「天色の瞳は千年の恋を抱く」電子限定おまけSS「半妖は魂の絆で結ばれる」

amairo no hitoi wa sennen no koi wo daku

「天色の瞳は千年の恋を抱く」電子限定おまけSS「半妖は魂の絆で結ばれる」
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
2
得点
10
評価数
2
平均
5 / 5
神率
100%
著者
 
イラスト
 
媒体
特典
出版社
電子発売日
付いてきた作品(特典の場合)
天色の瞳は千年の恋を抱く(但し電子限定での購入のみ)

商品説明

電子版で購入すると収録されている書き下ろしSSです。

内容:葵を千年前に送り出した後の、シンとヨキのお話です。
葵の事を語って欲しいと、ヨキに告げるシン。
記憶がどんどん薄れてゆく彼は、すでに葵の事をたくさん忘れていて…。

レビュー投稿数2

こんなに哀しいのに、これほど優しくて幸せな約束ってある!?

「天色の瞳は千年の恋を抱く」の電子限定おまけSSになります。

本編はハッピーエンド。
余韻の残るとても素敵なラストで締め括られますが、個人的に気になって仕方ないのがシンの最期になります。
で、その「葵を送り出した後のシンとヨキ」が語られるSSになるんですね。

これ、もうめちゃくちゃ泣けちゃって。
ここまでで物語は完結してると思うんですよ。
だって、シンのその後が分からないと、安心して眠る事も出来ないじゃん!?(TдT)
めちゃくちゃ哀しいんですけど、とても優しくて幸せな終わりでもあるんですよね。

まぁそんなワケで、ぜひこのSSは読んでいただきたい!!
あと、本編のネタバレになるので、読了後にお読み下さい。













千年前に置いてきた真之丞を救うため、再び過去に飛ぶ葵ー。

を、送り出したシンとヨキ。
葵の語った真之丞が自分の事らしいが、もはやどうでもいい。
ただ、葵の思う通りに、やり遂げられればいい。
そう思うシン。

どんどん記憶が曖昧になっている彼は、ヨキに葵の事を教えて欲しいと話します。

葵がやって来た時の事。
葵の容貌。
葵が毎日、どんな事をして過ごし、どんな会話をしたかー。

既に、自分の命は終わりに近づき、この千年が苦しかったのか、少しは楽しい事があったのか、それすらも覚えていない。
でもただ一つ覚えているのは、天色の瞳を持つ少年との約束。
「きっとシンを救ってみせる。待っていて」
ああ、待っているー。

記憶は無いが、いつか彼が自分に言った言葉だろう。
懐かしい響きだと感じながら、そう思いを馳せます。


そして訪れる終焉ー。
目が見えないはずのシンの前に、突然極彩色の光景が広がります。
そして、その中に一人立つ、男の姿。
無くしてしまった五感が甦り、シンは全てを思い出します。
祓い師としての誇り高い毎日。
そして、青い瞳を持つ、美しい少年との出会いー。

ああ、お前だったのか。そうか、約束をしたんだな。

人間として最期の記憶に残るのは、最愛の人との約束だったんですね。

約束を守ってくれた葵に深い感謝を覚えながら、最期に彼の姿を見られなかった事だけを、心残りに思うシン。

空を写したような瞳。
薄桃色の頬。
輝くような笑顔ー。

彼が泣くとどうしていいか分からず、深い愛おしさを感じたー。

「これからも、ずっと笑っていてくれ。葵」

そんなシンの目に、突然映った二人の姿。
少しだけ大人びた葵の姿に、シンは天に感謝を捧げます。
最期に望みを叶えてくれたのだろうと・・・。
そして、いつでも笑顔でいてくれと、葵の隣にいる男に葵を託すんですね。

場面が切り替わり、眠りから目を覚ます真之丞。
隣に眠る葵の姿を見て、何故か締め付けられるような哀しみと深い愛しさを感じ、強く抱きしめましたー。

と言うお話でした。

切ない・・・。
シンの最期が、もう切なすぎる。

でも、シンは最期に、確かに幸せだったんだなぁ。
彼が千年待ち続けたのは、自分の消滅じゃない。
葵との約束だったんだろうなぁと。

めちゃくちゃ哀しいんですけど、とても素敵で優しいお話でした

11

哀しく、でも喜びに満ちた幸せな最期。



これを読んで初めて話が完結したと思えました。
本編の中で語られなかった、葵の行動による明確なシンの変化について。

本編で、千年後の世界が変わったことまでは確認しましたが、シンが実際どうなったかはわからないままの終了でした。

あらすじはすで他の方がに詳しく書いてくださっているので割愛しますが、ここでは、葵がシンのために頑張った結果、シンに起った出来事が書かれています。
シンによって語られる自身の想い。
呪いで何もかも忘れてしまうシンが、葵のことを忘れないようヨキに葵のことを語らせていたこと、真之丞だったころのことを思い出したこと、自分が何を待っていたのか、約束が果たされたことを噛みしめ、真之丞に葵を託して最期の時を迎えるシンに涙せずには読めません。というか号泣でした。
そして、それを意識の外・魂で受け取る真之丞。

この話はここまで読んで完了なのではないかと思います。

シンが最期を迎え、真之丞とリンクする終わりは不思議な感動でした。
幸せな気持ちで最期を迎えられたことは本当に良かったです。

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