BLアワード2018|ちるちる

BLアワード2018|ちるちる

ついに今年もランキング決定!!
商業BLの祭典BLアワード2018!!

BEST コミック 2位

普通とはなにか マイノリティーとはなにか

「にいちゃん」

ポイント:
2305pt
著  者:
はらだ
出 版 社 :
プランタン出版
シリーズ:
Cannaコミックス
発 売 日 :
2017/4/28

近所の優しい「にいちゃん」に、幼少期いたずらをされた主人公の「ゆい」。かなしいほどに世間や家族に抑圧され真っすぐには生きられない二人の、普通と何か、おかしいのは誰か、を問うようなストーリー。読後、「頭からこの作品が離れない」という声もあがるほど、衝撃的な話題作です。

はらだ先生からのコメント

こんにちははらだと申します!弱さと妥協と意地と地雷のにこごりみたいな内容ですが、ご興味もってくださった皆様本当にありがとうございます。ドラマCDがものすごい胸熱な仕上がりになっておりますのでこちらもぜひよろしくお願いいたします。

ユーザーの声を紹介

異色の話題作!狂っているのは自分か世間か…

自分の「好き」はおかしいの?
社会に問いかける作品だと感じました。
BLという枠に囚われず、読んで頂きたい作品です。
華宗。さん

最初の方はこの二人を見ているといわゆる一般的な目で見て「異常だな」と感じるけど、話が進むたび徐々にこの二人の周りに対する感情が正してくてむしろ周りの方が「異常」に見えてくる不思議な作品だった。改めてはらだ先生の凄さをまじまじと見せられたようだった。
匿名さん

ただいちゃいちゃしているだけのBLからの変革をもたらす作品だと思います。本来「愛」がテーマになるBLの世界が、社会的・道徳的なテーマを持つBLへと変わりゆく潮流のなかで、突出している作品だと思います。
でじうーまんさん

世の中の「普通」と言うなにかに捕らわれる恐怖と狂気。「普通」に当てはまることが出来ない自分たちが狂っているのか、違う。「普通」に当てはまる周りが狂っているのか。はらだ先生ワールド全開のどこか人間の本性が見える作品です。
匿名さん

ストーリーが面白いのはもちろん、強いメッセージを感じる作品でした。
「普通とはなにか」誰もが一度は考えたことがある問。ですが、その自分なりの答えを押し付けるとどうなるか。自分も「普通」を振りかざして人を傷つけてはないか。それをもう一度考えさせられる作品でした。
ストーリーも劇的で面白いです。文句なしで一位!
かんぱんさん

読んでここまで衝撃を受けたBL作品はなかなかありません。話としては終始重いテーマで、全体的にドロっとした空気が漂っています。序盤の方は痛々しくて読んでいてつらいんですが、読み進めずにはいられないというこれぞはらだ節炸裂といった風に話にどんどん引き込まれていきました。
また、最終話の終わり方ならそこまで重いと感じなかったのですが、描き下ろしの本編のつづきを読んで、さすがはらださん!このままでは終わらせないんですね!!と感心しつつもまたどん底に突き落とされたような感覚になりました。
本当にBLという枠を超えた作品だと思います。お話の組み立て方やキャラの心の葛藤&感情表現がとてもお上手ですし、読み終わったあとすぐに「今年のベスト1はこれだ!これに勝るものはない!」と強く確信したほどでした。衝撃的で怖くて悲しくて切なくて…そう思いつつも何度も読み返してしまう作品です。
匿名さん

まるでマジックのように自然に立場が変わっている

ゆいと景の立場が逆転していくさまが自然で恐ろしく、ぐいぐい引き込まれて読了しました。
初めは酷い酷いと思っていたにいちゃんが、どんどん可哀想になっていく。可哀想だったゆいが、どんどん本性を曝け出していく。まいが可愛くて怖くて、やっぱり怖い。
読むたびに心が重たくなる作品ですが、これは是非とも読んでいただきたいです。
破れ鍋に綴蓋、まさにこれ。ゆいと景、二人にはどんな未来が待っているのか。気になるところですが、この終わり方が最も美しいのだろうと思いました。
翔子さん

鬼才・はらだ先生の世界に引きこまれていく

読んでから数日はこのコミックのことばかり考えてました。2人を見ていたら普通とはなにか、本当に普通が幸せか、などと普通の概念がぐらついていました。最後のシーン、ゆいがどちらの行動に走ったのか気になります。
鈴懸さん

はらだ先生らしいといえばらしい作品です。ゲスい登場人物が制裁を加えられる。 そこには勢いと爽快さがあり、読み終わった時胸のモヤモヤがスッとなくなるのは彼女の本の最大の特徴だと思います。「普通」とはなにか、「幸福」とはなにか。色々考えさせられました。「性癖の暴力」という言葉が当てはまる作品。賛否両論あるかとは思いますが、私にとって1番心に残った作品でした。
たみたみさん


何度も読み返していますが、いつも複雑な感情になってしまいます。物語はもちろん、コマ割りも衝撃的です。白黒のバランスのちょうどよさが印象的で、特に『それでも私は異類なのか?』のページを開いた瞬間は、強烈に心が打たれました。

詳しい内容は触れませんが、読んでいるうちに悲しくなると同時に、児童の性犯罪とLGBT差別をもう一度考えさせられました。特に兄と親から治療を強制されたときと、自分の一番大事な人はとっくに自分のことを忘れていると気づいたとき、読んでいて悲しくて言葉も出ませんでした。

私自身のエゴなのかもしれませんが、つらくて暗い子供時代を過ごした主人公の三人に、少しでも明るく幸せな未来が待っているといいなと思いました。

けれどこのような子供時代を過ごしたからこそ、その「愛」が鮮烈に存在感を放てているのかもしれません。この腐りきった世界でも、世の中の目線を気にせずに気持ちが伝えられたら、それがきっと、なによりも大切で、どの思いよりも遥かに強い「愛」ではないでしょうか。

最後に、この作品を作り出したはらだ先生に感謝です。
SPICAAAAさん

はらだ先生の作品は陰と陽がはっきりしていると思うのですが、こちらは陰の世界観が見事に表現されていて素晴らしかったです。
読み終わった後もモヤモヤするというかすっきりしないんですが、それがまたはらだマジックなんですよね~。
忘れられない作品です。
2jo4さん

「小児性愛」という、ダークで、人によっては嫌悪感を抱くであろうテーマを真っ向から描いた作品。このご時世にあえてこのテーマで描き切ったはらださんに敬意を払いたい。
決して小児性愛を容認した作品ではなく、「普通」とは、「人を愛するという事は」を問う壮大なストーリーです。
独特の世界観を放つはらだワールドが堪能できる神作品でした。
ポッチさん