わってくるんですね。裏事情筒抜け、皆知ってる、どれも苦手なシチュエーションでした。
何処の誰とも知らない、ネット上のつながり。それでも好きじゃないみたいです。
でも攻めは裏事情筒抜けで興奮したみたいなんで。あ、性癖の違いか、と。

あーそっかー、それじゃ仕方ないな~と開き直れたのと、文章は読みやすかったしキャラクタが苦手じゃない事も分かったので、真ん中の萌えにします。

ところで電子限定なんですよね?
だから電子で読んでますけど、あとがきで挿絵に言及してるのに挿絵ないですよ?
キャララフと表紙しかまだ見てないとありましたが、その後表紙だけになったというパターンでしょうか?
それとも何処かにあるんですか?私の目に見えないだけですか?ebookだけないんですか?
謎です。泣くぞこら。

1

SNSでしか本当の気持ちを晒せない、そんな受けは良かったけど……

電子書籍専売の単行本で7話からなる長編で177Pあります。

あとがきで「内容も文章も電子書籍向きにしてみた」ということで、LGBTもOKな恋愛系SNSで2万人のフォロアーがいるクローゼットゲイの但野(受け)が主人公です。
彼視点でお話が進みます。

ゲイだけどあくまで普通に恋をして1対1の誠実な付き合いをしたいと思っている但野。
だけどゲイ専用アプリは露骨で即ヤリのようなものばかりだし、そもそも自分のような付き合いを望んでいるのはゲイの中でも少数派だと知り、何とも言えない寂しさを感じています。

そんな誰にも打ち明けられない気持ちを、「ただのゲイ」というHNで、世を忍ぶゲイの弱みつらみを面白おかしく書き、更に片思い中の2年後輩への想いを呟き続けています。
やがてその後輩との過激な妄想を垂れ流すようになるうちに、腐女子を中心とするフォロアーが2万人にもなり、何かと呟くのが日課というかほぼ中毒状態。

但野が好きな津久井は2年後輩の営業部なんだけど、体育会系の脳筋系くんでノンケ。
実は、一年前に津久井の仕事に雷を落とした事がある但野。
広告部や印刷部が徹夜仕事をしないと納期が間に合わないような仕事を相談もなしに取ってきては、広告部に押し付ける事、多々。
挙句の果てに「そこを何とかするのが広告部の仕事じゃないですか?」などとのたまうものだから、但野の堪忍袋の緒が切れて……ということがあり、その時は清く謝罪をし非を認めた津久井だけど、但野の中では大人気なく声を荒げてしまった気まずさが残ってしまっている。

そして本当の気持ちを知られたら終わりだと思ってるので、会社では好きな気持ちを鉄壁のようなガードで隠して、つい素っ気なく振る舞う。

だからこそ「今日も営業の彼と話しちゃった♡」だの「営業くん、かっこいい。俺の童貞処女もらってください」だの「営業の彼に抱かれたらぐっすりと眠れるんだろうな」だのSNSの中でのみ好意を呟ける。

そんな但野の呟きに対して「キモい」と執拗にリトライをするアカウントが登場します。
あまりにも執拗に「キモい」攻撃をされて参った但野は、そのアカウントをブロックするのだけど…….


ネタバレです。




まさかの「キモい」攻撃をしていた輩は、実は攻めでしたー!というやつ。

ネットで粘着してしつこく「キモい」リプライをしている人間は、どうしても受け入れられないです。

まず攻撃性が高すぎて怖い。
そしてやたら粘着してるのも怖い。

ゲイの妄想垂れ流しのツイートを見て「キモい」と思ってしまう事自体は責めません。
そういう反応をする人もいるのはわかる。
だけどキモいと思いつつもスルーできる人と、わざわざ「キモい」と書き込んでしつこく粘着する人、両者の間にはかなりの隔たりがあると思うんです。

友達が「こんな呟きを偶然目にして、うわっ!と思っちゃったー」と言ってるのを聞いたら、悲しくは思うけれども軽蔑はしない。
だけど「キモ過ぎて許せないから、キモいって毎回書き込んでるんだよねー」と言ってたら軽蔑するし、心の中で友達の縁を切る。

そのくらい、私の中では違う。

攻めの「キモい」は、「本人の知らないところで妄想ネタにされて世間に動向を逐一発表されている相手に申し訳ないと思わないのか?そういう感覚が「キモい」」と言いたかったみたいで、それにはまあなるほどと思うところもあるんだけど、だからといって、SNSで粘着するのは無い。

そして、最初はただただキモいと思ってたくせに、実はこの「ただのゲイ」があの但野さんだと知って、あの清潔そうな顔の裏側でこんなエロい事呟いてたんだ……そしてこの営業の彼って俺じゃん!!というあたりから、キモい→好きに変化していった…というのだけど、エロい事に釣られた脳筋ヤローが!としか思えなかった……。

本当にごめんなさい。

最初の仕事ぶりといい、粘着してキモい攻撃をしていた件といい、好意の示し方といい、どうやっても攻めの良さが見出せなかったです……。

夕映先生の初めての電子書籍専用の作品ということで、好きな作家さんだし好意的なレビューを書きたかったのですが、こんな辛口になって本当に申し訳ないです。

だけど、本音をSNSの中でしか打ち明けることができない、SNSで呟いていいね!を貰うことでどうしようもない孤独を埋め合わせているけれど、やはり時々虚しさを感じてしまう……そんな主人公の気持ちが丁寧に描かれていて、そこは良かったです。

12

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