オメガの発情警戒領域

omega no hatsujokeikairyoiki

オメガの発情警戒領域
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×23
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
3
得点
46
評価数
16
平均
3.2 / 5
神率
25%
著者
義月粧子 

作家さんの新作発表
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イラスト
花緒ト綸 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784778127008

あらすじ

IT企業で働くオメガの惇也は、約3ヶ月に一度の発情を抑制するオメガ専用のピルが効きにくいことに悩んでいた。アルファと番えば不特定多数をフェロモンで誘惑せずに済む。番を探そうと考えていたある日、同じアパートに竜崎という男が引っ越してきた。整った顔立ちにがっちりした体躯の彼と目が合った瞬間、身体中に衝撃が走る。アルファかと淡い期待を抱くが彼には影響なさそうな上、態度もそっけなくて…。

表題作オメガの発情警戒領域

竜崎祐嗣、隣人で医療機器会社営業
及川惇也、IT系技術職・オメガ、21

その他の収録作品

  • 竜崎祐嗣改め、常磐祐嗣の場合
  • あとがき
  • 後日談

レビュー投稿数3

落ち込んだ時に読むと癒される激甘展開

大事な人が亡くなったので、激甘ロマンスを読んで気分転換しようと、
明るめの作品を選んで読んだ本。
義月作品にしては、淀みなく明るいハピエン。

及川惇也:IT系技術職・オメガ、
オメガの母の恋人に襲われて以来、対人恐怖。
自分にちっとも自信がないトラウマ持ちのΩ

竜崎祐嗣:医療機器会社営業、アパートの隣人
βのように見えるけれど、やけにαっぽい。


竜崎は、訳があって、抑制剤を飲み、素性を隠して修行中だった。
ハピエン。

0

(義月先生で)こんなに受けに甘くて意地悪が手ぬるい攻めって珍しいです

オメガバース+シンデレラストーリーになります。
に、いかにも義月先生らしい捻りをプラスって感じでしょうか。

義月先生ですが、いじわるで経験豊富な攻めにですね、恋愛下手な受けが翻弄されると言うパターンがお得意でして。
で、実は・・・と、攻めの真意が最後に分かり、散々ヤキモキした読者を歓喜させてくれると言うか。
ただこのパターンだと、ここまでの攻めの酷さをですね、覆すだけの強力な+αが必要なんですよ。
単純に「いじわるされて傷付いてる顔が可愛かったから」くらいの理由だと、もう覆せない。
これまでのマイナスの方がデカ過ぎて、不発に終わっちゃうんですよね。

が、今回は、そのパターンの成功例。
攻めは意地悪なんですけど、その裏に愛情が透けて見えちゃうと言う珍しいパターン。
また、最後に攻め視点の短編がございまして、そこで分かる彼の真意にめちゃくちゃ萌えるのです。
あれ、いつもと逆で、これ攻めの方が振り回されてるんじゃね?と。
個人的にですね、受けが攻めに翻弄されてるように見えて、実は攻めの方が振り回されてるんですよ~と言うパターンが大好物でして。
そんなワケで、とても楽しく読めました。

内容ですが、引っ越して来たばかりの隣人・竜崎×IT企業勤務のオメガ・惇也による、オメガバースでシンデレラストーリーです。

発情抑制剤の効きが悪くなっている事に、不安を覚えている惇也。
アルファと番として結ばれる事を望んでいますが、なかなか上手い具合に出会いが無いんですね。
そんな中、同じアパートに引っ越して来た竜崎と言う青年を見たとたん、強い吸引力を感じます。
アルファかと期待を抱くものの、彼は自身のフェロモンに反応しない上、素っ気ない態度でー・・・と言うものです。

まずこちら、惇也ですが、素敵なアルファを見つけて番になるのが夢と言っても、決して自立してない玉の輿狙いではありません。
ネグレクト状態の親と決別し、高校中退ながら懸命に仕事のスキルを磨いて働いて来たんですね。
でも、オメガだと言うだけで能力を認めて貰えない日々。
更に発情抑制剤の効きが悪くなって来た事から、アルファと番になり発情に振り回されない事を望んでいると言うのが真相で。
ごくごく普通で等身大の青年と言った印象でしょうか。

で、そんな彼の隣に引っ越して来た竜崎。
惇也は彼に惹かれるものの、自分のフェロモンに全然反応しない事。
更に安アパートに住むアルファなんて存在しない事から、アルファではないと結論付けるんですね。

そんな二人が惇也のヒートにより、身体の関係を持ってしまう。
そこで竜崎から、恋人が見つかるまで身体の相手をする事を提案されー・・・と言う流れです。

こちら、二人の日常が存外可愛くてですね。
料理がからきし出来ない竜崎ですが、何故か高級肉だの蟹だのをよく貰う。
で、惇也が料理して、二人で食べる。
その後は何だかんだ言いつつ、ベッドになだれ込む。

エッチになるとちょいSな竜崎は意地悪な事を言うんですけど、その裏に嫉妬だったりが透けて見えてまして。
こう、最初に「ベータの人とはカップルになれない」と惇也からハッキリ言われてるんですよね。
で、惇也がエリートアルファと知り合うと、それを揶揄するような態度。
なんだけど、惇也を放っておけない・・・。
う~ん・・・。
義月先生でこんな分かりやすくて(意地悪ぶりが)手ぬるい攻めって、珍しいんじゃ無いでしょうか。
えーと、悪役に徹しきれないと言うか、基本的に受けに甘いのがバレバレと言うか。

と、そんな日々を過ごすうち、竜崎に惹かれてゆく惇也。
しかし、アルファでなければ発情を抑えられず、更にベータとオメガでは上手くいかずにスレ違う現実が多い事から、どうすべきか悩み・・・と続きます。

これ、惇也が悩んだ末に出した結論。
これが凄くさわやかなのです。
うん。
やっぱり、一番大切なのって、自分の気持ちに正直になる事だよねと。

また、安アパートに住んでヒラの営業として働き、惇也のフェロモンにも反応しない竜崎の正体ー。
こう、うっすらと想像はつくんですけど、オチではやっぱり歓喜してしまう。
まぁ、個人的に、こういう逆転劇が大好物でして。

と、とても萌えるツボ作品でした。
義月先生では、びっくりするほど甘い展開だと思います。

8

発情シーンはたっぷり

義月さんの作品は好きなんですが
個人的には今作はあまりハマらなかったです。

小説でオメガバースを読み慣れていないせいかな…?
ストーリーが王道だっただけに
文字上だけだと時折NLを読んでる気分になりました。

ストーリーが悪いというわけではないのですが
個人的には受けのキャラクターが好意的に読めなかったので中立であげます。
(辛口のみのレビューですが"しゅみじゃない"と言い切るほどではなかったので…。)


オメガバースが商業BLに登場して数年。
最近はΩが虐げられる存在として扱われることも少なくなったように思います。
ので、"αから見下されるΩ"を久々にみたな~というのがまず最初の感想。

文章が一人称で綴られるため、環境に傷つくΩの心情がシンドイのと同時に、
自虐的な感情に少々ウンザリしました。

受けは他者から見ると魅力的なΩなのに褒められても自分を卑下してばかり。
褒め言葉をわざわざ悪い風に捉えては傷つくので面倒くさい…。
Ω友達は根気よく付き合ってたので偉いなと思いました。

で、発情のせいでまともな社会生活ができないΩにとって
立派なαと番になるのが楽になれる道…というのはわかる。
で。(受けは乗り気じゃなかったけれど)αとの婚活に励む姿が…(^0^;)
うーん、うーん…なんだろう、BL見てる気がしない。

『βと恋愛は無理』という考えも個人的には合いませんでした。
(β側が「俺じゃ無理だ…」と悔やむのはめっちゃ萌えるのですが…)

ストーリー展開上、この考えがキーになるのは分かるのです。
αとかβとか取っ払って攻めが好き…!っていうのは重要なポイントです。
でも理解と好みは別の話で、相手を値踏みしてるようで肌に合わず萎えました。

また受けは抑制剤が効かずに苦しんでいて
将来のためになるなら…と治験バイトをするのですね。
で。治験バイト中に薬が効かず発情→攻めとセックス。
医師にそれを報告せずバイト終了。
……おいおい、まったく治験になってないじゃん;

受けを好意的に見られない上にコレで
責任感のなさに呆れドン引き状態でした(;´Д`)
申し訳ないと言うならせめて正直に話そうや。

Ωに生まれて苦労したんだろうなと思うけど
受けのキャラクターに何の感情も持てなくて微妙な気持ち。
萌えを楽しむ部分まではいけなかったです…。

あと攻めとはやたらセックスしてたな…という感想。
顔を合わせるとすぐ発情しちゃってセックス三昧でしたね。
個人的に匂いや本能に惹かれる発情シチュは大好物なんですけど
如何せん受けが苦手だったのであまり萌えませんでした。

受けのキャラクターが許容範囲内で発情シチュがお好みの方なら
発情がたっぷり楽しめるオメガバース本だと思います♪
エッチくてドロドロに溶けるような描写でした(^///^)

4

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